マンガ・ノベルアプリ「peep」で連載が始まって以来、その予測不能な展開と背筋が凍るような心理描写で、多くの読者に衝撃を与え続けている『ぬらりひょんの棲む家』。皆さんはもうチェックしましたか?
私も最初は「最近流行りの、不気味な隣人や侵入者に家が乗っ取られる系のスリラーかな?」と軽い気持ちで読み始めたんですが、数話を読み進めるうちに、そんな生易しいものではないと気づかされました。ええ、文字通り度肝を抜かれたんです。
この記事にたどり着いた皆さんは、きっと「ぬらりひょんの棲む家」の核心に迫るネタバレ情報を探しているんだと思います。皆さんが抱えている疑問は、おそらくこんな感じではないでしょうか。
物語の黒幕は結局誰なのか? あの不気味な沼尻たちが本当に黒幕なの? それとも、主人公の和宏に何か裏があるの? 彼の異常なまでの妹・美月への執着の正体と、その狂気的な動機は?
そして何より、漫画版はどこまで進んでいて、原作は完結しているのか。あの衝撃的な展開の先に待つ、最終回の結末はどうなってしまうのか……。私も気になって一気に調べてしまいました。
この記事では、そんな皆さんのあらゆる疑問に答えるため、物語のあらすじから最大の謎である黒幕の正体、そして衝撃の結末まで、徹底的に解説していきますね。
記事のポイント
- 衝撃の黒幕と主人公・和宏の正体
- 物語の前提が覆る一家乗っ取り事件の真相
- 和宏、美月、復讐者たちの複雑な相関図
- 漫画版の続きと原作ノベル『FINAL』の結末
ジャンプできる目次📖
ぬらりひょんの棲む家、ネタバレ徹底解説

\ぬらりひょんの凄む家を読んでみよう/
物語の序盤は、不眠症の療養で実家に戻った主人公・和宏の視点で、不気味な男女に実家が乗っ取られていく恐怖が描かれます。これぞ王道のホーム侵略スリラー…と誰もが思います。しかし、この作品の本当の恐ろしさは、その「前提」がすべて根底からひっくり返る瞬間にあります。
ここでは、物語の核心となる「黒幕」の正体と、巧妙に隠された事件の真相について、詳しく解説していきますね。
衝撃の黒幕は誰?主人公、和宏の正体
いきなり結論から言いますが、この物語のすべての黒幕は、主人公の小山田和宏(おやまだ かずひろ)です。
「え、あの気弱そうで、必死に妹を守ろうとしていた和宏が?」
そう思いますよね。私も最初はまったく信じられませんでした。読者(私)は、完全に和宏の視点で物語に感情移入し、「この絶望的な状況からどうやって逆転するんだ!」と応援していたわけですから。
物語は、大学生の和宏が不眠症の治療のために夏休みに実家へ帰省するところから始まります。しかし、彼が家で目にしたのは、沼尻哲郎(ぬまじり てつろう)と飯塚祥子(いいづか しょうこ)と名乗る不気味な男女に実家が乗っ取られ、両親が彼らの言いなりになっているという、まさに絶望的な光景でした。
しかし、物語が第6話前後に差し掛かると、読者は最大の衝撃を受けることになります。これらすべてが、和宏自身によって仕組まれた、壮大な「芝居」であったことが発覚するんです。
和宏の本性、それは「気弱で家族を思う主人公」などではなく、妹の美月(みつき)に異常な執着を抱くサイコパス殺人鬼。彼が演じていた姿は、すべて偽りだったんですね。
この「視点の反転」こそが、本作の最大のキモです。信頼していた主人公が、実は一番の異常者だったという事実に、読者は突き落とされます。
和宏の動機と妹、美月への狂気
では、なぜ和宏はこんなにも大掛かりな芝居を打つ必要があったのか。彼のすべての行動原理は、たった一つです。
それは、「溺愛する妹・美月と二人きりで幸せに暮らす」という、常軌を逸した願望(狂愛)に集約されます。
この目的を達成するため、彼は「邪魔な存在」と認識した美月以外の家族、つまり両親と祖母を、帰省する以前にすでに自らの手で殺害していたのです。
和宏にとって、美月の「良き兄」であり続けることは絶対条件でした。妹に愛され、信頼される「完璧な兄」として、二人きりの世界を築きたかった。
そのためには、家族の殺害や家の財産を奪うといったすべての罪を、自分以外の誰かに着せる必要がありました。その「悪役」=「スケープゴート」として白羽の矢が立ったのが、沼尻たちだったというわけです。
序盤のあらすじと一家乗っ取りの真相
物語の第1話から第5話あたりまで、和宏の計画は完璧に進みます。読者は完全に和宏の視点に誘導され、この「一家乗っ取り事件」を本物の脅威として認識します。
家に棲みつき、やりたい放題をエスカレートさせる沼尻と祥子。彼らに洗脳されたかのように言いなりになる両親(実際にはすでに和宏に殺害されている)。唯一、自分を信じてくれる妹の美月。
和宏は美月を守るために必死に抵抗を試みる「良き兄」を演じ、沼尻たちはついには「美月を沼尻に差し出すよう」要求します。和宏は絶望し、読者もまた、この「ぬらりひょん」のような沼尻にいかに立ち向かうかという、典型的なホーム侵略スリラーとして物語に引き込まれます。
しかし、前述の通り、これはすべて和宏が書いた脚本通りの展開。この「不気味な乗っ取り一家」という構図そのものが、和宏によって仕組まれた壮大な欺瞞だったのです。
沼尻や祥子の正体と役割
では、読者に強烈な印象を与えた、あの不気味な「ぬらりひょん」(和宏が沼尻につけた蔑称)こと沼尻哲郎と、その協力者である飯塚祥子は、一体何者だったのでしょうか。
彼らは、物語の真の黒幕ではありませんでした。その正体は、和宏に操られ、利用されただけの「使い捨ての駒」です。
和宏は人心掌握や洗脳に非常に長けており、何らかの方法でこの二人を手なずけ、「一家乗っ取り」というシナリオを演じさせていたのです。そして計画の最後には、沼尻たちにすべての罪を着せて排除することに成功します。
「悲劇を乗り越えた良き兄」として、最愛の妹・美月との二人きりの生活を手に入れる。それが和宏の完璧な計画でした。
登場人物の相関図と復讐者たち
和宏の計画は一見完璧に見えましたが、彼には大きな誤算がありました。それは、「使い捨ての駒」にも大切に思う家族がいたということです。
和宏が切り捨てた沼尻哲郎には純奈(じゅんな)という娘が、飯塚祥子には鷹人(たかと)という息子がいました。親を利用され、無惨に切り捨てられた彼らが、黙っているはずがありません。
物語は4年後に飛び、中盤以降は、この純奈と鷹人、さらに美月のストーカーだったカフェ店員の清春(きよはる)といった「第1の復讐者(アベンジャーズ)」たちが、和宏への復讐のために結託し、彼を追い詰めていく展開になります。
本作は、和宏の狂気を中心に、復讐者、協力者、探求者が複雑に絡み合う群像劇の様相を呈していきます。主な登場人物の関係性を表にまとめてみました。
清春や純奈、鷹人の復讐計画
物語は4年後、東京で暮らす美月と和宏のシーンから中盤戦が始まります。美月は大学生になり、兄妹は平和に暮らしているように見えました。しかし、和宏のサイコパスぶりは健在です。
美月に言い寄る男(幸成)を拉致監禁し、拷問を加えたり、和宏の過去の罪に気づいた美月の友人・凛花をためらいなく殺害したりと、彼の「完璧な世界」を維持するためなら、和宏はどんな犯罪も厭いません。
そんな中、親を和宏に利用され殺された純奈と鷹人、そして美月に執着するストーカー・清春が接触します。「和宏を社会的に抹殺する」という一点で利害が一致した三人は、協力して和宏への復讐計画を実行に移します。
しかし、和宏はそれを上回る狂気と策略で彼らを返り討ちにします。
和宏は、自らの協力者である千里(ちさと)を使い、復讐者たちを逆に追い詰めます。千里を祥子(鷹人の母親)に変装させ、鷹人の前に出現させることで、彼の精神を錯乱させます。母親の亡霊(実際は変装した千里)に動揺した鷹人は、和宏の思惑通りに清春をナイフで刺してしまうのです。
和宏はこの混乱に乗じて建物に火を放ち、すべての罪を純奈に着せて現場から脱出。再び「被害者」の仮面を被ることに成功します。
ぬらりひょんの棲む家、最終回のネタバレ

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「第1の復讐者」たちを退け、再び勝利を確信したかに見えた和宏。しかし、彼の行動が生み出した「復讐の連鎖」は、まだ終わっていませんでした。むしろ、ここからが本当の最終局面です。
ここでは、多くの人が最も気になっている「漫画版はどこまで読めるのか」そして「本当の最終回」について、詳しく解説しますね。
漫画版はどこまで?続きと結末
まず、多くのWeb媒体で解説されている漫画版のストーリー(第27話時点)ですが、結論から言うと、物語は完結していません。
「第1の復讐者」たちを退けた和宏の前に、間髪入れず「第2の復讐者」たちが立ちはだかります。
- 沼尻奈津子(なつこ):和宏の策略で死んだ純奈の母親。「お前の罪を知っている」と和宏に謎の電話をかけてきた主。
- 砂原涼介(すなはら りょうすけ):和宏が4年前に殺害した美月の友人・凛花の兄。妹の復讐のため、和宏に近づいていた。
さらに、ここに来て和宏の唯一の協力者であった千里が和宏を裏切り、奈津子たち復讐者側と接触します。
和宏は、裏切った千里から「電話の主は砂原涼介だ」という偽の情報を教えられ、涼介を拉致監禁します。しかし、涼介はこれを予期していました。
涼介は事前に美月の上司である愛子に接触し、「自分からの連絡が途絶えたら、美月に真相を伝えるメールを送る」よう依頼していたのです。
そして、漫画版は……
和宏が涼介の拷問を開始しようとしたまさにその時、愛子からメールを受け取ってすべての真実を知った美月が、兄の犯行現場であるその場所に現れる
という、絶体絶命、最大のクライマックスで幕を閉じています。
原作ノベルFINAL編は完結した?
「じゃあ、この続きは一生読めないの!?」と絶望しかけますが、安心してください。
『ぬらりひょんの棲む家』は、マンガ・ノベルアプリ「peep」で連載されている大城密さんによる原作ノベルがオリジナルです。
そして、この原作ノベル版はすでに完結しています。
物語の最終章は『ぬらりひょんの棲む家FINAL』というタイトルで、全14話で構成されています。漫画版で描かれた絶体絶命のピンチの「続き」と、和宏と美月の最終的な結末は、この原作ノベル『FINAL』編を読めばすべて分かります。
和宏と美月のその後、結末の考察
原作ノベル『FINAL』編の詳細な結末は、ぜひご自身で読んで確かめていただくとして…ここでは、漫画版のクリフハンガー(第27話)を基に、Web上で有力説として考察されている「和宏の最期」のパターンを二つ紹介しますね。
考察①:和宏が自首する(改心ルート)
和宏が唯一、その言葉に耳を傾け、人生のすべてを捧げてきた存在である最愛の妹・美月。その美月が兄のすべての罪を知った上で、説得を行う。あるいは、拒絶ではなく、兄の罪を受け止める姿勢を見せることで、和宏が改心し、自ら罪を償うために自首を選ぶ、という結末です。
考察②:和宏が美月を殺す、または自殺する(破滅ルート)
こちらがより有力視されているかもしれません。美月に真実を知られたこと、あるいは美月から拒絶されることを「裏切り」と認識した和宏が、自らの「理想の妹」を永遠のものにするために美月を殺害する。あるいは、唯一の生き甲斐であった美月を失った(あるいは失うと悟った)和宏が、絶望の果てに自ら命を絶つという、最も救いのない結末です。
和宏の狂気的な執着が、最愛の妹にすべてを知られた時、どちらに転ぶのか…。この結末は、ぜひ原作ノベルでご自身の目で確かめてみてください。
なぜ怖い?作品の魅力と怖さの正体

あらためて、この作品がなぜこれほどまでに「怖い」のか、その魅力の根源について考えてみたいと思います。
本作の「怖さ」は、幽霊やモンスターが出てくるような、従来のホラー作品とは一線を画します。読者レビューにも「最初から最後まで気持ちは悪い」「読み進めるごとに種類の違う気持ち悪さ」といった評価があるように、その恐怖は「心理的な嫌悪感」に近いものです。
この恐怖の根源は、以下の2点にあると私は思います。
① 「ぬらりひょん」の恐怖の反転
物語の序盤は、沼尻という不気味な侵入者(ぬらりひょん)が家を乗っ取るという、分かりやすい「外からの恐怖」が描かれます。しかし、その恐怖が、主人公・和宏によって仕組まれた「偽りの恐怖」であったことが明かされた瞬間、読者はより本質的な恐怖に直面します。
② 「サイコパスが内側にいる」恐怖
本当の恐怖は、「得体の知れない侵入者」ではなく、「最も信頼していた家族(主人公)」が、冷徹な計算と狂気的な執着心で他者を蹂躙するサイコパスであったという「内なる恐怖」です。
和宏は、妹を手に入れるためならどんな手段でも取る「クレイジーすぎる」存在として描かれます。読者は、この異常者の視点で物語を追体験させられ、知らず知らずのうちに「殺人鬼」に感情移入させられていたという事実に気づかされるのです。
本作の「怖さ」とは、超常的な存在によるものではなく、「愛情」という仮面を被った人間の最も歪んだ執着心と、その行動がもたらす予測不可能な破滅にある。これこそが『ぬらりひょんの棲む家』の最大の魅力であり、怖さの正体かなと思います。
また、本作は2018年の原作ノベル配信開始以来、シリーズ累計閲覧者数が300万人を超える人気作となり、実写ショートドラマ化もされています。
この実写版では、TKOの木下隆行さんが沼尻哲郎役を演じているんですが、これがまた原作の不気味さをうまく表現していて、なかなかのハマり役でしたね。
ぬらりひょんの棲む家、ネタバレまとめ
今回は、『ぬらりひょんの棲む家』のネタバレについて、黒幕の正体から最終回の結末までを、インプットした情報を基に、私なりに詳しく解説しました。
この記事で、皆さんが知りたかった「黒幕は誰?」「結末はどうなる?」という疑問の多くは、スッキリ解決できたかなと思います。
序盤の衝撃的な「視点反転」もさることながら、和宏の狂気が生み出し続ける「復讐の連鎖」から、最後まで目が離せない本当にすごい作品です。
漫画版の続きが気になって仕方がない!という方は、ぜひ原作ノベルが読める「peep」をチェックしてみてください。また、コミックシーモアなどでも漫画版をお得にまとめて読むことができますので、この機会にイッキ読みするのもオススメですよ。
ただし、結末を知ることで楽しみが減ってしまう可能性もありますので、情報の取り扱いには十分ご注意くださいね。(この記事で全部バラしてしまっていますが…)
\ぬらりひょんの凄む家を読んでみよう/



