2001年から2010年まで月刊少年ガンガンで連載された荒川弘さんの「鋼の錬金術師」は、単行本にして全27巻。9年近い連載のなかで登場した人物は、主役のエルリック兄弟から軍人、ホムンクルス、異国の皇子まで、とにかく幅が広いです。読み返すたびに「この人、こんなに早い段階から出てたっけ」と驚かされるくらい、名前のある人物が物語のどこかで必ず役割を持って動きます。
とはいえ、これから原作を読み始める方にとっては、その人数の多さがちょっとしたハードルになりますよね。誰がどの陣営なのか。そこさえ押さえれば一気に読みやすくなります。この記事では所属ごとに人物を整理しました。鋼の錬金術師のネタバレと結末を追った記事もあわせて読むと、それぞれの人物が終盤どう動くのかまで見えてきます。
- 主要人物を陣営別に整理した早見表つき
- エルリック兄弟・軍部・ホムンクルス・異国勢の4系統で把握
- 七つの大罪を冠したホムンクルスの正体と対応
- 2003年版と2009年版でアニメが別作品である点も解説
主要キャラ早見表
| 名前 | 所属・立場 | 役割 |
|---|---|---|
| エドワード・エルリック | 国家錬金術師 | 主人公。史上最年少で国家錬金術師の称号を得た、通称「鋼の錬金術師」 |
| アルフォンス・エルリック | エドの弟 | 兄とともに旅をする。鎧の身体を持つ |
| ウィンリィ・ロックベル | 義肢装具師 | エルリック兄弟の幼馴染み。機械鎧の整備を担う |
| イズミ・カーティス | 錬金術師 | エドとアルの師匠 |
| ヴァン・ホーエンハイム | 錬金術師 | エドとアルの実父 |
| ロイ・マスタング | 国軍大佐 | 通称「焔の錬金術師」 |
| リザ・ホークアイ | 国軍中尉 | マスタング大佐の側近・副官 |
| マース・ヒューズ | 国軍中佐 | 情報将校として軍部随一の切れ者。マスタングの親友 |
| キング・ブラッドレイ | 大総統 | 軍部最高権力者。正体はホムンクルスの「プライド」 |
| オリヴィエ・ミラ・アームストロング | 国軍少将 | ブリッグズ司令官 |
| お父様 | ホムンクルス | ホムンクルスの創造者。物語終盤の最終敵役 |
| エンヴィー | ホムンクルス | 「嫉妬」を冠する変身能力者 |
| グリード | ホムンクルス | 「強欲」を冠する。終盤リン・ヤオと融合 |
| スカー | イシュヴァール一族 | 国家錬金術師を狙う復讐者。分解の錬金術を使う |
| リン・ヤオ | シン国皇子 | 気を読む能力を持つ |
| メイ・チャン | シン国皇女 | 錬丹術師 |
鋼の錬金術師 キャラクター一覧|主要登場人物まとめ
ここからは陣営ごとに掘り下げていきます。この作品の人物配置は、大きく分けて「エルリック兄弟とその身内」「アメストリス軍部」「ホムンクルス」「イシュヴァールとシン国」の4系統。どの人物がどこに属しているかを掴んでおくと、物語の対立軸が一気に見通しやすくなりますよ。

エルリック兄弟と幼なじみ
物語の中心にいるのは、言うまでもなくエルリック兄弟です。ただ、この兄弟を支える周囲の人物こそが作品の温度を作っている、と私は思っています。
エドワード・エルリック
本作の主人公。史上最年少で国家錬金術師の称号を得た人物で、通称は「鋼の錬金術師」。タイトルそのものを背負っているキャラクターですね。少年でありながら国家という組織の内側に身を置くという立ち位置が、そのまま物語の緊張感になっています。
アルフォンス・エルリック
エドの弟で、兄とともに旅を続けます。鎧の身体を持つという設定が、この作品の出発点そのもの。作中でアルが何を思いながら鎧の中にいるのかは、読み進めるほど重みを増していきます。
ウィンリィ・ロックベル/ピナコ・ロックベル
ウィンリィはエルリック兄弟の幼馴染みで、義肢装具師(機械鎧の整備士)。兄弟の旅を技術面から支える存在です。祖母のピナコも同じく義肢装具師で、ロックベル家は兄弟にとってもう一つの実家のような場所になっています。
イズミ・カーティス/ヴァン・ホーエンハイム
イズミ・カーティスはエドとアルの師匠にあたる錬金術師。二人に錬金術の基礎を叩き込んだ人物です。そしてヴァン・ホーエンハイムは兄弟の実父で、こちらも錬金術師。父という立場でありながら物語の根幹に深く関わってくるため、名前だけは早い段階で覚えておくといいでしょう。
アメストリス軍部(マスタング・ホークアイら)
国家錬金術師という制度がある以上、この物語で軍は避けて通れません。軍人たちは単なる背景ではなく、それぞれが独立した意志を持って動きます。
ロイ・マスタングとその部下たち
ロイ・マスタングは国軍大佐で、通称「焔の錬金術師」。エド以外でもっとも語られることの多い人物かもしれません。副官として常にそばにいるのがリザ・ホークアイ中尉。マスタングの側近として、彼の判断を支え続けます。
部下として動くのは、くわえ煙草がトレードマークのジャン・ハボック少尉、戦略に長けた頭脳派のハイマンス・ブレダ少尉、知性派で冷静なヴァトー・ファルマン准尉、そして無線機器の扱いを得意とするケイン・フュリー曹長。役割がきれいに分かれているぶん、誰がどの場面で必要とされるかが分かりやすい面々です。
大総統キング・ブラッドレイとマース・ヒューズ
キング・ブラッドレイは軍部最高権力者である大総統。ただしその正体はホムンクルスの「プライド」であり、この一点だけで作品の構図がひっくり返ります。もう一人、マース・ヒューズ中佐は情報将校として軍部随一の切れ者と評される人物で、マスタングの親友でもあります。
アームストロング姉弟ほか
アレックス・ルイ・アームストロング少佐は通称「豪腕の錬金術師」。姉のオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将はブリッグズの司令官を務めます。同じ家名でありながら気質がまるで違うところが面白いところ。ほかに「紅蓮の錬金術師」ゾルフ・J・キンブリー中佐、厳格な性格のマリア・ロス少尉も、物語の要所で存在感を放ちます。
ホムンクルスとお父様
本作の敵側を構成するのがホムンクルスです。七つの大罪の名を冠しているため、名前を並べるだけでも整理しやすい集団になっています。
| 名前 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| お父様 | 創造者 | ホムンクルスを生み出した存在。物語終盤の最終敵役 |
| ラスト | 色欲 | 女性の戦闘員 |
| グラトニー | 暴食 | 食べることが本能の巨大な怪物 |
| エンヴィー | 嫉妬 | 変身能力者 |
| グリード | 強欲 | 終盤でリン・ヤオと融合する |
| スロウス | 怠惰 | 怪力の巨漢 |
| プライド | 傲慢 | 正体はキング・ブラッドレイ |
七体それぞれに固有の能力があり、しかも人間側の誰かと因縁で結びついているのがこの作品の設計の巧さです。とくにグリードは終盤でシン国の皇子リン・ヤオと融合するという特殊な立ち位置になり、敵味方の線引きが単純でなくなります。個々の掘り下げは鋼の錬金術師のホムンクルス一覧をまとめた記事で詳しく扱っているので、そちらもどうぞ。
なお、人間でもホムンクルスでもない存在として「真理」も登場します。「真理の扉」の前に現れる概念的な存在で、キャラクターというより作品の世界観そのものを体現しているような役どころ。
イシュヴァールと異国の人々(スカー・シン国組)
アメストリスの外側にも、物語を動かす人々がいます。ここを押さえると作品の視野が一段広がりますよ。
スカーとイシュヴァール関係者
通称「傷の男」ことスカーは、イシュヴァール一族の生き残り。国家錬金術師を狙う復讐者として登場し、分解の錬金術を使います。敵として現れながら、その背景を知るほど単純な悪役では済まなくなる人物。詳しくはスカーの正体と目的を追った記事で掘り下げています。
関連する人物としては、元国家錬金術師で医師のティム・マルコー、元炭鉱主から浮浪者となったヨキがいます。
シン国の一行
東方の大国シン国からやってくるのが、皇子のリン・ヤオ。気を読む能力を持ち、その護衛として体術の使い手ランファンと、卓越した体術を持つ老練のフーが付き従います。もう一人、シン国皇女のメイ・チャンは錬丹術師で、パンダのシャオメイを連れているのが目印。
アメストリスの「錬金術」とシン国の「錬丹術」は別系統の技術として描かれます。この違いが物語中盤以降の展開に効いてくるので、メイ・チャンの登場は思っている以上に大きな意味を持ちます。
鋼の錬金術師 キャラの考察|人気と魅力
人物を並べ終えたところで、なぜこの作品のキャラクターがこれほど長く語られ続けるのかを考えてみます。アニメ版のキャストについても、押さえておくべき注意点があるんです。

人気キャラの魅力を考察
この作品の人物造形で私が一番うまいと思うのは、立場と信念が食い違う人がやたら多いところです。エドは国家錬金術師という肩書きを持ちながら、国の意向で動いているわけではありません。マスタングは軍という組織の階段を上りつつ、その組織の在り方に疑問を抱えています。ブラッドレイに至っては国のトップでありながら、人間ですらない。
ホークアイのように誰かの背中を守ることに徹する人物も、ヒューズのように情報を武器に戦う人物も、それぞれ違う形で役割を選んでいます。敵側も同じ設計です。ホムンクルスは七つの大罪という記号を背負わされているのに、行動を追っていくと単なる記号では割り切れない部分が出てくる。スカーのように、憎しみの理由がはっきり描かれる敵役もいます。誰か一人を「主役」として消費しない群像の作り方が、この作品の強さだと思います。
声優・アニメ版のキャスト
ここは注意が必要なところです。「鋼の錬金術師」にはテレビアニメが2つあり、両者はキャストも展開も別物だからです。
2003年版:2003年10月から2004年10月にかけて放送された全51話。原作が連載中だったため、終盤はアニメオリジナルの展開になっています。
2009年版(FULLMETAL ALCHEMIST):2009年4月から2010年7月にかけて放送された全64話。こちらは原作に準拠した内容です。
つまり「鋼の錬金術師の声優は誰?」と調べたとき、検索結果に出てくる名前が版によって入れ替わることがあります。公式サイトを見るときも同じで、hagaren.jp のCHARACTERページは2003年版アニメの公式サイトです。2009年版の情報を探しているなら、アニプレックスの作品ページなど、そちらの版を扱っているページで確認してください。公式X(旧Twitter)は@hagaren_animeが公式サイトから辿れるアカウントです。
キャストの正確な表記は、放送年ごとの公式CASTページか声優の所属事務所の公式ページで確認するのが確実です。
読者の感想・評価
本作は2001年8月号から2010年7月号まで月刊少年ガンガンで連載され、単行本は通常版が全27巻、完全版が全18巻で完結しています。9年近い連載を最後まで走り切って、しかもテレビアニメが2度作られたという事実そのものが、支持の厚さを物語っていますよね。
作品情報は、版元であるスクウェア・エニックスの月刊少年ガンガン公式の作品紹介ページで確認できます。単行本1巻の書誌情報も公式の書誌ページに掲載されています。
誰がどの立場でどんな選択をしたのか。この作品の面白さは、結局そこを最後まで見届けたときに一番よく分かります。全27巻はコミックシーモアでも配信されているので、まとめて追いかけたい方は覗いてみてください。新規の無料会員登録で70%OFFクーポンがもらえる案内もあります(2026年7月時点・上限や有効期限などの条件は公式でご確認ください)。
気になるキャラが見つかった方のために、紙の全巻セットも置いておきます。
鋼の錬金術師のキャラに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 鋼の錬金術師の主人公は誰ですか?
A. エドワード・エルリックです。史上最年少で国家錬金術師の称号を得た人物で、通称は「鋼の錬金術師」。弟のアルフォンス・エルリックとともに旅をします。
Q2. ホムンクルスは何人いますか?
A. ラスト(色欲)、グラトニー(暴食)、エンヴィー(嫉妬)、グリード(強欲)、スロウス(怠惰)、プライド(傲慢)の6体に加え、彼らの創造者である「お父様」が登場します。プライドの正体は大総統キング・ブラッドレイです。
Q3. アニメの2003年版と2009年版は何が違いますか?
A. 2003年版は全51話で、原作連載中の制作だったため終盤はアニメオリジナルの展開になっています。2009年版(FULLMETAL ALCHEMIST)は全64話で、原作に準拠した内容です。キャストも別ですので、調べるときは版を混同しないようご注意ください。
Q4. 鋼の錬金術師は全何巻で完結していますか?
A. 通常版が全27巻、完全版が全18巻でいずれも完結済みです。連載は月刊少年ガンガンで2001年8月号から2010年7月号まで続きました。
Q5. スカーはどんな人物ですか?
A. 「傷の男」と呼ばれる、イシュヴァール一族の生き残りです。国家錬金術師を狙う復讐者として登場し、分解の錬金術を使います。
-
-
鋼の錬金術師ネタバレ|最終回の結末とアニメの違い
鋼の錬金術師 1巻(ガンガンコミックス) 2001年8月号の月刊少年ガンガンで始まり、2010年7月号で完結するまで約9年。『鋼の錬金術師』は、母を蘇らせようとした兄弟の過ちから始まって、国そのものを …
続きを見る
まとめ|鋼の錬金術師 キャラの魅力
『鋼の錬金術師』の考察記事は鋼の錬金術師 考察まとめに集約しています。
エルリック兄弟とロックベル家、マスタングを中心とした軍部、七つの大罪を冠したホムンクルスとお父様、そしてスカーやシン国の一行。この4つの系統さえ頭に入れておけば、鋼の錬金術師のキャラは驚くほどすっきり整理できます。
そして陣営の線は、物語が進むにつれてどんどん曖昧になっていきます。大総統がホムンクルスであり、皇子がホムンクルスと融合し、復讐者だったはずの男の立ち位置も変わっていく。名前と所属を覚えることは、その揺らぎを味わうための下準備みたいなものかもしれません。
なお、アニメの放送情報やキャスト、電子書籍の配信状況・キャンペーン内容は時期によって変わることがあります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。