機動戦士Gundam GQuuuuuuX | Prime Video
スタジオカラーの庵野秀明氏が関わり、エヴァを彷彿とさせる作風でも話題の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』。本作のジークアクスに関するあらすじや考察を探している方も多いのではないでしょうか。
改変された宇宙世紀を舞台に、シャアやアムロの死亡に関する運命の分岐、そして物語の鍵を握るララァの存在は、多くのファンに衝撃を与えました。劇場版とも言える映画『Beginning』から始まり、ニュータイプの新たな表現であるキラキラ、個性的な登場人物や声優、魅力的な機体一覧とその詳細、そして発売が待たれるガンプラまで、その評価は賛否両論を巻き起こしています。
この記事では、ネタバレを含みつつ、最終回の結末までを網羅的に解説し、『ジークアクス』という作品の全体像を深く掘り下げていきます。
記事のポイント
- 『ジークアクス』の根幹をなす歴史改変と物語の全貌
- シャアやアムロなど伝説のキャラクターたちが辿る新たな運命
- 庵野秀明監督の影響や作品の評価、そして制作背景
- 登場するモビルスーツの詳細やガンプラなどの商品展開

目次
物語の核心に迫る!ジークアクス あらすじ 考察
- 1.1 改変された宇宙世紀の歴史とは
- 1.2 ネタバレあり!最終回の結末を解説
- 1.3 シャアは死亡した?アムロの存在は?
- 1.4 物語の鍵を握る二人のララァの正体
- 1.5 主要な登場人物と豪華声優陣を紹介
改変された宇宙世紀の歴史とは
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の物語は、私たちが知る宇宙世紀の歴史とは異なる、一つの重大な「もし」から始まります。その根本的な分岐点は、宇宙世紀0079年、サイド7へのザクの襲撃時に、アムロ・レイではなくシャア・アズナブルがRX-78-02 ガンダムを鹵獲したことです。
この歴史改変が全ての引き金となり、ドミノ倒しのように未来を塗り替えていきました。最大の帰結は、一年戦争におけるジオン公国の勝利です。ガンダムという圧倒的な技術的優位性を手にしたジオンは戦局を覆し、地球連邦軍を宇宙から駆逐します。
このため、正史では戦死したはずのキシリア・ザビやニュータイプのシャリア・ブルといった人物が生存し、U.C.0085年にはジオン主導の新たな政治秩序が形成されています。一方で、連邦は弱体化し、ニャアンのような戦争難民が宇宙に溢れる、荒廃と混乱の時代が到来しました。
ただし、この改変された歴史は単純なものではありません。終戦間際、シャアは彼が駆る「赤いガンダム」のサイコミュが暴走した結果発生した謎の超常現象「ゼクノヴァ」と共に行方不明になります。この事件が物語全体の根幹をなす謎となり、本作の複雑な物語を駆動していくことになります。
ネタバレあり!最終回の結末を解説
物語の最終盤、全ての謎が解き明かされ、物語は多元宇宙規模の対決へと発展します。本作の世界そのものが、実は別の宇宙のララァ・スン(通称:薔薇ラァ)が、愛するシャアを死の運命から救いたいという絶望的な願いによって創造したものであることが判明します。
これに対し、主人公の一人であるシュウジ・イトウは、彼女を終わりのない苦しみから解放するため、彼女が創る世界を破壊するという使命を帯びた、元の宇宙からの使者でした。彼の目的は、いわば「慈悲による世界の破壊」だったのです。
クライマックスでは、シュウジが「向こう側」から「本物」のRX-78-2 ガンダム(白い悪魔)を召喚し、マチュが駆るジークアクスと対峙します。しかし、世界の破壊を望まないマチュの必死の説得によってシュウジは攻撃を止め、最終的な選択をララァ本人に委ねます。
その結果、「薔薇ラァ」は安らぎを得て、シュウジと共に元の宇宙へと帰還。創造された『ジークアクス』の世界は救われました。
物語の最後には、シャアがギレン亡き後のジオンの実権を握ったキシリアを討ち果たした後、この世界に存在するもう一人のララァと穏やかに出会います。そして、マチュとニャアンもまた、全てのしがらみから解放され、地球で新たな一歩を踏み出すという、希望に満ちた結末を迎えるのです。
シャアは死亡した?アムロの存在は?

『ジークアクス』の世界では、伝説の二人の運命は大きく書き換えられています。
シャア・アズナブルの新たな軌跡
まず、本作のシャアは死亡しません。ジオンの勝利とザビ家への復讐(キシリアを除く)をほぼ達成した彼は、復讐者ではなく、世界の混乱を防ごうとする守護者のような立場へと変化していきます。物語の終盤、彼はシャリア・ブルに討たれる場面がありますが、これは古い自分との決別を象徴する儀式的なものであり、実際に命を落とすわけではありません。最終的に彼は生き延び、正史では決して得られなかった、ララァとの平和な出会いを果たします。
アムロ・レイの形而上学的な存在
一方、アムロ・レイという人物は、この改変された歴史には物理的に存在しません。シャアがガンダムを奪ったため、彼が英雄として覚醒する物語そのものが始まらなかったからです。
しかし、彼の存在が完全に消えたわけではありません。ジークアクスに搭載された「エンディミオン・ユニット」やハロを通して、主人公のマチュに語りかける謎の声として、その「残響」が物語全体に響き渡ります。この声は、別の宇宙から来たアムロの意識体であると強く示唆されています。
そして、最終話でシュウジが召喚する「白いガンダム」は、まさしく「オリジナル」のガンダムそのものです。そのパイロットが誰であるかは明言されませんが、文脈上、それはこの創られた世界にとっての異物、すなわち「本物のアムロ・レイ」に他なりません。このように、アムロは死んだのではなく、多元宇宙における普遍的な存在として物語に介入したと考えられます。
物語の鍵を握る二人のララァの正体

本作の複雑な物語を理解する上で、二人のララァ・スンの存在が鍵となります。彼女たちの対照的な役割が、物語の対立構造の核心をなしているからです。
一人は、「シャロンの薔薇」と呼ばれる存在です。その正体は、シャアが自分を庇って死んでしまう運命にあった「元の世界」のララァでした。計り知れない絶望と強力なニュータイプ能力が暴走し、愛するシャアが生き残れるIFの世界として、『ジークアクス』の宇宙そのものを創造したのです。彼女はこの物語の創造主であり、その悲しみが世界の存亡を揺るがす、悲劇の神にも等しい存在として描かれます。
もう一人は、『ジークアクス』の世界に元々存在するララァです。彼女は地球のインドで暮らしながら、自分が経験したことのないはずの記憶、つまり「元の世界」の出来事を夢として見て苦しんでいます。彼女の物語は受動的ですが、最終的に全ての戦いを終えたシャアと出会うことで、正史では決して叶わなかった幸福な未来を手に入れるという、救済の役割を担っています。
これらの設定は、本作が単なるIFストーリーではなく、ガンダムフランチャイズに「多元宇宙(マルチバース)」の概念を本格的に導入した作品であることを示しています。
主要な登場人物と豪華声優陣を紹介
『ジークアクス』は、全く新しい世代の若者たちと、異なる運命を辿る伝説のキャラクターたちが織りなす群像劇です。ここでは、物語の中心となる人物と、彼らに命を吹き込んだ声優陣を一覧で紹介します。
特に注目すべきは、新世代の主人公であるアマテ・ユズリハ(マチュ)、ニャアン、そしてシュウジ・イトウの三人です。偽物だと感じる日常からの脱却を求めるマチュ、戦争難民として現実的に生き抜こうとするニャアン、そして多元宇宙からの使者という謎を秘めたシュウジ。彼らの関係性の変化が、物語前半の主軸となります。
また、シャリア・ブルがシャアの腹心として重要な役割を担ったり、キシリア・ザビが生き延びてより大きな脅威として君臨したりと、改変された歴史ならではのキャラクターの活躍も見どころの一つです。
アマテ・ユズリハ (マチュ) | 主人公, ポメラニアンズ | 黒沢ともよ |
ニャアン | 主人公の一人, ポメラニアンズ -> ジオン軍 | 石川由依 |
シュウジ・イトウ | 主人公の一人, 「向こう側」からの使者 | 土屋神葉 |
シャア・アズナブル | ジオン軍 -> 離反 | 新祐樹 / 池田秀一 |
ララァ・スン | 地球 / シャロンの薔薇(向こう側) | 羊宮妃那 / 潘恵子 |
シャリア・ブル | ジオン軍中佐, ソドンクルー | 川田紳司 |
キシリア・ザビ | ジオン公国突撃機動軍司令 | 名塚佳織 |
エグザベ・オリベ | ジオン軍少尉, ソドンクルー | 山下誠一郎 |
ドゥー・ムラサメ | 地球連邦軍少尉, サイバーニュータイプ | 金元寿子 |
ゲーツ・キャパ | 地球連邦軍中尉, サイバーニュータイプ | 村瀬歩 |
深掘り解説!ジークアクスの魅力を徹底考察

- 2.1 監督の庵野秀明氏とエヴァの影響
- 2.2 ニュータイプ描写?キラキラとは何か
- 2.3 劇場先行版の映画とTVシリーズの違い
- 2.4 登場機体一覧とガンプラ発売情報
- 2.5 賛否両論?ジークアクスのリアルな評価
- 2.6 総まとめ:ジークアクス あらすじ 考察の要点
監督の庵野秀明氏とエヴァの影響
『ジークアクス』を語る上で、脚本家としてクレジットされている庵野秀明氏と、彼が率いるスタジオカラーの存在は欠かせません。その創造性は、作品の隅々にまで色濃く反映されています。
特に、庵野氏が脚本を手掛けたとされる物語序盤は、初代『機動戦士ガンダム』への深い知識とリスペクト、そしてそれを大胆に反転させる「遠慮なき」脱構築に満ちています。これは、長年のファンであればあるほど楽しめる、高密度なフィルムメイキングと言えます。
また、多くの視聴者が指摘するように、『新世紀エヴァンゲリオン』との類似点も顕著です。
視覚的・主題的な類似点
ジークアクスの細長い胴体や、暴走時に牙を剥く生物的なデザインは、エヴァ初号機を彷彿とさせます。リミッター解除のシークエンスなども、意図的なオマージュと見て取れるでしょう。
さらに、物語の根幹にある「一人の強力な個人の絶望(ララァ)が、現実を破壊し再創造する」という構図は、『エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』で描かれた「人類補完計画」のテーマと深く共鳴します。主要スタッフに『エヴァ』制作の中核メンバーが名を連ねていることを考えれば、これらの類似性は必然的な帰結なのかもしれません。
ニュータイプ描写?キラキラとは何か

本作は、「キラキラ」という新たな視覚言語を用いて、これまで曖昧に描かれてきたニュータイプの精神感応現象を再定義しようと試みています。従来の作品で描かれた稲妻のような「閃き」の描写に代わり、鮮やかで色彩豊かな精神宇宙のイメージとして表現されているのが特徴です。
これは単なる演出ではなく、体系的なシステムとして機能している可能性があります。ある分析によれば、キラキラの色は光の電磁スペクトルと連動しており、精神的進化の段階を示していると考察されています。
- ニャアン(紫): 「匂い」と表現される、原始的・本能的なサイキック感覚
- マチュ(緑)、シュウジ(黄): 中間的な段階
- シャア(赤): 空間を視覚や聴覚で認識する、より高度な段階
- ララァ(白): 通常の知覚を超越し、現実を創造・破壊しうる超越的な状態
この解釈が正しければ、『ジークアクス』は「ニュータイプとは何か?」という45年来の問いに対し、AUという形で一つの新しいフレームワークを提示したことになります。抽象的な概念を、現代的な感性で「体系化」しようとする野心的な試みと言えるでしょう。
劇場先行版の映画とTVシリーズの違い
『ジークアクス』はTVシリーズの放送に先駆けて、劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』が公開されました。この映画は、TVシリーズの第1話から第3話、そして第8話の一部を再編集したもので、全くの新作というわけではありません。
この公開方法には、戦略的な狙いがあったと考えられます。まず、作品が持つ高密度な情報量と衝撃的な世界観を最初に叩きつけることで、話題性を最大化する効果がありました。特に、庵野秀明氏が手掛けた濃密な序盤を大スクリーンで体験させることは、古参ファンへの強力なアピールになります。
また、TVシリーズ放送前に市場の反応を測り、その後のプロモーション戦略を調整する目的もあったと推測されます。
物語はTVシリーズで一応の決着を見ていますが、アルテイシアが指導者となった新生ジオンの動向や、地球に降りたシャアのその後など、多くの可能性を残して終わります。多元宇宙という設定の導入自体が、将来的に続編や新たな物語が紡がれる余地を残していると言えるでしょう。
登場機体一覧とガンプラ発売情報
ジオン勝利という歴史改変は、モビルスーツ(MS)の開発史にも大きな影響を与え、本作独自のデザインを持つ魅力的な機体群を生み出しました。ここでは主要なMSと、関連商品であるガンプラの展開について紹介します。
物語の中心となるのは、マチュが駆る「ジークアクス」と、シャアやシュウジが駆る「赤いガンダム」です。ジークアクスが『エヴァ』を思わせる生物的で制御不能な「怪物」として描かれるのに対し、赤いガンダムはオリジナルのガンダムを魔改造した、より兵器として完成された存在として対照的に描かれます。
他にも、市民の監視・統制の道具へと転用された「軍警ザク」など、改変された世界の様相を雄弁に物語る機体が多く登場します。
主な登場兵器・艦艇
ユニット名 | 型式番号 | 主なパイロット | 特記事項 |
---|---|---|---|
GQuuuuuuX (ジークアクス) | gMS-Ω | マチュ, ニャアン 他 | ジオン製NT用試作機。オメガ・サイコミュ搭載。暴走時に牙が露出する。 |
赤いガンダム | gMS-α | シャア・アズナブル, シュウジ | RX-78-02鹵獲改修機。アルファ・サイコミュとビットを搭載。 |
GFreD (ジフレド) | gMS-κ | ニャアン | ジークアクスの後継機。イオマグヌッソの制御ユニット機能も持つ。 |
軍警ザク | MS-06SSP | アラガ, ラゴウチ | 治安維持用のザク。パトランプや非殺傷装備が特徴。 |
キケロガ | MAN-03 | シャリア・ブル | シャリア・ブル専用の最新鋭モビルアーマー。 |
サイコ・ガンダム | MRX-010 | ドゥー・ムラサメ | 連邦のテロリストが使用。連邦の闇の兵器開発の存続を示す。 |
ガンダム | RX-78-2 | シュウジ・イトウ 他 | 「向こう側」から召喚された「本物」のガンダム。「白い悪魔」。 |
主なガンプラ・関連商品
本作は商業展開も積極的で、HG(ハイグレード)シリーズを中心に多数のガンプラが発売されています。
商品名 | カテゴリー | メーカー希望小売価格 (税込) |
---|---|---|
HG 1/144 GQuuuuuuX(ジークアクス) | ガンプラ | 2,200円 |
HG 1/144 軍警ザク | ガンプラ | 2,200円 |
HG 1/144 赤いガンダム | ガンプラ | 2,750円 |
Figure-rise Standard アマテ・ユズリハ | プラモデル | 4,180円 |
METAL ROBOT魂 <SIDE MS> GQuuuuuuX | 完成品フィギュア | 22,000円 |
賛否両論?ジークアクスのリアルな評価
『ジークアクス』に対する評価は、熱狂的な賞賛と手厳しい批判が渦巻き、典型的な「賛否両論」の作品となっています。
賞賛される点(メリット)
称賛の声は、主にその圧倒的な映像クオリティと野心的な試みに集中しています。スタジオカラーが手掛ける作画の質は非常に高く、特に庵野秀明氏が担当した序盤のフィルムメイキングは見事なものとして高く評価されています。また、これまでのガンダムの常識を覆す大胆な歴史改変や、エヴァを彷彿とさせる斬新なメカニックデザイン、そして米津玄師や星街すいせいによる主題歌も、作品の魅力を高める要素として広く受け入れられました。
批判される点(デメリット・注意点)
一方で、批判の声はその性急な物語展開に集約されます。12話という短い尺の中に、歴史改変、政治陰謀、多元宇宙の対立、そして新キャラクターたちの心理ドラマといった多くの要素を詰め込んだ結果、物語のペースが速すぎると感じる視聴者が少なくありませんでした。
特に、マチュ、ニャアン、シュウジといった新キャラクターたちの掘り下げが不十分に感じられ、壮大なプロットの駒になってしまっているという意見が根強いです。また、宇宙世紀に関する予備知識がない新規の視聴者にとっては、物語が複雑で理解し難いという指摘もあります。
以上の点を踏まえると、『ジークアクス』は、視聴者が伝統的で丁寧なキャラクター描写を重視するか、それとも革新的なアイデアと視覚的スペクタクルを重視するかによって、その評価が大きく左右される作品であると考えられます。
総まとめ:ジークアクス あらすじ 考察の要点
この記事で解説した『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の重要なポイントを、以下にまとめます。
記事のまとめ
- シャアがガンダムを奪ったIFの歴史が物語の基盤
- 一年戦争はジオンの勝利に終わり宇宙世紀の歴史が改変
- 物語はマチュ、ニャアン、シュウジの三人の主人公を中心に展開
- 序盤は非合法のモビルスーツ決闘「クランバトル」が舞台
- 物語のスケールはコロニー内の事件から多元宇宙規模の対立へ拡大
- シャアは死亡せず、新たな運命を歩む
- アムロは物理的に存在せず「残響」として物語に介入する
- 物語の鍵を握るのは「元の世界のララァ」と「この世界のララァ」
- 本作の世界は「元の世界のララァ」の絶望から創造された
- 最終回では創造された世界は救われ、各キャラが希望ある結末を迎える
- 脚本には庵野秀明氏が参加しエヴァの影響が色濃い
- 「キラキラ」という新たな視覚表現でニュータイプを描写
- 評価は映像美やアイデアを賞賛する声と、性急な展開への批判で二分
- 12話という短い尺に壮大な物語を詰め込んだ点が賛否の要因
- ガンダムに「多元宇宙」の概念を本格導入した画期的な作品