1984年公開の映画に出てくる顔ぶれと、宮崎駿さんが全7巻で描いた原作漫画の顔ぶれ。この2つは重なっているようで、実はかなり違います。映画が風の谷・トルメキア・ペジテの三者の争いで閉じるのに対し、漫画には土鬼(ドルク)連合や森の人といった勢力が加わるからです。この記事では、風の谷のナウシカの登場人物を勢力ごとに一覧表で先に整理し、誰が映画にも出ていて誰が漫画だけの人物なのかを見ていきます。
記事のポイント
- 風の谷・トルメキア・ペジテ・土鬼連合・森の人の5勢力で整理できる
- 映画にも出る人物と漫画だけの人物を冒頭の表で区別
- クシャナは映画と漫画で描かれ方が大きく違う
- 漫画だけの勢力が物語後半の中心になる
| 勢力 | 名前 | 映画/漫画 | ひとことポイント |
|---|---|---|---|
| 風の谷 | ナウシカ | 両方 | 主人公。族長ジルの娘で、風を読み蟲と心を通わせる |
| 風の谷 | ユパ・ミラルダ | 両方 | ナウシカの師。腐海一の剣士と呼ばれる旅の人 |
| 風の谷 | ジル | 両方 | 風の谷の族長でナウシカの父。腐海の毒に侵され病床にある |
| 風の谷 | 大ババ | 両方 | 谷の長老。古い言い伝えを語り継ぐ役目 |
| 風の谷 | ミト | 両方 | 城で働く男たちのまとめ役。ナウシカを支える古参 |
| 風の谷 | テト | 両方 | ナウシカと行動をともにするキツネリス |
| トルメキア | クシャナ | 両方 | 皇女にして軍の指揮官。映画と漫画で人物像が大きく異なる |
| トルメキア | クロトワ | 両方 | クシャナ付きの参謀。平民出身のしたたかな男 |
| トルメキア | ヴ王 | 漫画のみ | トルメキア王でクシャナの父 |
| ペジテ | アスベル | 両方 | ペジテ市長の息子。トルメキアへの復讐に燃える青年 |
| ペジテ | ラステル | 両方 | アスベルの妹。物語の序盤で命を落とす |
| 土鬼連合 | ミラルパ | 漫画のみ | 土鬼の神聖皇帝(皇弟)。超常の力で実権を握る |
| 土鬼連合 | ナムリス | 漫画のみ | 土鬼の皇兄。ミラルパと対立する |
| 土鬼連合 | チャルカ | 漫画のみ | 土鬼側の僧正 |
| 土鬼連合 | ケチャ | 漫画のみ | 土鬼領のマニ族の少女 |
| 森の人 | セルム | 漫画のみ | 森の人の青年。腐海の奥に暮らす一族 |
ここに並べたのは、映画の配役表と原作の記述の両方で立場を確認できた人物だけ。扱いがはっきりしない顔は無理に足していません。
風の谷のナウシカの登場人物を勢力別に一覧で紹介
ここからは表の中身を少し詳しく。風の谷、トルメキア、そしてペジテと土鬼連合・森の人の順に見ていきます。所属さえ押さえれば、複雑に見える対立の構図もすっきりしますよ。

この記事には、ラステルの死など物語の展開に触れる記述が含まれます。まっさらな状態で読みたい方はご注意ください。
風の谷の人々
物語の出発点は、海からの風に守られて腐海の毒が届かない小国・風の谷。ナウシカを中心にした小さな共同体として描かれます。
ナウシカ
風の谷の族長ジルの娘で、この物語の主人公。風を読んでメーヴェを乗りこなす「風使い」であり、蟲たちと心を通わせることもできる少女です。人が忌み嫌う腐海の植物を自室でひそかに育てる研究者めいた顔も持っています。映画でも漫画でも立ち位置は同じ。違うのは、その先の物語の長さですね。
ユパ・ミラルダ
ナウシカの師にあたる剣士で、ジルの旧友。腐海の謎を解こうと各地を旅して回り、その腕は敵陣からも一目置かれます。旅先で拾ったキツネリスのテトをナウシカに譲るのも彼。漫画版ではこの旅がさらに遠くまで続きます。
ジル・大ババ・ミトと谷を支える人々
ジルはナウシカの父であり族長ですが、腐海の毒に侵されてすでに病床にあります。大ババは古い言い伝えを語り継ぐ谷の長老。ミトは城で働く男たちのまとめ役で、ぶっきらぼうな口ぶりの奥に谷への愛情がにじむ人です。私はこのミトがけっこう好きなんですよね。3人とも映画に登場します。
トルメキア帝国の人々
風の谷に軍靴を響かせる大国が、トルメキア。腐海の外に残された土地をめぐって争いを続ける軍事国家です。
クシャナ
皇女でありながら、みずから軍を率いて前線に立つ指揮官。冷徹な物言いと統率力で、初登場から只者ではない空気をまとっています。ただし、この人物こそ映画と漫画でもっとも描かれ方が変わる登場人物。映画だけを観た方の印象と、漫画を読んだ方の印象は驚くほど食い違います。中身は後半で取り上げますね。
クロトワとヴ王
クロトワはクシャナ付きの参謀で、平民から成り上がった男。上に取り入りつつ自分の得も忘れないしたたかさがあり、クシャナとの腹の探り合いは読みごたえがあります。彼は映画にも登場しますが、クシャナの父であるヴ王のほうは映画の配役表に名前がなく、姿を見せるのは原作漫画だけ。トルメキアが王家内部に思惑を抱えた国として立ち上がるのは漫画版ならではでしょう。
ペジテ・土鬼連合・森の人の人々
残る3勢力もまとめて。ペジテは映画にも出てきますが、土鬼連合と森の人は漫画だけ。ここが映画と原作の分かれ道です。
アスベルとラステル
アスベルはペジテ市長の息子で、ナウシカと同年代の青年。国を焼かれた怒りから復讐に走るものの、ナウシカとの出会いで考えを変えていきます。その妹が、序盤で命を落とすラステル。兄妹そろって映画にも登場し、配役表にはペジテ市長やラステルの母の名前も並びます。
土鬼連合と森の人の人々
土鬼(ドルク)連合を率いるのが、皇弟ミラルパと皇兄ナムリスの兄弟。ミラルパは超常の力で実権を握る神聖皇帝で、互いを信じない兄弟の確執が漫画後半の軸になります。ほかに僧正チャルカ、マニ族の少女ケチャ、腐海の奥に暮らす森の人の青年セルム。いずれも映画にはいっさい登場しません。
風の谷のナウシカの登場人物は映画と漫画でどう違うか
ここからは映画と漫画の差そのものへ。人物が増えるという話と、同じ人物の見え方が変わるという話。この2つを分けて押さえておきましょう。
漫画にしか出てこない登場人物たち
漫画には映画に出てこない人物が大勢います。ただし、脇役がちょっと増えたという話ではありません。勢力ごと丸ごと増えているのです。
土鬼連合という勢力そのものが映画にない
映画は風の谷・トルメキア・ペジテの三者で完結します。そのため土鬼連合との戦争を軸にした漫画後半の登場人物は、まるごと映画に存在しません。ミラルパやナムリス、チャルカ、ケチャの名前が映画に見当たらないのはそのためですね。何人が漫画オリジナルかという集計は公式に確認できないため、数字の断定は避けておきます。
森の人と蟲使いという集団も漫画だけ
腐海の奥で暮らす「森の人」、蟲を扱って生きる「蟲使い」。この2つの集団も映画には出てきません。セルムに代表される森の人は、腐海と人間の関係についてナウシカとは別の答えを持つ人々。映画の腐海はまだ恐ろしい場所の域を出ませんが、漫画ではそこに人が暮らしているという前提からして違うのです。
同じ人物でも描かれ方が変わるクシャナ
登場人物の違いという意味で、いちばん語られるのがクシャナ。名前も立場も同じなのに、読後の印象が別人のように変わります。
映画のクシャナ
映画のクシャナは、風の谷を武力で押さえ、巨神兵を蘇らせて腐海を焼き払おうとする人物として描かれます。上映時間の制約もあり、ナウシカの理想と正面からぶつかる立場に整えられているのですね。結果として、多くの観客には敵役として記憶されました。
漫画のクシャナ
漫画版では、部下から厚い信頼を寄せられる指揮官として長い時間をかけて描かれます。王家の中で孤立し、それでも兵たちのために踏みとどまる姿は単純な悪役の枠に収まりません。終盤でも彼女は王位に就かず「代王」を名乗り続けるという結び方をします。この一点だけでも、映画のクシャナ像とは距離がありますよね。
所属勢力と立場から見る登場人物の関係
映画で描かれるのは、風の谷・トルメキア・ペジテの三者。小国が大国に踏み込まれ、ペジテの思惑が絡んで王蟲の暴走に至る筋道です。漫画ではそこに土鬼連合と森の人が加わり、三者の争いだった構図が五つの勢力の絡み合う長い戦記へ広がります。しかも敵味方の線は最後まで固定されません。だから味方か敵かで覚えるより、どの勢力に属して何を背負っているかで捉えたほうが読みやすいのです。結末そのものは風の谷のナウシカ漫画版のネタバレ結末を解説した記事で扱っています。
読むなら紙の単行本
漫画だけの人物に会うには、原作を読むしかありません。ところがこの作品、2026年7月時点では電子書籍版が確認できず、紙の単行本でしか読めない珍しい一本です。全7巻・徳間書店刊で、1巻はAmazonで入手できます。
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風の谷のナウシカの登場人物に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 風の谷のナウシカの主人公は誰ですか?
A. 風の谷の族長ジルの娘・ナウシカです。風を読んでメーヴェを操る風使いであり、蟲たちと心を通わせることができる少女として描かれます。映画版・漫画版のどちらでも主人公という立場は同じですよ。
Q2. クシャナは映画と漫画でどう違いますか?
A. 映画では腐海を焼こうとする敵役寄りに描かれますが、漫画では部下から信頼を集める複雑な人物として長く描かれ、最後まで王位に就かず「代王」を名乗り続けます。読後の印象はかなり変わるはずです。
Q3. 漫画にしか出てこないキャラクターはいますか?
A. います。土鬼(ドルク)連合の皇兄弟ミラルパ・ナムリス、僧正チャルカ、マニ族のケチャ、森の人のセルム、トルメキア王のヴ王などは映画の配役表に見当たりません。人数の公式な集計は確認できていないため、断定は避けています。
Q4. 登場人物は全部で何人くらいいますか?
A. 公式に何人と集計された資料は確認できていません。ただ、風の谷・トルメキア・ペジテ・土鬼連合・森の人という5つの勢力に分けて捉えると全体像はつかみやすくなります。冒頭の表もその並びです。
Q5. 漫画版の結末で登場人物たちはどうなりますか?
A. 映画が終わったあとにも長い物語が続き、主要人物の去就は映画とは別の形で決着します。核心に触れるため、詳しくは当サイトの漫画版ネタバレ結末の解説記事をご覧ください。
風の谷のナウシカの登場人物と映画漫画の違いまとめ
最後に、風の谷のナウシカの登場人物について押さえておきたい点を振り返ります。本編の流れは漫画版のネタバレ結末と映画との違いをまとめた記事で解説しているので、あわせてどうぞ。
- 登場人物は風の谷・トルメキア・ペジテ・土鬼連合・森の人の5勢力で整理できる
- ナウシカ、ユパ、ジル、大ババ、ミト、テト、クシャナ、クロトワ、アスベル、ラステルは映画にも登場
- ヴ王、ミラルパ、ナムリス、チャルカ、ケチャ、セルムは原作漫画だけの人物
- 映画は三者の争いで完結し、漫画は五勢力が絡む長い物語へ広がる
- クシャナは映画と漫画で描かれ方がもっとも変わる人物
なお本記事は2026年7月時点の情報にもとづき、人物の扱いは映画の配役表と原作の記述で確認できた範囲にとどめています。刊行状況などは変わる可能性があるため、正確な情報は公式サイトをご確認ください。作品情報はスタジオジブリ公式サイトで確認できます。名前と所属を頭に入れてから原作を開くと、あの厚みのある世界がすんなり入ってきますよ。