名探偵コナンの長い歴史の中でも、特に異彩を放つエピソードとして知られる風林火山シリーズについて気になっている方も多いのではないでしょうか。2025年の劇場版に向けて予習しておきたい、あるいは単純にトラウマ級と言われる犯人の動機やトリックのネタバレを知りたいという声もよく耳にします。あらすじやアニメで何話にあたるのか、そして長野県警の大和敢助たちが初登場した経緯など、知れば知るほど面白い情報が満載ですよね。
記事のポイント
- 風林火山シリーズのトリックや犯人の動機を完全に理解できる
- アニメの話数や漫画の巻数など基本情報を確認できる
- 長野県警メンバーの関係性や黒の組織とのつながりを整理できる
- 2025年公開予定の劇場版を楽しむための重要伏線を把握できる
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名探偵コナン風林火山シリーズのネタバレ解説
\コナンシリーズを読んでみよう/
まずは、ファンの間でも「名作」との呼び声高い風林火山シリーズの事件そのものについて、詳しく解説していきますね。戦国武将・武田信玄の軍略になぞらえた連続殺人、そしてコナンと平次の推理合戦など、見どころがこれでもかと詰め込まれたエピソードです。
アニメは何話で漫画は何巻なのか
物語の核心に触れる前に、まずはこのエピソードがどこで読めるのか、見られるのかを整理しておきましょう。これから見返す方や、予習のためにチェックしたい方は参考にしてください。
長野県警のメンバーが登場する回はいくつかありますが、この「風林火山」こそが彼らの原点(オリジン)となる物語です。
| メディア | 収録話・巻数 |
| 原作漫画 | 59巻 File.5「百足」 ~ File.10「陰と雷」 |
| テレビアニメ | 第516話「風林火山 迷宮の鎧武者」(1時間スペシャル) 第517話「風林火山 陰と雷光の決着」 |
アニメ版では516話が1時間スペシャルとして放送されたので、ボリューム満点で見応えがあります。原作だと59巻に丸ごと収録されていますね。個人的には、漫画版で作者の青山剛昌先生が描く、おどろおどろしい「ムカデ」の書き込み具合なども味わってほしいところです。
まだ読んでいない方や、手元にない方は、電子書籍ですぐに読めるコミックシーモアなどを利用するのが便利かなと思います。特に2025年の映画公開前には需要が高まって読み返しにくくなるかもしれないので、早めのチェックがおすすめです。
犯人の正体と衝撃的な動機
さて、ここからは事件の真相、つまり完全なネタバレになりますのでご注意ください。
真犯人は被害者の妻・虎田達栄
この一連の「風林火山」に見立てられた連続殺人事件の犯人は、被害者の一人である虎田義郎の妻、虎田達栄(とらだ たつえ)でした。正確には、彼女が主犯で、共犯者を使って犯行を重ねていたのです。
彼女は虎田家の人間でありながら、夫である義郎さえも手にかける冷酷さを持っていました。一見すると名家の奥様然として振る舞っていましたが、その本性は極めて残忍です。
動機は「賭博」の利益という俗物的な理由
彼女の動機は、非常に利己的で世俗的なものでした。名家同士の対立や武田信玄の呪いといった壮大な背景があるように見えましたが、実際は「流鏑馬(やぶさめ)賭博」の利益を守るためだったんです。
今回の連続殺人は、その6年前の事件の真相に気づき始めた義郎たちを口封じするための犯行でした。呪いでもなんでもなく、ただの「金銭欲」による犯行だったというのが、逆に人間の怖さを感じさせますよね。
トラウマになるムカデと遺体
このエピソードを語る上で外せないのが、遺体のそばに必ず置かれていた「死んだムカデ」の存在です。これが当時の読者や視聴者に強烈なインパクト(というかトラウマ)を与えました。
ムカデの意味とレッドヘリング
ムカデは武田信玄の精鋭部隊「百足衆」の象徴であり、「後ろに退かない」勇猛さを表すものですが、作中では不気味な呪いの演出として使われています。
犯人の狙いは、このムカデを置くことで「武田信玄の埋蔵金を狙った者たちが呪いで死んだ」と警察や探偵に思い込ませることでした。いわゆるレッドヘリング(ミスリード)ですね。
実際にはムカデに深い意味はなく、被害者たちが共有していた「後ろめたい過去の連帯感」を皮肉って置かれていた側面もありますが、基本的には捜査を撹乱するための小道具に過ぎませんでした。それにしても、遺体の口の中にムカデを入れるなどの描写は、コナン史上でも屈指の不気味さだったと思います。
風林火山の見立てトリックの謎
犯人は「風林火山」の兵法になぞらえて殺人を実行していきました。それぞれの見立てトリックが非常に巧妙かつ大胆です。
疾きこと「風」の如く
被害者:虎田義郎
竜巻に巻き込まれて重傷を負った夫を、犯人は救助せずに見殺しにしました。自然現象である「風」を利用し、あたかも呪いであるかのように演出したのです。
徐かなること「林」の如く
被害者:龍尾綾華
静寂な森の中で首を吊った状態で発見されました。「林」のような静けさを、死体の静謐さと森というロケーションで表現しています。
侵掠すること「火」の如く
被害者:虎田繁次
ここが一番大胆かつ残酷なトリックです。犯人は被害者を特定の場所に誘導し、釣り竿と糸を使って頭上の電車の架線から電気を直接引き込みました。
これにより、強力な電流で被害者を感電死させ、その熱で遺体を焼くという方法を取りました。カーボン製の釣り竿が電気を通すという誤解を利用したトリックかと思いきや、架線の高電圧を直接利用するという力技には驚かされましたね。
動かざること「山」の如く
被害者:龍尾康司
土の山の中に埋められていたことで「山」を表現。これは時系列的には物語開始前に起きていますが、コナンたちの推理によってパズルのピースとして組み込まれます。
服部平次との推理合戦の結末
このシリーズのもう一つの醍醐味は、コナンと服部平次がそれぞれ別の依頼人(虎田家と龍尾家)について推理合戦を行う点です。
アメの包み紙が繋ぐ真実
最初は互いに情報を隠しながら捜査を進めますが、現場に残された「アメの包み紙」などの手がかりを通じて、徐々に事件の核心に迫っていきます。コナンと平次は別々の視点から捜査を進めつつも、お互いの信頼関係を崩すことなく、最終的には情報を統合します。
陰と雷への到達
彼らが辿り着いたのは、孫子の兵法の続きである「知り難きこと陰の如く」「動くこと雷霆(らいてい)の如く」でした。この「陰と雷」こそが事件解決の鍵であり、犯人を追い詰める最後のピースとなります。
ラストシーンで犯人を追い詰める際の連携プレー、そして後述する上原由衣刑事の覚悟も含めて、ミステリーとしても人間ドラマとしても最高潮の盛り上がりを見せてくれました。
コナン風林火山に見る長野県警と映画の伏線
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さて、ここからは視点を変えて、2025年の劇場版『名探偵コナン』を楽しむために絶対に押さえておきたいポイントを解説します。実は「風林火山」は、来年の映画の原点とも言える超重要エピソードなんです。
大和敢助と上原由衣の初登場
このエピソードで初登場したのが、長野県警の大和敢助(やまと かんすけ)警部と、上原由衣(うえはら ゆい)刑事です。
大和警部は、隻眼(片目)で杖をつき、顔に傷があるという強烈なビジュアルで登場しました。彼は事件の半年前、雪山で雪崩に巻き込まれて行方不明になり、瀕死の重傷を負いながらも生還したという壮絶な過去を持っています。
事件解決後、大和が生きていたことを知り、彼の「いつまで被害者ぶってやがる」という不器用な励ましを受けて警察に復帰します。この「風林火山」での悲恋と再起のドラマがあったからこそ、今の二人の強い絆があるわけですね。
諸伏高明や黒田兵衛との関係

「風林火山」の時点ではまだ登場しませんが、長野県警には他にも重要なキャラクターがいます。
大和警部のライバルである諸伏高明(もろふし たかあき)警部、通称「孔明(コウメイ)」。そして、元長野県警捜査一課長であり、現在は警視庁の管理官である黒田兵衛(くろだ ひょうえ)です。
彼らは全員「長野県警」という繋がりを持っており、非常に優秀な「切れ者」集団として描かれています。特に諸伏高明は、黒の組織に潜入していた公安警察官「スコッチ(諸伏景光)」の実兄であり、物語の核心に深く関わっている人物です。
隻眼のラムと黒の組織の影
なぜ長野県警がここまで注目されるのか。それは、黒の組織のNo.2である「ラム(RUM)」の特徴が「隻眼(片目が義眼)」だからです。
大和敢助の「隻眼」と、黒田兵衛の「隻眼(義眼)」。この二人が登場したことで、「もしかして彼らがラムなのでは?」というミスリードが長らく読者の間で議論されてきました。
つまり、彼らの「片目」は単なるキャラデザではなく、物語の根幹に関わる重要な伏線である可能性が高いのです。
2025年劇場版への重要な繋がり
そしていよいよ、2025年のゴールデンウィーク公開予定の劇場版第28作、仮題『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』では、この長野県警メンバーがメインになることが予想されています。
大和敢助の「左目」の真実
リーク情報やファンの考察によると、映画の冒頭は大和敢助が雪崩に巻き込まれた「半年前の事故」のシーンから始まるのではないかと言われています。つまり、「風林火山」で語られた大和警部の過去が、映画で詳細に描かれる可能性が非常に高いんです。
また、彼が隻眼になった原因が単なる自然災害ではなく、何らかの事件や黒の組織との接触によるものだったとしたら……?そんな想像を掻き立てる展開が待っているかもしれません。
まさに「風林火山」は、2025年の映画に向けた「必修科目」と言えるでしょう。
コナン風林火山の重要ポイントまとめ
最後に、今回の記事のポイントをまとめます。長野県警の初登場回である「風林火山」は、単なる過去の事件ではありません。
これから映画公開に向けて、長野県警への注目度はますます高まっていくはずです。今のうちに原作やアニメを見返して、彼らの熱いドラマを再確認しておくことを強くおすすめします!
※本記事の情報は執筆時点のものです。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。





