15年間、四季の許可なく開けられなかった扉の向こうから、ウエディングドレスをまとった死体が現れる。
作者の森博嗣が1996年に第1回メフィスト賞を受けたデビュー作、すべてがFになるのネタバレです。死体の正体と犯人、密室トリックの答えを、原作小説の結末に沿って解説します。
記事のポイント
- 密室の鍵は、システム「レッドマジック」が生んだ監視カメラの1分の空白
- タイトルのFは16進数の最大の1桁で、FFFFになると時限プログラムが動く
- ドラマ版(全10話)でこの事件を描くのは第5・6話の2話だけ
- 漫画版は霜月かいり版(講談社)と浅田寅ヲ版(幻冬舎コミックス)の2種類
すべてがFになるのネタバレ|犯人と死体の正体
すべてがFになるは、孤島の研究所で起きた3つの死をめぐる物語です。

ここから先は、すべてがFになるの犯人・死体の正体・結末に触れます。
すべての出発点は、15年間閉ざされていた四季の部屋に、外の誰も知らない「もう一人」がいたことです。
孤島の研究所と15年の密室(あらすじ)
天才工学博士の真賀田四季は、三河湾に浮かぶ妃真加島の私立研究所で、少女時代から外の世界と完全に切り離された生活を送っています。
四季に会いに来た犀川と萌絵
N大学工学部建築学科の1年生・西之園萌絵は、モニター越しに「四季」と話したことがあります。漫画版(浅田寅ヲ)は、画面の向こうの相手に萌絵が名前と年を尋ねられる場面から始まります。
やがて萌絵は、助教授の犀川創平とゼミ合宿で妃真加島を訪れます。二人が研究所を訪ねると、副所長の山根は、四季と連絡が取れなくなっていると告げました。
15年開かなかった扉
山根は四季の安否を確かめるため、15年間、四季の許可なく開けたことのない扉を開けると決めます。
扉の向こうから現れたのは、ウエディングドレスをまとい、両手両足を切断された死体でした。部屋の出入りは監視カメラが記録していました。現場は完全な密室でした。
主な登場人物
- 犀川創平:N大学工学部建築学科の助教授(アニメでは准教授)
- 西之園萌絵:同じ学科の1年生。父は犀川の恩師
- 真賀田四季:天才工学博士。14歳のとき両親を殺した疑いで逮捕され、心神喪失で無罪になった
- 真賀田未来:四季の妹として登場する。アメリカの親戚のもとで暮らしている
- 新藤清二:研究所の所長で、四季の叔父。ヘリコプターの操縦が趣味
- 山根幸宏:研究所の副所長
ウエディングドレスの死体は誰だったのか
死体は四季ではありません。四季が部屋の中でひそかに産み、育ててきた実の娘でした。
閉ざされた部屋で生まれた娘
四季が研究所の部屋に閉じこもったとき、そのおなかにはすでに子どもがいました。娘は部屋の中で生まれ、四季の手で育てられます。
扉の外の人たちは15年間、部屋にいるのは四季ひとりだと信じていました。
娘の父親は叔父の新藤清二
娘の父親は、研究所の所長で四季の叔父にあたる新藤清二です。
犯人は真賀田四季本人
犯人は、死んだと思われていた四季本人です。四季は娘を手にかけ、その死体を自分の身代わりにして部屋を出ました。
娘に託していた計画
四季は娘に、いつか自分を殺すよう教えて育てていました。けれど娘には、それができませんでした。
計画を果たせなかった娘を、四季は自分の手で殺します。四季の部屋から現れたウエディングドレスの死体は、この娘でした。
妹・未来になりすまして島の外へ
四季は、妹の未来になりすまして研究所の人々の前に現れ、のちに島を出ていきました。
新藤所長と山根副所長の死
死んだのは娘だけではありません。所長の新藤清二と副所長の山根幸宏も、四季に殺されます。
ヘリコプターの中の新藤所長
新藤は、妹の未来を連れてヘリコプターで研究所に戻ってきます。そのヘリコプターの中で、新藤は殺されているのが見つかりました。
姿を消した山根副所長
その後、山根も姿が見えなくなり、やがて死体で見つかります。山根の命を奪ったのも四季でした。
密室トリックの鍵は「1分の空白」
密室を破る鍵は、研究所のシステム「レッドマジック」の時計のずれが生んだ、監視カメラの記録のたった1分の空白です。
時計を1分ずらす仕掛け
四季は何年も前から研究所のシステムにプログラムを仕込み、事件の日に時計が1分ずれるようにしていました。
その結果、監視カメラの記録には、映像のない1分間ができました。
部屋にいた「もう一人」
部屋の中にいたのは、四季ひとりではありませんでした。この「もう一人」と1分の空白がそろったとき、密室は密室でなくなります。
犀川は停電の闇の中で糸口をつかみ、部屋が完全な密室だったという前提そのものを崩していきます。
「すべてがFになる」の意味
タイトルのFは、16進数でいちばん大きい1桁の数字のことです。
16進数は0〜9とA〜Fの16文字で数を表し、Fは10進数の15にあたります。
レッドマジックには、カウントが4桁すべてFになると動き出す時限プログラムが仕込まれていました。4桁のFFFFは、10進数で65535です。
「すべてがFになる」という言葉は、四季の部屋を捜索したときにメッセージとして見つかります。同じ部屋には、ミチルというロボットもありました。
結末|犀川の前に現れた四季
ラストは、事件から時が経ったある日、大学の図書館にいた犀川の前に四季が姿を見せる場面です。
島を出た四季は、自分から犀川に会いに来ました。アニメでは、四季と会ったあとの犀川が、煙に巻かれたような感覚になる様子が描かれます。
四季の幼いころから成熟までは、森博嗣の小説『四季』4部作(春・夏・秋・冬)が描いています。
ほかの小説の犯人と結末なら、東野圭吾『麒麟の翼』のネタバレ(犯人と結末)もどうぞ。
原作小説は講談社文庫で読めます。
すべてがFになるのドラマ・アニメと原作の違い
すべてがFになるは、S&Mシリーズの第1作で、2014年にドラマ、2015年にアニメになりました。漫画版も2種類あります。アニメ版は全11話、ドラマ版は2話で孤島の事件を描いています。

アニメ版は孤島の事件を全11話で描く
アニメ版は、孤島の事件を全11話(11章)かけて描いています。題名は『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』です。放送は2015年10月8日から、フジテレビ「ノイタミナ」でした。
アニメの基本データ
- 原作:森博嗣『すべてがFになる』『四季』
- 監督:神戸守
- シリーズ構成:大野敏哉
- キャラクター原案:浅野いにお
- 音楽:川井憲次(2014年のドラマから続投)
- アニメーション制作:A-1 Pictures
- 主題歌 OP:KANA-BOON「talking」
- 主題歌 ED:シナリオアート「ナナヒツジ」
主なキャスト
- 犀川創平:加瀬康之
- 西之園萌絵:種﨑敦美
- 真賀田四季:木戸衣吹
- 真賀田未来:甲斐田裕子
- 新藤清二:咲野俊介
- 新藤裕見子:小林さやか
全11章の流れ
各話は「章」と呼ばれ、それぞれに色の入った副題が付いています。
| 章 | 副題 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 第1章 | 白い面会 | 萌絵が、真賀田研究所へ行ってきたと犀川に話す |
| 第2章 | 蒼色の邂逅 | ゼミ合宿で妃真加島へ。15年開けなかった四季の部屋を開けると決まる |
| 第3章 | 赤い魔法 | 部屋から死体が出る。新藤所長が未来を連れて戻る |
| 第4章 | 虹色の過去 | 新藤所長が殺される。部屋で「すべてがFになる」のメッセージを見つける |
| 第5章 | 銀色の希望 | 15年前の両親の事件の詳しい経緯と、四季の複数の人格を知る |
| 第6章 | 真紅の決意 | 研究所に戻り、四季の部屋で奇妙な符号を見つける |
| 第7章 | 灰色の境界 | 犀川が未来に質問する。萌絵はヴァーチャル装置を体験する |
| 第8章 | 紫色の夜明け | メインシステムをリセット。停電の闇で犀川が糸口をつかむ |
| 第9章 | 黄色の死角 | 完全な密室という前提を覆し、犯人との対面へ |
| 第10章 | 紫苑色の真実 | ヴァーチャル空間で犯人と対面し、真相が明かされる |
| 第11章 | 無色の週末 | 大学の図書館にいた犀川を、四季が訪ねてくる |
アニメと原作の細かな違い
アニメでは、犀川の肩書きが准教授、大学の名前が国立那古野大学になっています。原作では、N大学の助教授です。
ドラマ版はFの話が第5・6話
2014年のドラマ『すべてがFになる』は全10話で、孤島の事件を描いたのは第5話と第6話の2話です。
ドラマの基本データ
- 放送:2014年10月21日〜12月23日(フジテレビ・火曜21時・全10話)
- 西之園萌絵:武井咲
- 犀川創平:綾野剛
- 真賀田四季:早見あかり
- 脚本:黒岩勉・小山正太
- 音楽:川井憲次
第5・6話で描かれる孤島の事件
第5話では、犀川と萌絵たちゼミ生が、ゼミ旅行で真賀田研究所のある島を訪れます。萌絵たちの前で、ロックされていた四季の部屋の扉が勝手に開きます。
第6話では、副所長の山根が、通信ができなくなったOS「デボラ」を別のOSに切り替えると決めます。
ほかの回はシリーズの別の事件
ドラマはS&Mシリーズの初めての映像化で、ほかの回ではシリーズの別の事件を描きます。第1話は、極地環境研究センターでの実験の見学から始まります。
ドラマ最終回の舞台はテーマパークです。IT企業の社長・塙(城田優)が、萌絵を手に入れたい一心で四季と手を組んでいたことが明かされます。
漫画版は霜月かいり版と浅田寅ヲ版
漫画版は、作画の違う2種類があります。講談社の霜月かいり版(全2巻)と、幻冬舎コミックスの浅田寅ヲ版です。
霜月かいり版(講談社・全2巻)
漫画誌『ARIA』で連載され、講談社KCxから全2巻で出ています。1巻は2015年10月7日、2巻<完>は2016年3月7日の発売です。
浅田寅ヲ版(幻冬舎コミックス)
幻冬舎コミックスから出ている、完結した漫画版です。
四季の過去を描く漫画『四季』
猫目トーチカの漫画『四季』は、小説『四季』をもとに真賀田四季の過去を描いています。講談社ITANから、2015年11月6日に全1巻で出ています。
アニメ・ドラマはどこで見られる?
アニメ版の配信は、サブスクのU-NEXTで見放題です(2026年10月時点)。U-NEXTには、31日間の無料トライアルがあります。
アニメのBlu-ray・DVDは「Complete BOX」が2016年2月24日に発売されています。
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すべてがFになるに関するよくある質問(FAQ)
Q1. すべてがFになるの犯人は誰ですか?
A. 犯人は真賀田四季本人です。四季は死んでおらず、娘の死体を身代わりにして部屋を出ていました。所長の新藤と副所長の山根を殺したのも四季です。
Q2. 四季の部屋から出てきた死体は誰ですか?
A. 四季が部屋の中で産んで育てた、実の娘です。父親は四季の叔父で、研究所の所長の新藤清二でした。
Q3. 「すべてがFになる」というタイトルの意味は?
A. Fは16進数でいちばん大きい1桁で、10進数の15にあたります。研究所のシステムには、カウントが4桁すべてF(FFFF=65535)になると動く時限プログラムが仕込まれていました。
Q4. 四季はなぜ娘を殺したのですか?
A. 四季は娘に、いつか自分を殺すよう教えていました。娘がそれを果たせなかったため、四季が娘を殺し、その死体を自分の身代わりにしました。
Q5. 密室トリックはどういう仕組みですか?
A. 四季は研究所のシステムにあらかじめプログラムを仕込み、事件の日に時計を1分ずらしていました。そのため監視カメラの記録に、映像のない1分間ができました。もう一つの鍵は、部屋に四季以外の人間がいたことです。
まとめ|すべてがFになるのネタバレ
すべてがFになるのネタバレの核心は、死んだはずの四季が犯人で、死体は四季の娘だったことです。
- 四季の部屋から現れた死体は、四季の実の娘
- 犯人は四季本人で、妹の未来になりすましてのちに島を出た
- 新藤所長と山根副所長も、四季に殺される
- 密室の鍵は、レッドマジックが生んだ監視カメラの1分の空白
- Fは16進数の最大の1桁で、FFFFになると時限プログラムが動く
- アニメ版は全11話、ドラマ版はこの事件を第5・6話で描く
小説の結末をもう1作たどるなら、東野圭吾『人魚の眠る家』のネタバレもどうぞ。

