予選会で敗れた大学の選手を集めた「関東学生連合」は、箱根駅伝を走っても正式な記録が残りません。池井戸潤さんの『俺たちの箱根駅伝』は、そんなチームと、レースを中継するテレビ局の物語です。
2026年10月10日には、日本テレビ系の土曜ドラマとして放送が始まりました。
記事のポイント
- 物語は、古豪・明誠学院大学が箱根駅伝の予選会で敗れるところから始まる
- 主将の青葉隼斗は関東学生連合に選ばれ、新監督・甲斐真人のもとで本選へ
- 原作の下巻は、本選の1区から10区までを走る選手一人ひとりの物語
- 日本テレビ系の土曜ドラマは2026年10月10日に放送開始
俺たちの箱根駅伝のネタバレとあらすじ
ここから先は、原作小説『俺たちの箱根駅伝』の上巻・下巻の結末まで触れます。
原作は、予選会で敗れた青葉隼斗が関東学生連合の一員として本選を走る物語です。並行して、中継を担う大日テレビの舞台裏が描かれます。

明誠学院大学と関東学生連合の主な登場人物
中心にいるのは、明誠学院大学の主将・青葉隼斗と、新監督の甲斐真人です。もう一方の主役は、大日テレビのチーフ・プロデューサーの徳重亮です。
明誠学院大学の人たち
- 青葉隼斗:明誠学院大学の4年生で、主将。予選会は、箱根駅伝に出るラストチャンス
- 甲斐真人:明誠学院大学の新監督。伝説のOBで、“規格外”の目標を掲げる
- 諸矢久繁:明誠学院大学の名物監督。かつては厳しい指導で知られた
- 前島友介:チームで唯一、箱根駅伝を走った経験がある
大日テレビの人たち
- 徳重亮:チーフ・プロデューサー。社内のさまざまな圧力にもがく
- 黒石武:編成局長。徳重に難題を持ち込む
- 辛島文三:本選の中継でセンターアナを務めるアナウンサー
物語の始まりは予選会での青葉隼斗の失速
物語の幕開けは、10月の箱根駅伝予選会です。本選出場を2年連続で逃した明誠学院大学と、主将の青葉隼斗にとって、これがラストチャンスでした。
46校が争う予選会と明誠学院大学
予選会に出るのは46校、ランナーは500人を超えます。各チーム12人までが走り、上位10人の合計タイムで競う仕組みです。
10位までに入ったチームだけが、1月2日と3日の本選に進めます。
明誠学院大学は、かつて箱根駅伝を連覇したこともある強豪でした。ところが隼斗が1年生のときに出た本選は、17位に終わっています。チームで箱根を走ったことがあるのは、前島友介ひとりです。
脇腹の痛みで崩れた隼斗の走り
故障を乗り越えた隼斗は、日本人トップランナーが集まる第二集団の中央付近につけます。異変は10キロを過ぎてから。痛み出した脇腹は、最初は大したことはないと思われました。
やがて隼斗は第二集団の最後尾まで落ち、ほとんど一人で走る形になってしまいます。
「ご苦労さん。これもレースだ」と予選敗退
結果発表を待つあいだ、名物監督の諸矢は隼斗を叱りませんでした。かけた言葉は「ご苦労さん。これもレースだ」のひと言です。
そして明誠学院大学は、予選会で敗退します。自分の不調のせいだという重い自責の念を、隼斗は背負うことになりました。
寄せ集めの関東学生連合と新監督・甲斐真人
隼斗は監督の推薦で、関東学生連合の一員になります。その連合を率いるのが、明誠学院大学の新監督に就いた甲斐真人です。
順位がつかない関東学生連合
関東学生連合は、箱根駅伝に出る21番目のチームです。予選会で本選を逃した大学から選ばれた、上位16人で組まれます。
出場はオープン参加で、正式な記録や順位は残りません。たすきの刺繍も母校の名前ではなく「関東学生連合」です。
記録が残らない競技に何の意味があるのか、と口にするメンバーもいます。「敗者の寄せ集め」と侮る声は多く、メディアまで敵に回りました。
母校の仲間とのあいだにも、亀裂が残ったまま。逆境のなかで本選に臨めるチームをどうつくるかが、上巻の山場です。
新監督・甲斐真人の“規格外”の目標
甲斐は、明誠学院大学の新監督に就いた伝説のOBです。
その甲斐が掲げたのが、“規格外”の目標でした。周囲がどよめく目標に、寄せ集めのチームがどう向き合うのかが見どころです。
中継局・大日テレビの徳重亮
もう一つの舞台が、箱根駅伝を中継する大日テレビです。プロデューサーの徳重亮は、社内のさまざまな圧力にもがいていました。
レースを走る学生と、それを伝えるテレビマン。この二つの物語が、並行して進んでいきます。
箱根駅伝本選の各区間で起きたこと
下巻では、1区から10区まで学生連合の選手が順に走り、区間ごとにその選手の物語が語られます。どこで育ち、なぜ箱根を目指したのか。箱根のあとも競技を続けるのか。
| 区間 | 走者 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 1区 | 諫山天馬 | 16位でたすきをつなぐ |
| 2区 | 村井大地 | 区間3位に相当するタイムで走る |
| 5区 | 倉科弾 | 往路の最後を走る |
| 6区 | 猪又丈 | 転倒しながらも、痛みをこらえてたすきをつなぐ |
| 7区 | 佐和田晴 | 悪天候に強く、当日の選手変更で起用される |
| 8区 | 乃木圭介 | 区間賞に相当する走りで、学生連合を2位に押し上げる |
| 9区 | 松木浩太 | 大舞台の重圧に苦しみながらも走り切る |
| 10区 | 青葉隼斗 | アンカーとして大手町を目指す |
往路:1区〜5区
1区を走るのは、諫山天馬です。学生連合は16位で2区へたすきをつなぎました。
2区の村井大地は、区間3位に相当するタイムで快走します。往路の最後、芦ノ湖へ向かう5区は、倉科弾が走りました。
復路:6区〜10区
復路の最初、6区の猪又丈は途中で転倒してしまいます。それでも痛みをこらえ、たすきを7区へ。
7区は、悪天候に強い佐和田晴。当日の選手変更で起用されます。
流れを大きく変えたのは、8区を走る乃木圭介。区間賞に相当する走りで、学生連合を2位に押し上げます。
9区の松木浩太は、大舞台の重圧に苦しみます。それでも最後まで走り切り、アンカーの隼斗へたすきを渡しました。
原作小説の結末と関東学生連合の順位
最終10区を走った青葉隼斗は、参考順位の2位で大手町にフィニッシュします。オープン参加のため、この2位は公式の順位にも記録にも残りません。
記録に残らない2位でのフィニッシュ
8区で2位に上がった学生連合のたすきは、9区の松木を経てアンカーの隼斗へ。隼斗が大手町に帰ってきます。
予選会で失速し、母校を本選に導けなかった隼斗。その隼斗が、最後のたすきを受けて走り切る結末です。
ただし学生連合はオープン参加なので、どれほど好走しても順位は「参考順位」。記録には残らない2位です。
甲斐監督と前監督・諸矢のその後
本選のあとも、甲斐は明誠学院大学の監督を続けます。学生連合を率いた実績が認められた形です。
前監督の諸矢は病床にあり、学生連合の戦いを見届けます。新監督の甲斐については、その正体がなぜ明かされないままなのかという余白も残されています。
中継を支えた辛島の実況
本選の中継では、センターアナの辛島文三が実況を担います。
ラスト二行で引き継がれる「夢」
大手町のフィニッシュは、長い道のりの果てにある万感のフィニッシュです。それでも、すべてが終わる「結末」ではありません。
ラスト二行で、「夢」は未来へ引き継がれます。
俺たちの箱根駅伝のドラマ版と原作小説
ドラマは日本テレビ系の土曜ドラマとして、2026年10月10日に始まりました。放送は毎週土曜よる9時です。原作は池井戸潤さんの小説で、単行本・文春文庫とも上下巻です。

日本テレビの土曜ドラマのキャストと放送
主演は大泉洋さんで、中継局のチーフプロデューサー・徳重亮を演じます。第1話は2026年10月10日に、40分拡大で放送されました。
主なキャスト
- 大泉洋:徳重亮(大日テレビ チーフプロデューサー)
- 伊藤沙莉:宮本菜月(センターディレクター)
- 山下智久:甲斐真人(明誠学院大学 新監督)
- 寺尾聰:諸矢久繁(明誠学院大学 監督)
- 小林虎之介:青葉隼斗(明誠学院大学 4年・キャプテン)
- 高橋克典:黒石武(大日テレビ 編成局長)
- 竹中直人:辛島文三(アナウンサー)
- 山本耕史:平川庄介(東西大学 監督)
ドラマの明誠学院大学の人物像
ドラマ版の人物像は次のとおりです。かっこ内は演じるキャストです。
- 青葉隼斗(小林虎之介):最後の箱根駅伝にかける4年生キャプテン。自分のことは二の次で、チームのことばかり考えすぎる優しい性格
- 甲斐真人(山下智久):明誠学院大のOBで、新監督。1年生から4年生まで毎年箱根を走った伝説のランナーだが、陸上を離れて商社で働いていた
- 諸矢久繁(寺尾聰):陸上競技部を38年間率いてきた名物監督
- 前島友介(杢代和人):隼斗を支えて、共に箱根を目指す4年生
- 矢野計図(奥智哉):冷静沈着な3年生のマネージャー
ドラマの関東学生連合の人物像
学生連合の学生役は、予選会で本選出場を逃した大学の選手たちです。主な顔ぶれは次のとおりです。
- 諫山天馬(菅生新樹):テレビに映りやすい1区を走りたい、ムードメーカーの4年生
- 村井大地(樋之津琳太郎):知的で冷静な3年生
- 富岡周人(荒木飛羽):父への負い目もあり、練習に身が入らない4年生
- 内藤星也(浅野竣哉):箱根に懸けるチームメートを冷ややかに見ている2年生
- 倉科弾(林裕太):陽気で熱血漢な、関西出身の2年生
- 猪又丈(庄司浩平):大食いで大柄な2年生。正義感が強くストイック
- 佐和田晴(堀家一希):素朴で物静かな4年生。実家は民宿
- 乃木圭介(池田匡志):天才肌のエリートランナーの1年生
- 松木浩太(水沢林太郎):北野監督に恩義を感じている、斜に構えた4年生
ドラマの大日テレビの人物像
- 徳重亮(大泉洋):箱根駅伝中継のチーフプロデューサー。放送の成否を背負う現場責任者
- 宮本菜月(伊藤沙莉):入社10年目のセンターディレクター。中継全体の指揮を執る
- 黒石武(高橋克典):編成局長。現場からは「デストロイヤー」と恐れられる
- 辛島文三(竹中直人):アナウンス部の古参。信条は「事実を事実のままに伝える」
主題歌とスタッフ
主題歌は桑田佳祐さんの「神々の襷」です。音楽は得田真裕さん、脚本は鈴木すみれさんと松田裕子さん、演出は猪股隆一さんと山田信義さんほかが手がけます。
関東学生陸上競技連盟が協力し、1987年から箱根駅伝を生中継してきた日本テレビが制作しています。
第1話の反響と配信
第1話は、TVerでの再生回数が10月10日からの1週間で319万回を超えました。日本テレビのドラマの初回として、歴代最高の数字です。
2026年10月24日時点の配信は次のとおりです。
ドラマの第1話〜第3話のあらすじ
放送済みの第3話までで、ドラマは予選会から学生連合の始動、1万メートルの記録会までを描いています。
第1話「改革か信念か」
第1話は2026年10月10日の放送。2年連続で本選出場を逃した明誠学院大学が、予選会に挑みます。
ケガから復帰した4年生エースの青葉隼斗に、誰もが期待をかけていました。しかしレース終盤、明誠の前に“箱根駅伝の魔物”が立ちはだかります。
大日テレビでは、編成局長の黒石が視聴率のために中継のテコ入れに乗り出します。芸能事務所社長の田村に頼み、人気お笑いタレントの畑山一平を勝手にブッキングしてしまいました。
そんな中、かつて“花の2区”で区間賞を3度獲った大スター・甲斐真人が、18年ぶりに箱根へ戻ってきます。
第2話「学生連合チーム始動」
第2話は2026年10月17日の放送です。予選会でわずか10秒差に涙をのんだ隼斗は、関東学生連合のメンバーに選ばれます。
合宿の初日、甲斐は16人の選手に「私の目標は――箱根駅伝、3位以上だ」と告げました。仮に優勝しても記録に残らないチームでの、あまりに高い目標です。
意欲に燃える諫山天馬や猪又丈がいる一方、松木浩太と富岡周人は甲斐に反発。隼斗はキャプテンに立候補します。
中継側では、センターディレクターの宮本菜月がワンマンプレーに走り、先輩ディレクターの野村が不満を爆発させました。なお第2話の題は、原作上巻の第四章と同じ「学生連合チーム始動」です。
第3話「テレビが箱根を変えてはいけない」
第3話は2026年10月24日の放送。センターアナの前田久志が、病気治療のため緊急入院します。
徳重が代わりに白羽の矢を立てたのは、大ベテランの辛島文三でした。ただ辛島は「キツい」「厳しい」「気難しい」の“3K”で知られる人物。黒石は看板アナの丸太真二を推します。
学生連合は、1万メートルの記録挑戦競技会に出場します。甲斐はここで、東西大学の監督・平川庄介と再会しました。
好タイムを出す選手がいる一方、隼斗は予選会の悪夢を思い出して中盤で失速。自信を失ってしまいます。
原作小説の上下巻と文庫版
原作は、2024年4月24日に文藝春秋から出た単行本の上下巻です。2026年9月2日には文春文庫の上下巻が発売されました。
価格は2026年10月時点のものです。
上巻は予選会と本選前夜、下巻は本選
上巻は第一部「決戦前夜」で、第一章「予選会」から第九章「つばぜり合い」まで。学生連合ができて本選を迎えるまでが描かれます。
下巻は第二部「東京箱根間往復大学駅伝競走」。第一章「大手町スタートライン」から第十章「俺たちの箱根駅伝」まで続き、最終章が「エンディング・ロール」です。
手に取りやすいのは2026年9月に出た文春文庫の上下巻です。
週刊文春の連載と、池井戸作品初の上下巻
『週刊文春』での連載は2021年11月に始まり、1年半にわたって続きました。単行本は、池井戸作品として初めての上下巻です。
舞台となる明誠学院大学やライバル校は架空の大学で、青山学院・早稲田・駒沢・東洋などは実在の大学として登場します。池井戸さんは本作について、「もう二度と、こんな小説は書けないでしょう」と語っています。
冒頭の予選会は無料で読める
上巻第一章の予選会の場面は、スポーツナビで全3回に分けて無料公開されています(2026年10月25日時点)。
公開されているのは、予選会の結果発表の直前までです。
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俺たちの箱根駅伝に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 原作の結末で、関東学生連合は何位ですか?
A. 最終10区を走った青葉隼斗が、参考順位の2位でフィニッシュします。学生連合はオープン参加なので、この2位は公式の順位にも記録にも残りません。
Q2. 関東学生連合はなぜ順位がつかないのですか?
A. オープン参加で、記録は参考記録の扱いだからです。第91回(2015年)に学連選抜から関東学生連合チームへ名前が変わり、それ以降はオープン参加になりました。
Q3. 明誠学院大学にモデルはありますか?実話ですか?
A. 舞台となるチームとライバルは、架空の大学です。青山学院・早稲田・駒沢・東洋などは、実在の大学として作中に登場します。
Q5. 原作は上下巻ですか?文庫はいつ出ましたか?
A. 上下巻です。単行本は2024年4月24日、文春文庫は2026年9月2日に発売されました。
俺たちの箱根駅伝のネタバレまとめ
『俺たちの箱根駅伝』は、池井戸潤さんの小説です。予選会で敗れた選手たちの関東学生連合と、箱根駅伝を中継するテレビ局を描いています。
- 明誠学院大学は予選会で敗退し、主将の青葉隼斗は脇腹の痛みで失速した自分を責める
- 隼斗は関東学生連合に選ばれ、新監督・甲斐真人の“規格外”の目標のもとで本選へ
- 下巻は1区から10区まで、学生連合の選手一人ひとりの物語が続く
- 8区の乃木圭介が学生連合を2位に押し上げ、10区の隼斗が参考順位の2位でフィニッシュ
- オープン参加のため、2位は公式の順位にも記録にも残らない
- 甲斐は本選後も明誠学院大学の監督を続け、病床の諸矢は学生連合の戦いを見届ける
- ドラマは日本テレビ系の土曜ドラマとして、2026年10月10日に放送開始


