「日残りて昏るるに未だ遠し」。家督をゆずって隠居した三屋清左衛門の日々を、北大路欣也さん主演で描く時代劇の2作目が『三屋清左衛門残日録 完結篇』です。
完結篇では藩のお家騒動が決着し、小料理屋「涌井」の女将みさが城下を去ります。題は「完結篇」でも2017年の第2作で、シリーズはそのあとも第9作まで作られています。
記事のポイント
- 完結篇は2017年にBSフジで初めて放送されたシリーズ第2作
- 旧友の大塚平八・金井奥之助、女将みさ、藩の騒動の話が重なる
- お家騒動は完結篇で決着し、みさは城下を去る
- 原作の文春文庫は全十五編で、最終話は「早春の光」
三屋清左衛門残日録 完結篇のネタバレ
ここから先は、ドラマ『三屋清左衛門残日録 完結篇』と原作小説の結末に触れます。
完結篇では、藩のお家騒動が決着し、涌井の女将みさが城下を去ります。原作の最終話「早春の光」は、旧友の大塚平八が歩く訓練をする姿で終わります。

完結篇は2017年のシリーズ第2作
完結篇は、北大路欣也さん主演・藤沢周平原作の『三屋清左衛門残日録』シリーズの第2作です。2017年2月11日に、BSフジで初めて放送されました。
前作は、2016年2月6日にBSフジが開局15周年記念特番として放送した作品です。その放送後に続篇を望む声が多く寄せられ、完結篇が作られました。
2018年1月27日〜2月2日には、丸の内TOEIで1週間だけ劇場でも上映されました。本編は98分です。
主なキャスト
主な役とキャストは次の11人です。
| 役名 | キャスト |
|---|---|
| 三屋清左衛門 | 北大路欣也 |
| 里江 | 優香 |
| 平松与五郎 | 渡辺大 |
| 船越喜四郎 | 鶴見辰吾 |
| 朝田弓之助 | 金田明夫 |
| 黒田欣之助 | 岡田浩暉 |
| おなみ | 小林綾子 |
| 金井奥之助 | 寺田農 |
| 大塚平八 | 笹野高史 |
| みさ | 麻生祐未 |
| 佐伯熊太 | 伊東四朗 |
スタッフと制作
完結篇は、時代劇専門チャンネル・BSフジ・東映の3社が制作しました。スタッフは次のとおりです。
- 原作:藤沢周平『三屋清左衛門残日録』(文春文庫)
- 監督:山下智彦
- 脚本:いずみ玲
- 音楽:栗山和樹
作品の紹介は、時代劇専門チャンネルの完結篇のページとBSフジの完結篇のページで見られます。
完結篇のあらすじ|旧友の頼みと藩の騒動
完結篇は、隠居暮らしに慣れた清左衛門のもとに、旧友の頼みや藩の騒動が次々に舞い込む話です。軸になるのは、次の4つの出来事です。
大塚平八の一世一代の大勝負
幼いころからの友・大塚平八が、大汗をかきながら清左衛門を訪ねてきます。頼みは、家老への仲介でした。
清左衛門は快く引き受けます。ただ、そこには平八の一世一代の大勝負がかかっていました。
零落した旧友・金井奥之助
清左衛門は、今は零落した旧友の金井奥之助と偶然に再会します。奥之助は、自分の不遇を嘆くばかりでした。
その奥之助に磯釣りへ誘われ、清左衛門は出掛けていきます。そこで、予期せぬ出来事が起こります。
涌井の女将みさとかつての情夫
小料理屋「涌井」の女将みさは、女手一つで店を切り盛りしています。そこへ、かつての情夫が金をせびりに現れました。
窮地を救った清左衛門に、みさはこれまでの人生を問わず語りに話します。ふたりの心の距離は、少しずつ縮まっていきます。
石見守の急死と藩の騒動
江戸から、現藩主の弟・石見守が急死したという知らせが届きます。清左衛門は、そこにきな臭さを感じ取りました。
程なく、用人の船越喜四郎が清左衛門を訪ねてきます。頼まれたのは、藩政を糾弾する手助けでした。
お家騒動の決着とみさとの別れ
藩のお家騒動は、この完結篇の中で決着します。もう一つの区切りが、涌井の女将みさとの別れです。
筆頭家老・朝田弓之助との対峙
船越に藩政の糾弾を頼まれた清左衛門は、船越とともに筆頭家老の朝田弓之助と対峙します。隠居の身でありながら、藩の騒動の真ん中に立つことになりました。
藩の派閥争いは、この完結篇で一件落着します。
涌井の女将みさが城下を去る
心の距離が縮まっていた涌井の女将みさは、城下を去ります。清左衛門とみさは、ここで別れることになります。
それでも、清左衛門の日常は続いていきます。「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ」の言葉どおり、隠居の日々はまだ終わりではありません。
原作は全十五編の連作短編
原作は、藤沢周平の『三屋清左衛門残日録』(文春文庫)です。『別册文藝春秋』の一七二号から一八六号にかけて連載された、全十五編の連作の時代小説です。
舞台は東北のある小藩で、隠居した前藩主用人の三屋清左衛門が、さまざまな事件に立ち向かいます。
全十五編の目次
目次は次の15編で、最後の1編が「早春の光」です。
- 醜女
- 高札場
- 零落
- 白い顔
- 梅雨ぐもり
- 川の音
- 平八の汗
- 梅咲くころ
- ならず者
- 草いきれ
- 霧の夜
- 夢
- 立会い人
- 闇の談合
- 早春の光
第一話「醜女」の始まり
第一話「醜女」は、嫡男・又四郎の家督相続が認められ、清左衛門が隠居するところから始まります。先代藩主が亡くなり、清左衛門は新しい藩主のもとで隠居を願い出たのでした。
清左衛門は、家禄百二十石の御小納戸から出発し、累進して最後は用人を勤めた人物です。隠居後は、屋敷の離れの隠居部屋で暮らします。妻の喜和は、三年前に病死していました。
隠居は世の中から一歩しりぞくだけ、と軽く考えていた清左衛門。ところが実際には、世間から隔絶されたような寂しさをおぼえます。
そんな清左衛門が自らに課したのが、日録を記すことでした。
文春文庫版の書誌
原作の文春文庫版は、1992年に発売されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 三屋清左衛門残日録 |
| 著者 | 藤沢周平 |
| レーベル | 文春文庫(文藝春秋) |
| 発売日 | 1992年9月10日 |
| ページ数 | 448ページ |
| ISBN | 978-4-16-719227-3 |
| 定価 | 891円(税込・2026年10月時点) |
| 文庫解説 | 丸元淑生 |
| 単行本 | 文藝春秋・1989年9月15日発売 |
書誌は文藝春秋の『三屋清左衛門残日録』のページで見られます。
原作の最終話「早春の光」の結末
原作の最終話「早春の光」は、清左衛門が旧友の大塚平八の姿を目にする場面で終わります。中風で倒れた平八は、歩く訓練をしていました。
その姿を見た清左衛門は、「人間はあたえられた命をいとおしみ、力を尽くして生き抜かねばならぬ」と思います。
隠居の日々をつづってきた物語は、不自由な体で歩こうとする平八の姿で幕を閉じます。
原作の全十五編は文春文庫の1冊で読めます。
三屋清左衛門残日録のシリーズの順番
北大路欣也さん主演の『三屋清左衛門残日録』は、2016年の第1作から2025年の第9作まで、全9作が作られています。完結篇は、その2作目です。

ドラマは北大路欣也主演の全9作
シリーズの順番は、テレビで初めて放送された順に次のとおりです。第1作は『三屋清左衛門残日録』で、「登場篇」とも呼ばれます。
| 順番 | 題 | テレビ初放送 |
|---|---|---|
| 第1作 | 三屋清左衛門残日録 | 2016年2月6日(BSフジ) |
| 第2作 | 完結篇 | 2017年2月11日(BSフジ) |
| 第3作 | 三十年ぶりの再会 | 2018年2月3日(時代劇専門チャンネル) |
| 第4作 | 新たなしあわせ | 2020年3月14日(時代劇専門チャンネル) |
| 第5作 | 陽のあたる道 | 2021年9月20日 |
| 第6作 | あの日の声 | 2022年9月19日 |
| 第7作 | ふたたび咲く花 | 2023年12月10日(日本映画+時代劇 4K) |
| 第8作 | 春を待つこころ | 2024年12月8日(日本映画+時代劇 4K) |
| 第9作 | 永遠(とわ)の絆 | 2025年12月7日(日本映画+時代劇 4K) |
下の動画は、完結篇ではなくシリーズ第9作『永遠(とわ)の絆』の60秒予告です。時代劇専門チャンネルのYouTubeチャンネルが公開しています。
「完結篇」の後も続編が作られた
「完結篇」のあとも、第3作から第9作まで7作が作られています。完結篇自体、前作への反響から生まれた続篇でした。
- 2016年:第1作は「藤沢周平 新ドラマシリーズ」の最終作として発表された
- 2017年:第1作の放送後、続篇を望む声が多く寄せられ、完結篇が作られた
- 2018年:第3作は、藤沢周平生誕90年と時代劇専門チャンネル開局20周年の記念作
- 2020年:第4作の発表で、それまでの3作品は「いずれも好評を博してきた」と紹介された
作る体制も変わってきました。第1作から第3作まではBSフジと組み、第4作は時代劇パートナーズとともに作られています。第5作から第8作までは、J:COMと組んで作られました。
第4作からは、原作に藤沢周平のほかの作品が加わります。たとえば第9作『永遠(とわ)の絆』には、「切腹」と「木綿触れ」が加わりました。
時代劇専門チャンネルは、第9作『永遠(とわ)の絆』のページで第10作の制作準備も告知しています。
完結篇はどこで見られる?
完結篇は、BSフジと時代劇専門チャンネルでシリーズとして放送されてきました。配信はJ:COM STREAMが扱った実績があり、DVDも出ています。
BSフジと時代劇専門チャンネルの放送
BSフジでは2026年も、4月に第3作『三十年ぶりの再会』、10月に第1作が放送されています。時代劇専門チャンネルでも2026年に過去8作の一挙放送があり、完結篇は2月7日と3月18日に放送されました。
放送の予定は編成で変わります。BSフジの三屋清左衛門残日録のページと時代劇専門チャンネルの完結篇のページで確かめられます。
J:COM STREAMの配信
J:COMは2023年11月1日に、J:COM STREAMでの独占配信を発表しました。対象は、シリーズ第1作から当時の最新第7作までの全7作品です。配信は2023年11月20日から順次で、完結篇も対象です。
2023年11月の案内では、次のどちらかに入っていれば追加料金なしで見られました。
- J:COM STREAMの対象のプラン
- 時代劇専門チャンネルを見られるJ:COM TVの対象コース
案内はJ:COMの発表にあります。
完結篇のDVD
DVD『三屋清左衛門残日録 完結篇』は、日本映画放送から2018年2月21日に発売されています。
三屋清左衛門残日録に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 三屋清左衛門残日録の完結篇は、シリーズの最終作ですか?
A. 最終作ではありません。完結篇は2017年に放送された第2作で、そのあとも2025年の第9作まで作られています。時代劇専門チャンネルは、第10作の制作準備も告知しています。
Q2. 完結篇の結末はどうなりますか?
A. 藩のお家騒動が完結篇で決着し、小料理屋「涌井」の女将みさは城下を去ります。物語は、清左衛門の日常が続いていく形で結ばれます。
Q3. 完結篇の原作は何ですか?
A. 原作者は藤沢周平で、作品は『三屋清左衛門残日録』(文春文庫)です。全十五編の連作の時代小説です。
Q4. 完結篇の主なキャストは誰ですか?
A. 三屋清左衛門を北大路欣也さん、里江を優香さんが演じています。みさは麻生祐未さん、大塚平八は笹野高史さん、佐伯熊太は伊東四朗さんです。
Q5. 完結篇は映画ですか?
A. テレビの時代劇で、2017年2月11日にBSフジで初めて放送されました。2018年1月27日〜2月2日には、丸の内TOEIで1週間だけ劇場上映もされました。本編は98分です。
まとめ|三屋清左衛門残日録の完結篇
三屋清左衛門残日録の完結篇は、シリーズの終わりではなく2017年の第2作です。
- 平八の頼み、奥之助との再会、みさとの縁、石見守の急死が重なる
- 清左衛門は船越とともに筆頭家老・朝田弓之助と対峙する
- お家騒動は完結篇で決着し、涌井の女将みさは城下を去る
- 原作は藤沢周平の文春文庫で、全十五編の連作
- 原作の最終話「早春の光」は、歩く訓練をする平八の姿で終わる
- シリーズは2025年の第9作『永遠(とわ)の絆』まで続いている

