「龍が如く」シリーズ、気になっているけれど作品数が多すぎてどこから手をつければいいのか分からない、という方は多いのではないでしょうか。30年以上にわたる壮大な裏社会のドラマは、一度ハマると抜け出せない魅力がありますが、ナンバリングと時系列が入り組んでいるため、入り口で迷ってしまうのも無理はありません。
私自身も最初は「とりあえず1からやればいいの?」と安易に考えていましたが、実はこのシリーズ、発売順と物語の時系列が一致していない部分があり、選び方一つで感動の深さが大きく変わってしまうのです。特に近年発売された作品は過去作の知識があることを前提とした演出も多いため、最適なルートを知っておくことは非常に重要です。
この記事では、長年このシリーズを追いかけてきた私が、物語を120%楽しむための「正解ルート」を徹底解説します。桐生一馬と春日一番、二人の主人公が織りなす熱いドラマを、余すことなく体験するためのガイドとして活用してください。
記事のポイント
- 全作品の物語上の時系列と発売順のズレを完全整理
- 桐生一馬編と春日一番編のつながりと世界観
- 初心者が最も感動できる推奨プレイ順(0スタート推奨の理由)
- 外伝やリメイク作品の正しい楽しみ方と注意点
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龍が如くの時系列と物語の全体像
シリーズを深く楽しむためには、まず全体像を把握することが不可欠です。「龍が如く」の歴史は、大きく分けて伝説の極道「桐生一馬」のサーガと、新主人公「春日一番」の成り上がり物語、そしてそれらを補完する外伝作品群で構成されています。ここでは、複雑になりがちな時系列を整理していきましょう。
龍が如く全シリーズの発売順リスト
物語の順番を理解するには、まず作品が世に出た順番と、作中の年代を照らし合わせることが大切です。特に初心者が混乱しやすいのが、リメイク版である「極」シリーズや、過去を描いた「0」の扱いです。
以下に、主要なナンバリングタイトルと重要な外伝をリスト化しました。現在の現行ハード(PS4/PS5/PC等)で遊べる環境も考慮してまとめています。
| 物語の年代 | 作品名 | 主人公 | 備考・特徴 |
|---|---|---|---|
| 1988年 | 龍が如く0 誓いの場所 | 桐生一馬 真島吾朗 |
バブル期の神室町&蒼天堀が舞台。シリーズ最高傑作との呼び声も高い「始まり」の物語。 |
| 1995~2005年 | 龍が如く 極 | 桐生一馬 | 初代『1』のリメイク。「堂島の龍」伝説の幕開けと、親友・錦山との悲劇。 |
| 2006年 | 龍が如く 極2 | 桐生一馬 | 『2』のリメイク。関西の龍・郷田龍司との死闘。真島吾朗の追加シナリオあり。 |
| 2009年 | 龍が如く3 | 桐生一馬 | 沖縄での養護施設アサガオの生活と、政治的な陰謀が絡む物語。 |
| 2010年 | 龍が如く4 | 桐生・秋山 冴島・谷村 |
初の4人主人公制。それぞれの視点から一つの真実へ迫る群像劇。 |
| 2012年 | 龍が如く5 | 桐生・秋山 冴島・品田・遥 |
全国5大都市を舞台にした最大規模のボリューム。「夢」がテーマ。 |
| 2016年 | 龍が如く6 命の詩。 | 桐生一馬 | 桐生一馬の物語、一応の最終章。広島・尾道が舞台。 |
| 2000~2019年 | 龍が如く7 | 春日一番 | ジャンルがRPGへ変更。新主人公・春日一番の物語が開幕。 |
| 2019年~ | 龍が如く7外伝 | 桐生一馬 | 『6』の後、裏社会で暗躍していた桐生の空白期間を描く。 |
| 2023年~ | 龍が如く8 | 春日一番 桐生一馬 |
二人の龍が交差する、シリーズの集大成。ハワイが初の海外舞台に。 |
こうして表にしてみると、発売順と時系列順が必ずしも一致していないことが分かりますね。特に『0』は2015年に発売された比較的新しい作品ですが、時代設定は最も古い1988年です。この『0』の存在が、プレイ順を考える上で非常に重要な鍵を握っています。
なお、各タイトルの詳細な仕様や最新の製品情報については、公式のポータルサイト等も併せて参照することをおすすめします。
(出典:龍が如くスタジオ.com | セガ公式ポータルサイト)
ジャッジアイズの時系列と位置づけ
木村拓哉さんが主演を務めることで大きな話題になった「ジャッジアイズ(通称:キムタクが如く)」シリーズも、実は龍が如くと同じ世界観を共有しています。これらは単なるゲスト出演ではなく、「正史(カノン)」として扱われており、龍が如く本編で起きた東城会や近江連合の事件が、ジャッジアイズの世界にも色濃く影響を及ぼしています。
時系列は『6』と『7』の間、そして『7』の後
具体的には以下の時系列になります。
- JUDGE EYES:死神の遺言
時系列は2018年。『龍が如く6』(2016年)の後、『龍が如く7』(2019年)の少し前という位置づけです。 - LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶
時系列は2021年。『龍が如く7』で起きた"ある大事件"の後の世界が描かれています。
直接的に桐生や春日がメインストーリーに絡んでくることはありませんが、街の看板やモブキャラクターの会話、あるいは登場する組織の動向から「ああ、今はあの事件の後なんだな」と分かる作りになっています。リーガルサスペンスとしての完成度が非常に高く、本編の合間にプレイするのも非常におすすめです。
桐生一馬の終わりとサーガの行方
長年シリーズを支えてきた「堂島の龍」こと桐生一馬。彼の物語は2016年の『龍が如く6 命の詩。』で一つの区切りを迎え、当時は「最終章」と大々的に銘打たれました。しかし、ファンの間でも話題になった通り、彼の物語はそこで完全には終わりませんでした。
「名を消した男」として生きる空白の期間
『龍が如く7外伝 名を消した男』では、『6』のラストで自らの死を偽装し、エージェント「浄龍」として生きていた空白の期間が描かれます。春日一番が『7』で大暴れしていた裏側で、桐生がいったい何をしていたのか、そのミッシングリンクが繋がる重要な作品です。
そして最新作の『龍が如く8』では、春日一番と共にダブル主人公として登場します。病に侵されながらも、自らの人生の「総決算」に挑む彼の姿は、旧作からのファンにとっては涙なしには見られません。
春日一番編の時系列とあらすじ
一方、2020年の『龍が如く7』からメインのバトンを受け継いだのが、新主人公の春日一番です。彼の物語は、2000年の大晦日に「親っさん」のために殺人の罪を被り、18年もの刑務所暮らしを経て、2019年に出所するところから始まります。
どん底からの成り上がりRPG
浦島太郎状態で現代の神室町に戻った彼を待っていたのは、かつての恩人からの裏切りと銃口でした。舞台を横浜・伊勢佐木異人町に移し、ハローワークで職を探し、ホームレスの仲間たちと共にどん底から這い上がっていくストーリーは、まさに王道のRPG的展開です。
春日一番は「ドラクエが大好き」という設定があり、彼の妄想フィルターを通すことで、喧嘩がコマンドバトルに見えるというシステム設定も秀逸です。彼の持ち前の明るさと熱さは、孤独なヒーローだった桐生一馬とは全く違う魅力があり、新しい「龍」の形を見せてくれています。
維新など外伝作品の時代設定
ナンバリング以外にも「維新!極」や「見参!」といった時代劇スピンオフが存在します。これらは「スターシステム」を採用しており、桐生一馬や真島吾朗といったおなじみのキャラクターが、歴史上の偉人を演じている作品です。
歴史の知識は不要!パラレルワールドとして楽しむ
これらはメインストーリーの時系列とは一切関係のないパラレルワールドです。したがって、どのタイミングで遊んでも本編のネタバレになることはありません。
- 龍が如く 見参!:宮本武蔵(演:桐生一馬)が主人公の江戸時代初期。
- 龍が如く 維新! 極:坂本龍馬(演:桐生一馬)が主人公の幕末。新選組の斎藤一として潜入するストーリー。
龍が如くの時系列を楽しむプレイ順
ここからが本題です。「結局、どれから遊べば一番面白いの?」という疑問にお答えします。結論から言うと、プレイスタイルに合わせて2つのパターンが考えられますが、個人的には「ある一つのルート」を強く推したいです。
初心者は0と1どっちから遊ぶ?
これがシリーズ最大の難問です。物語の時系列で言えば1988年の『0』が先ですが、発売順では『1(極)』の方が先です。
私の結論としては、間違いなく『龍が如く0』から始めるべきだと断言します。
「0」がすべての感情の起点になる
理由はシンプルで、『0』で描かれる桐生一馬と親友・錦山彰の関係性が、その後の『極(1)』の物語の土台になるからです。『0』では、二人がいかに互いを信頼し、命を懸けて助け合っていたかが濃密に描かれます。
この経験を経た上で『極』をプレイすると、冒頭で起きる事件や、その後の錦山の変貌、そしてラスボスの動機や悲哀が、痛いほどプレイヤーに突き刺さります。もし『極』から始めてしまうと、錦山はただの「変わってしまった悪い親友」としてしか見られない可能性がありますが、『0』を知っていると「涙なしでは見られない悲劇」へと昇華されるのです。
龍が如くを7から始めるメリット

もしアクションゲームが苦手で、コマンドバトルRPGの方が好きなら、『龍が如く7』から始めるのも素晴らしい選択です。『7』は主人公が春日一番に交代したことで、過去作の知識がなくても完全に楽しめる「新しい入り口」として設計されています。
新規ユーザーにとっての『7』の魅力
- 過去作の知識不要:春日一番自身の物語として独立しているため、予備知識ゼロでOK。
- システムの一新:難しいアクション操作は不要。RPGなのでじっくり考えて戦えます。
- 最新作への最短ルート:『7』をクリアすれば、すぐに最新作『8』へ進めます。
ただし、デメリットも存在します。『7』の後半や『8』には、桐生一馬をはじめとする過去作のレジェンドたちが登場します。彼らが登場した瞬間の「うおおお!」という圧倒的な興奮やカリスマ性を肌で感じたいなら、やはり過去作を通っておくに越したことはありません。
ストーリー理解を深める推奨ルート
私が考える、最も物語の感動を最大化できる「推奨ルート」は以下の通りです。時間が許すなら、ぜひこの順番でプレイしてみてください。
『0』 → 『極』 → 『極2』 → 『3』~『6』 → 『7』 → 『7外伝』 → 『8』
真島吾朗を理解するためにも「0」は必須
この順番であれば、時系列の矛盾を感じることなく、キャラクターの成長や組織の変遷をリアルタイムで体験しているような没入感が得られます。特に『極2』には『0』のファンに向けた真島吾朗の追加シナリオ(真島サーガ)が収録されています。
『0』で描かれた真島吾朗の切ない恋物語の「その後」が『極2』で描かれるため、この点でも『0』を先にプレイしておくメリットは絶大なのです。
外伝やリメイク作品の扱い方
「クロヒョウ」シリーズや「維新」「見参」などの外伝は、本編の合間に息抜きとしてプレイするのが良いでしょう。無理に全てを網羅しようとすると途中で疲れてしまうかもしれません。
リマスター版を遊ぶ際の注意点
現在、PS4等で遊べる『3』『4』『5』に関しては、「リメイク(作り直し)」ではなく「リマスター(画質向上版)」です。そのため、最新技術で作られた『0』や『極』シリーズの後にプレイすると、グラフィックやシステム面で少し古さや不便さを感じるかもしれません。
しかし、ストーリーの熱さは健在です。特に『5』のボリューム感や、『4』のシナリオ構成は評価が高いので、システムの違いには目をつぶって、ぜひ飛ばさずに物語を追ってほしいと思います。
注意点として、ネット上の動画などで「あらすじ」だけを見て済ませるのはおすすめしません。龍が如くの魅力は、メインストーリーだけでなく、街遊びや豊富なサブストーリーを含めた「体験」にあるからです。
龍が如くの時系列と攻略順まとめ
最後に、今回の内容をまとめます。
龍が如くシリーズは、一人の男の人生を追体験できる稀有なゲーム体験です。もし迷っているなら、まずは『龍が如く0 誓いの場所』を手に取ってみてください。1988年の熱狂的な神室町と、若き日の伝説たちが、あなたを待っています。
また、ゲームをプレイする時間がなかなか取れない、という方は、世界観を共有する映像作品から入るのも一つの手です。実は実写映画化されているので、アマプラで見てみるのもオススメします
あなたの「龍」としての旅が、素晴らしいものになることを願っています!
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新の配信状況や価格については各公式サイトをご確認ください。






