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「遺書公開」完結ネタバレ!犯人と結末、全ての謎を解説

「遺書公開」完結ネタバレ!犯人と結末、全ての謎を解説

遺書、公開。(1) (ガンガンコミックスJOKER)

漫画「遺書、公開。」が完結し、ネタバレ情報を探しているあなたへ。この物語は、教室という閉鎖空間で繰り広げられる、人間の暗部をえぐるような強烈な読後感を残す作品です。姫山の死後、クラス内にばら撒かれた遺書。そのネタバレとして犯人は誰なのか、そして、なぜこれほどまでに物語が怖いと感じるのか、多くの読者が考察を巡らせています。

本記事では、物語の核心に触れるネタバレとして、あらすじを1~2巻の序盤から、関係性が崩壊していく3~4巻、集団心理が渦巻く5~6巻、偽りの真相が提示される7~8巻、そして全ての謎が明かされる衝撃の9巻まで、網羅的に解説します。

さらに、複雑な人間関係を示す相関図や、物語を彩るキャラクター一覧と実写版のキャスト情報も紹介。特に重要な謎である、黒幕・廿日市くるみと探偵役・池永柊夜の関係性や、廿日市自身が受け取ったとされる遺書の謎、そしてラストシーンで示唆される新序列は一体誰が作ったのかという点についても深く掘り下げていきます。この記事を読めば、作品の全ての謎が解けるはずです。

記事のポイント

  • 物語の全貌がわかる全巻のあらすじ
  • クラスを操った真犯人の正体と動機
  • 登場人物の関係性と作中の伏線についての考察
  • ラストシーンが暗示する「新序列」の謎
著:陽東太郎
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【遺書公開】完結までのネタバレ!物語の全貌

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  • 1.1 全てはここから…ネタバレ:あらすじ 1~2巻
  • 1.2 偽りの友情が崩れるネタバレ:あらすじ 3~4巻
  • 1.3 集団的罪悪感の正体…ネタバレ:あらすじ 5~6巻
  • 1.4 偽の犯人が登場!ネタバレ:あらすじ 7~8巻
  • 1.5 全てが覆る最終回ネタバレ:あらすじ 9巻
  • 1.6 ゲームの駒たち…キャラクター一覧とキャスト
  • 1.7 教室内の歪んだ相関図

全てはここから…ネタバレ:あらすじ 1~2巻

物語の序盤は、平和な日常が突如として崩壊し、底知れぬ悪意が渦巻くゲームが開始されるまでを描いています。新学期、私立灰嶺学園中等部2年D組にSNS経由で送られてきたのは、「2-D序列」と題されたクラス全員の格付けリストでした。この一件で生まれた不穏な空気を、序列1位の姫山椿はその完璧な振る舞いで一度は沈静化させます。

しかし、半年後の11月、彼女は校内で自ら命を絶つという衝撃的な結末を迎えます。本当の恐怖は、ここから始まります。姫山の葬儀後、教室に戻った生徒たちの机の上には、死んだはずの彼女から一人ひとりに宛てた「遺書」が置かれていたのです。

姫山の死の真相を探るという名目のもと、クラスメイトたちは自らの遺書を公開していくゲームに参加させられます。最初に公開された恋人・赤﨑理人や、親友・茅野鞠華の遺書を巡る議論は、感謝の言葉と皮肉のどちらにも解釈できる曖昧さを持っていました。この解釈の揺らぎが、生徒たちの間に疑心暗鬼を生み出す最初の引き金となります。そして、沢渡すずこの遺書が盗まれる事件が発生し、教室は本格的なパニックへと陥っていくのです。

要するに、この序盤の展開で確立されるのは、遺書そのものではなく、それを巡る人々の憶測やいがみ合いこそが登場人物の本性を暴くという、この物語の核心的な仕組みなのです。

偽りの友情が崩れるネタバレ:あらすじ 3~4巻

物語が中盤に差し掛かると、遺書公開ゲームはさらにエスカレートし、これまで隠されてきた人間関係の醜い真実が次々と暴かれていきます。特に大きな転換点となるのが、姫山の「一番の親友」を自称していた序列3位・御門凛奈の遺書公開です。

彼女の遺書をきっかけに、御門が姫山に対して抱いていたのは友情ではなく、強烈な嫉妬と憎悪であったことが白日の下に晒されます。テニス部のダブルスパートナーでありながら、内心では姫山の存在を疎ましく思っていたという事実は、クラスメイトたちに大きな衝撃を与えました。この一件により、序列上位の生徒たちが持つ「完璧な仮面」が次々と剥がされていく流れが加速します。

また、この過程で教室内の力関係、いわゆるスクールカーストが劇的に逆転し始める点も見逃せません。遺書公開によって赤﨑や御門といった序列上位者が信頼を失う一方で、これまで目立たなかった序列16位の千蔭清一のような皮肉屋の生徒が、鋭い指摘で議論をリードし始めます。

これらのことから、遺書公開ゲームはもはや真実を探るための儀式ではなく、既存の権力構造を破壊し、新たな秩序を構築するためのサバイバルゲームへと変貌を遂げたと言えるでしょう。教室は誰も信じられない疑心暗鬼の状態に陥り、物語はより深刻な局面へと進んでいくのです。

集団的罪悪感の正体…ネタバレ:あらすじ 5~6巻

物語は、クラスの中位層の生徒たち、そして序列10位の担任教師・甲斐原誠へと遺書公開の矛先を向け、新たなテーマを提示します。それは、特定の犯人ではなく、クラス全体が姫山を追い詰めたという「集団的罪悪感」の概念です。

公開される遺書の内容は、一人ひとりが姫山に対して行った、ささいでありながら残酷な行為を浮かび上がらせます。例えば、姫山からの悩みの相談を「1位なんだから」という一言で片付けた甲斐原教師の無責任な態度。あるいは、文化祭の準備過程で、クラス全体が姫山に「1位であること」を無意識に強要し、彼女を孤立させていた事実などが次々と明らかになります。

この流れを決定づけたのが、序列16位・千蔭清一の遺書公開でした。彼は当初から「自殺の原因は2年D組そのものにある」と確信しており、彼の遺書を巡る議論は、その考えを裏付けるものとなります。姫山の死は、たった一人の悪意によるものではなく、クラス全員が放った「嫉妬」や「期待」という名の無数の小さな悪意が積み重なった結果である、という重い真実が突きつけられるのです。

このように、物語は個人の罪を追及するミステリーから、集団心理の恐ろしさや、同調圧力によって記憶さえもが改竄されていく恐怖を描く、より社会的なテーマへと深化していきます。

偽の犯人が登場!ネタバレ:あらすじ 7~8巻

物語が終盤に差し掛かると、最初の大きな謎であった「2-D序列」メールの送信者が判明し、事態は急展開を迎えます。しかし、これは読者と登場人物たちを巧みに欺く、計算され尽くしたミスディレクションに過ぎません。

序列メールの元となったのは、序列20位の廿日市くるみが趣味の人間観察の一環で作成した、他愛もない「発言しそうな人ランキング」でした。このリストを偶然見つけた序列12位の三宅雄大が、クラスを混乱させようという悪意から「2-D序列」へと改竄し、学校のPCを使ってクラス全員に送信したことが発覚します。

三宅という「犯人」が特定されたことで、クラスには一時的な安堵の空気が流れます。一つの謎が解決したことで、物語が真相に近づいたかのように思えるからです。

ただ、これは真の黒幕が仕掛けた巧妙な罠でした。なぜなら、序列メールの犯人がわかっても、「姫山はなぜ死を選んだのか」「25通もの遺書は誰がどうやって用意したのか」という最大の謎は、何一つ解決していないためです。物語は三宅という分かりやすい悪役を提示することで、クラスメイトと読者の注意を真の恐怖から逸らし、最終的な結末がもたらす衝撃を増幅させるための周到な準備を整えているのです。

全てが覆る最終回ネタバレ:あらすじ 9巻

最終巻で、物語は全ての伏線を回収し、驚愕の真実を明らかにします。これまで不登校だった序列24位の絹掛愛未が登校し、外部の視点から「遺書の文章は、私が知っている姫山さんの人物像とは違う」と指摘。この一言が、遺書そのものが偽物であるという決定的な疑惑をクラスに突きつけます。

そして、全ての点が一本の線で繋がります。25通の偽りの遺書を書き、教室に置き、この悲劇的なゲームの全てを演出した真の黒幕。それは、序列メールのきっかけとなるリストを作成した張本人でもある、序列20位の廿日市くるみでした。

彼女は、自らの趣味である「人間観察」のために、この壮大な社会実験を計画したと告白します。完璧に見える姫山の精神的な脆さを見抜き、「1位」という重圧を与え続ければいずれ自死に至ると予測。そして、姫山の死後、クラスメイト一人ひとりの罪悪感を刺激するような偽の遺書を作成し、彼らが互いに傷つけ合い、醜い本性を露わにする様を観察して楽しんでいたのです。

しかし、物語はここで終わりません。疲れ果てたクラスが日常に戻ろうとするラストシーンで、罰せられることなく反省の色も見せない廿日市が、再び「新たな序列」を作成していることが暗示されて幕を閉じます。この救いのない結末は、教室内の悪意の連鎖が終わらないことを示唆しており、読者に強烈な印象を残します。

ゲームの駒たち…キャラクター一覧とキャスト

この陰惨なゲームに参加させられた2年D組の生徒と担任教師。彼らのプロフィールと、物語における役割を一覧で紹介します。

 序列 氏名 (ふりがな)キャスト
(実写映画版) 
キャラクター概要と姫山への「罪」
1位姫山 椿 (ひめやま つばき)堀 未央奈物語の中心人物。完璧な優等生を演じるが、周囲の期待と嫉妬の重圧に耐えきれず自ら命を絶つ。
2位赤﨑 理人 (あかざき りひと)松井 奏 (IMP.)姫山の恋人。「1位の女を落とす」という自己満足のために付き合っており、姫山を見下していた。
3位御門 凛奈 (みかど りんな)髙石 あかり姫山の親友を自称。実際は姫山に強い嫉妬と憎悪を抱き、その存在を疎ましく思っていた。
10位甲斐原 誠 (かいはら まこと)忍成 修吾2年D組担任。姫山からの相談に対し「1位なんだから」と真摯に向き合わず、彼女を絶望させた一人。
11位三宅 雄大 (みやけ ゆうだい)藤堂 日向廿日市のリストを「序列」に改竄しクラスに送信した実行犯。物語の混乱を招いた直接的な原因。
12位森本 蘭 (もりもと らん)菊地 姫奈正義感が強く犯人追及に積極的だが、文化祭の指導などで無自覚に姫山へプレッシャーを与えていた。
16位千蔭 清一 (ちかげ せいいち)宮世 琉弥冷静な皮肉屋。クラスの偽善を鋭く指摘し、議論をかき乱すもう一人の観察者。
19位池永 柊夜 (いけなが しゅうや)吉野 北人映画版の主人公。純粋に真相を追い求めるが、廿日市に協力者として利用される悲劇の探偵役。
20位廿日市 くるみ (はつかいち くるみ)志田 彩良本作の真犯人(黒幕)。人間観察という歪んだ好奇心から、この社会実験の全てを計画・実行した。
24位絹掛 愛未 (きぬがけ あいみ)青島 心不登校の生徒。外部の視点から遺書の矛盾を指摘し、物語を終幕に導く重要な役割を担う。
注: 上記は物語の展開に特に重要な役割を果たす人物を抜粋して掲載しています。

教室内の歪んだ相関図

この物語の人間関係は、表面的なものと、その裏に隠された本音が複雑に絡み合っています。相関図の中心にいるのは、悲劇のヒロイン・姫山椿と、全てを操る黒幕・廿日市くるみです。

姫山椿を取り巻く偽りの関係

姫山椿は、クラスの太陽のような存在として中心にいますが、その関係性はすべて偽りで塗り固められていました。

  • 恋人(赤﨑理人):彼女をアクセサリーとしか見ていない。
  • 親友(御門凛奈):内心では激しく憎悪している。
  • クラスメイトたち:彼女自身ではなく、「完璧な1位」という偶像を崇拝し、同時に嫉妬している。彼女は愛されていたのではなく、クラス全員から都合の良い役割を押し付けられ、消費されていたのです。

全てを操る人形遣い・廿日市くるみ

一方、この歪んだ相関図の糸を裏で引いていたのが、廿日市くるみです。彼女は表向き、池永柊夜らと行動を共にする物静かな生徒を装っています。しかし、その実態は、クラスメイト全員を観察対象の実験動物と見なし、彼らの感情や行動を予測して楽しむ冷酷な人形遣いでした。彼女は、池永の純粋な正義感さえも、自らの計画を進めるための最も都合の良い駒として利用し尽くします。

このように、教室内の人間関係は、姫山というブラックホールに吸い寄せられる偽りの衛星たちと、それを高みから見物する廿日市という構図で成り立っていたと言えるでしょう。

『遺書公開』の完結ネタバレ!全ての謎を解明

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  • 2.1 なぜ本作は怖い?日常に潜む恐怖を考察
  • 2.2 【ネタバレ】犯人は最も意外なあの人物だった
  • 2.3 協力者ではなかった…廿日市と池永の関係
  • 2.4 黒幕自身の廿日市の遺書に書かれた内容
  • 2.5 終わらない悪夢…ラストの新序列は誰が作った?
  • 2.6 総括:『遺書、公開。』の完結までのネタバレ

なぜ本作は怖い?日常に潜む恐怖を考察

『遺書、公開。』が多くの読者に「怖い」と感じさせる理由は、幽霊や怪物といった超常的な恐怖ではなく、私たちの日常に潜むリアルな人間の心理の暗部を徹底的に描いている点にあります。

一つ目の理由は、スクールカーストというシステムの残酷さです。作中で登場する「序列」は、単なる人気投票ではなく、生徒たちの自己評価や行動様式を完全に支配する絶対的な指標として機能します。この目に見える格差が、嫉妬や劣等感、歪んだ優越感といった負の感情を増幅させ、教室を陰湿な空間へと変えていくのです。多くの人が経験したことのある学校という閉鎖空間の力学を、極限まで突き詰めている点が、本作の恐怖の根源と考えられます。

また、登場人物たちの豹変も、この作品が怖いと言われる大きな要因です。遺書公開ゲームが進むにつれて、親友や恋人といった近しい間柄の人物が、信じられないほどの悪意や利己的な本性を次々と露わにしていきます。昨日まで笑顔を交わしていた相手が、今日には自分を陥れるかもしれない。この「誰も信じられない」という状況は、読者に強烈なストレスと心理的な恐怖を与えるのです。

要するに、本作の怖さとは、特別な悪人ではないごく普通の人間が、特定の状況下でいかに残酷になれるかという、人間の普遍的な脆さや醜さを突きつけてくる点にあると言えるでしょう。

【ネタバレ】犯人は最も意外なあの人物だった

前述の通り、この物語には複数の「犯人」が存在しますが、全ての元凶となった真の黒幕は、多くの読者の予想を裏切る人物です。物語の終盤で明かされる衝撃の事実、それは一連の事件を計画し実行した犯人が、序列20位の廿日市くるみであるということです。

彼女が犯人であると判明した際、多くの読者が驚くのは、彼女が物語の中で非常に物静かで目立たない存在として描かれているからです。探偵役である池永に協力する姿も見せるため、まさか彼女が黒幕であるとは最後まで疑いにくい構造になっています。

彼女の動機は、金銭や復讐といった分かりやすいものではありませんでした。それは、純粋な「人間観察」という知的好奇心です。人を窮地に追い込み、その反応を観察することに喜びを見出すという、サイコパス的な性質を持っています。完璧な優等生である姫山に「序列1位」という十字架を背負わせたらどうなるか、という社会実験の結果が見たかった、というのが彼女の唯一の動機でした。

以上の点を踏まえると、犯人が最も身近で、最も無害に見えた人物であったという事実こそが、この物語のミステリーとしての完成度を高め、読後感をより一層恐ろしいものにしているのです。

協力者ではなかった…廿日市と池永の関係

この物語における最大のミスディレクションの一つが、真犯人である廿日市くるみと、探偵役の池永柊夜の関係性です。表面的には、彼らは姫山の死の真相を共に追い求める、信頼し合った協力者のように見えます。しかし、その実態は「捕食者と獲物」あるいは「人形遣いと操り人形」という一方的な支配関係でした。

池永は、純粋な正義感から真相究明に乗り出し、廿日市の冷静な分析能力を頼りにしています。彼は最後まで廿日市を友人として信じ続けますが、その純粋さこそが、廿日市にとって最大の武器となりました。

廿日市は、池永の信頼を巧みに利用します。彼を介して情報をコントロールし、クラスメイトたちの疑念が自分に向かないように誘導しました。池永が必死に真実を探ろうと奔走する行動そのものが、結果的に廿日市の計画を円滑に進めるための手助けとなっていたのです。彼が犯人を見つけようとすればするほど、廿日市の思う壺にはまっていくという皮肉な構造になっています。

したがって、二人の間にあったのは友情などではなく、廿日市による一方的な利用と支配の関係であったことが明確になります。池永の存在は、読者が感情移入する視点人物でありながら、同時に最も巧みに騙される被害者でもあったのです。

黒幕自身の廿日市の遺書に書かれた内容

「黒幕である廿日市くるみが受け取った遺書には、何が書かれていたのか?」という問いは、この物語の構造を理解する上で非常に重要なポイントです。なぜなら、その問いの答えは「彼女は遺書を受け取ってはいない。全て彼女が書いたから」という、衝撃の事実に行き着くからです。

廿日市は、クラスメイト24人と担任教師、そして自分自身を含めた合計25人分の遺書を、すべて独力で書き上げていました。それぞれの人物の性格や姫山との関係性を分析し、最も効果的に罪悪感を刺激し、互いに疑心暗鬼に陥るように、文面を巧妙に調整していたのです。

では、彼女にとっての「遺書公開」とは何だったのでしょうか。それは、物語の最終盤、クラス全員の前で自らが行った「告白」そのものでした。彼女は、自らが仕掛けた社会実験の全貌、つまり姫山の心理状態の分析、クラスメイトたちの行動予測、そして自らの動機が純粋な好奇心であったことなどを、まるで研究成果を発表するかのように滔々と語ります。

これらのことから、彼女にとっての「遺書」とは、紙に書かれた文章ではなく、この悲劇的な物語の全ての真実を、作者自身の口から語るという究極の暴露行為そのものであったと言えるでしょう。

終わらない悪夢…ラストの新序列は誰が作った?

物語のラストシーン、全てが終わり日常が戻るかと思われた教室で、読者は再び戦慄することになります。黒幕であった廿日市くるみが、何事もなかったかのように、また新たな「序列」リストを作成している場面が描かれて物語は幕を閉じます。

この「新序列」は、もちろん廿日市くるみが作っています。このラストシーンが意味するのは、一連の陰惨な事件を経ても、クラスの誰一人として本質的には何も学んでおらず、変わらなかったという残酷な現実です。そして何より、黒幕である廿日市が罰せられることなく、その歪んだ人間観察という名のゲームを、これからも繰り返していくことを示唆しています。

この結末は、単純な勧善懲悪の物語ではないことを明確に示しています。犯人が捕まって事件が解決するというスッキリした終わり方ではなく、人間の悪意や社会の歪みは、そう簡単には解消されないという、より根源的なテーマを突きつけてくるのです。

以上の点を踏まえると、ラストの新序列は、この物語が閉じたミステリーではなく、人間の悪意が永遠に繰り返される可能性を示唆する、救いのない円環構造の物語であることを象徴していると考えられます。この終わらない悪夢の予感こそが、『遺書、公開。』という作品に忘れがたい読後感を与えているのです。

総括:『遺書、公開。』の完結までのネタバレ

記事のまとめ

  • 物語の発端は「2-D序列」というクラスの格付けメール
  • 序列1位の姫山椿は周囲の重圧に耐えきれず自ら命を絶つ
  • 死んだはずの姫山からクラス全員に個別の遺書が届く
  • 遺書公開ゲームによってクラスメイトたちの本性が暴かれていく
  • 序列メールを改竄し送信した直接の実行犯は三宅雄大
  • しかし、三宅雄大は物語全体の黒幕ではなかった
  • この悲劇の全てを計画した真犯人(黒幕)は廿日市くるみ
  • 廿日市の動機は復讐や怨恨ではなく「人間観察」という好奇心
  • クラスメイトに届いた25通の遺書は全て廿日市が書いた偽物
  • 姫山の親友や恋人を名乗る人物も実際は彼女を憎んでいた
  • 探偵役の池永柊夜は廿日市に最後まで利用されていた
  • 姫山の死はクラス全員の無関心や期待が生んだ「集団的罪悪感」の産物
  • ラストシーンでは廿日市が「新たな序列」を作り、悪夢の継続を暗示
  • 本作の怖さは日常に潜む人間の心理的な闇を描いている点にある
  • この物語は、読者自身の心にも潜むかもしれない悪意を映す鏡のような作品

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