『ONE PIECE』の原点として語られる読み切り「ROMANCE DAWN(ロマンスドーン)」について、ネタバレを交えてじっくり整理していきます。この作品はどこで読めるのか、SS版とWJ版という2つのバージョンの違い、少女シルクやアンといった登場人物、そしてアニメ化の経緯まで、検索して気になっている部分をまとめて解決できる内容を目指しました。ロマンスドーンの意味や、本編ONE PIECEとのつながり、907話としての位置づけが気になっている方にも読んでほしい記事です。私自身、麦わら帽子のエピソードの原型がここにあると知って驚いた口なので、その感覚を共有しながら進めていきますね。
記事のポイント
- ロマンスドーンにSS版とWJ版の2つが存在する理由と違い
- 版ごとの登場人物とネタバレを含むあらすじ・結末
- 本編ONE PIECEとの共通点・相違点の考察ポイント
- 読み切りが収録された単行本とアニメでの視聴方法
| 項目 | SS版 | WJ版 |
|---|---|---|
| 掲載誌 | 週刊少年ジャンプ1996 Summer Special(増刊号) | 週刊少年ジャンプ1996年41号(本誌) |
| ヒロイン | シルク | アン |
| 敵キャラ | 三日月のギャリー | 六角のシュピール |
| 麦わら帽子の由来 | 赤髪のシャンクスから託される | ルフィの祖父から託される |
| 収録単行本 | ONE PIECE RED GRAND CHARACTERS | WANTED! 尾田栄一郎短編集 |
まずはこの2バージョンの対応関係を頭に入れておくと、この先の解説がグッと分かりやすくなります。ネット上の解説では版をまたいでキャラを取り違えている例も見かけるので、この表を軸に読み進めてもらえたらと思います。
ロマンスドーンのネタバレ|読み切り版のあらすじと登場人物
ここからは、ロマンスドーンのネタバレを含むあらすじと登場人物を、SS版・WJ版に分けて詳しく見ていきます。同じタイトルでもヒロインも敵も相棒も違うので、混同しないように版ごとに区切って解説していきますね。まずは作品全体の基本情報から押さえていきましょう。

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『ROMANCE DAWN』の基本情報と2つのバージョン
「ROMANCE DAWN」は、尾田栄一郎さんが『ONE PIECE』の連載を始める前に描いた読み切り作品です。実はこのタイトルの読み切りは2つ存在していて、掲載誌の違いから便宜的に「SS版」「WJ版」と呼び分けられています。どちらも主人公はモンキー・D・ルフィで、ゴムの能力を持つ海賊が少女と出会い、悪い海賊を倒すという骨格は共通しています。
SS版とWJ版の違い
SS版は週刊少年ジャンプ1996 Summer Special(増刊号)に、WJ版は週刊少年ジャンプ1996年41号(本誌)に掲載されました。WJ版は尾田さんが『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』のアシスタントをしていた時期に描かれた作品として知られています。
両者の一番大きな違いは、ルフィに麦わら帽子を託す相棒の存在です。SS版ではおなじみの赤髪のシャンクスが登場しますが、WJ版ではその役割をルフィの祖父が担っています。WJ版は本誌掲載ということもあり、後の連載を意識してSS版とは色を変えて描かれた、という位置づけになっています。そのぶんSS版と比べると、本編ONE PIECEとの共通点はやや少なめです。
収録単行本と書誌データ
WJ版は『WANTED! 尾田栄一郎短編集』(集英社ジャンプ・コミックス、1998年11月9日初版発行、ISBN 978-4-08-872631-1)に収録されています。一方のSS版は、当初この短編集への収録が見送られました。理由は、ページ数の都合に加えて『ONE PIECE』との共通点が多すぎたためとされています。その後SS版は『ONE PIECE RED GRAND CHARACTERS』(集英社ジャンプ・コミックス、2002年1月10日初版発行、ISBN 978-4-08-873211-4)に収録されました。
SS版のあらすじと登場人物
ここからはSS版のネタバレに入っていきます。SS版はヒロインがシルク、敵が三日月のギャリー、そして相棒が赤髪のシャンクスという顔ぶれです。本編ONE PIECEに近い要素が多く、麦わら帽子の原点を感じられるバージョンになっています。
この先はSS版の結末まで含むネタバレになります。まだ読んでいない方はご注意ください。
ルフィと少女シルク
SS版のルフィは、無法な略奪を働く海賊「モーガニア」ではなく、冒険を続ける海賊「ピースメイン」として旅をしています。一人称は「オレ」。憧れの人物である赤髪のシャンクスに、旅へ連れて行ってほしいと懇願していた少年でした。ゴムゴムの実を食べて体は伸び縮みしますが、そのぶんカナヅチという弱点も持っています。本編と違って頬に傷はなく、船の名前は「快速メルヘン号」です。
ルフィが出会う少女シルクは、赤ん坊の頃に町を襲った海賊に置き去りにされ、町の人々に育てられたという背景を持っています。彼女の暮らす町がこの物語の舞台となり、ラストではルフィの仲間になります。
海賊ギャリー
物語の敵となるのが、モーガニアの海賊「三日月のギャリー」です。三日月形の口ひげがその異名の由来で、ルフィからは「変なヒゲ」と言われて攻撃し、拘束してしまう場面もあります。ギャリーはシルクの町を襲撃して略奪と砲撃を行い、町を火の海にしてしまいます。
しかし怒ったルフィが仲間とともに大暴れし、最終的にギャリーは敗北して海賊船を沈められます。そしてラストではギャリーが改心し、ルフィの仲間になるという結末を迎えます。ちなみにこの三日月のギャリー、『ONE PIECE』本編ではホールケーキアイランド編の終盤に、海上レストラン・バラティエの客としてこっそり再登場していることがSBS(コミックスの質問コーナー)で明かされています。
WJ版のあらすじと登場人物
続いてWJ版のネタバレです。WJ版はヒロインがアン、敵が六角のシュピール、そして相棒がルフィの祖父という構成になっています。SS版のシャンクスが祖父に置き換えられているのが最大の特徴で、ここが本編ガープにつながる重要なポイントでもあります。
この先はWJ版の内容や結末に触れるネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
ルフィと少女アン
WJ版のルフィも、SS版と同じくピースメインとして旅をする海賊です。一人称は「オレ」で、ゴムゴムの実を食べた全身ゴム人間。麦わら帽子は「祖父」から貰った設定になっています。幼少期は祖父の前で「海賊になりたくない」と言い続けていましたが、本心はその逆だったという描写もあります。
ヒロインのアンは、住んでいた村が敵のシュピールに襲われ、怪鳥バルーンと親しかったためにさらわれてしまった少女です。容姿は本編のナミに似ていますが、髪の色は青いのが違いです。そのバルーンは、パンダのような顔をした「ルク」という怪鳥で、その血には妖力が宿るとされ、バルーンは最後の一羽という設定です。
敵の六角のシュピールは、6方向に束ねた髪が特徴のモーガニアで、ルフィからは「変な頭」「アメンボに似てる」と言われます。炎や爆発、物体の召喚、箒での飛行までこなす妖術使いで、ルクの血で妖力を高めるためにバルーンを狙い、友人であるアンをさらいました。物語では、ルフィがバルーンを助けたことをきっかけにシュピールの海賊船へ招かれ、アンとともに囚われますが、ゴム人間の力でシュピールを倒し、バルーンとアンを救出します。最終的にシュピールはルフィに敗北するという結末です。なお懸賞金350万ベリーという数字はアニメ版の設定です。
そしてこのWJ版で麦わら帽子を託す「ルフィの祖父」は、腕っぷしが強く、ルフィからは「暴力じじい」と呼ばれるピースメインの海賊です。この祖父の顔形が、『ONE PIECE』本編でルフィの祖父となるガープに受け継がれています。
【ネタバレ】読み切り版で描かれた結末
ここではSS版・WJ版それぞれの結末に触れます。核心のネタバレを含むため、未読の方は読み進める前にご注意ください。
2つの読み切りは、細部こそ違いますが「ルフィがゴム人間の力で悪い海賊を倒し、少女を救う」という着地は共通しています。SS版では、町を火の海にした三日月のギャリーをルフィが仲間とともに打ち破り、海賊船を沈めます。そして倒したはずのギャリーが改心して仲間に加わり、シルクも仲間になるという、なんとも尾田作品らしい大団円で幕を閉じます。
WJ版では、怪鳥バルーンを助けたことから物語が動き出し、囚われたルフィがゴム人間の能力で妖術使いのシュピールを撃破。バルーンとアンを救い出します。相棒が祖父に置き換わっている点を除けば、少女と怪鳥を救うという筋立てそのものは一本の物語として綺麗にまとまっています。
ロマンスドーンのネタバレ考察と『ONE PIECE』との関係
ここからは、ロマンスドーンのネタバレを踏まえたうえで、本編『ONE PIECE』とのつながりや相違点を考察していきます。あわせて、読み切りをアニメで見る方法や、単行本を電子書籍で読む方法もまとめました。原点としてのこの作品を、どう位置づければいいのかを一緒に整理していきましょう。

本編『ONE PIECE』へのつながりと相違点
まず押さえておきたいのは、2つの読み切りは『ONE PIECE』とは設定を共有していない、という点です。あくまで別作品として描かれているので、本編の世界観の一部だと考えると混乱してしまいます。それでいて、後のONE PIECEの核になる要素の原型が、すでにこの読み切りに詰まっているのが面白いところです。
具体的には、特殊な能力を得られる木の実を食べてゴム人間になるという設定は、両読み切りの時点で固まっています。さらに海賊を「モーガニア」(無法に略奪する海賊)と「ピースメイン」(そのモーガニアをカモにして冒険を続ける海賊)の2種類に分ける独自の世界観用語もあります。このモーガニア/ピースメインという分類は本編には存在しない設定で、読み切りならではの相違点として知っておくと理解が深まります。
キャラクター面での確かなつながりとしては、WJ版でルフィの祖父の顔デザインが本編のガープに受け継がれている点、そしてSS版の三日月のギャリーが本編ホールケーキアイランド編にカメオ出演している点が挙げられます。伏線として深読みする考察はネット上に数多くありますが、そのあたりは断定できる一次情報ではないので、あくまで「そう考察されている」という受け止めにとどめておくのが誠実かなと思います。
アニメ・映像で読み切りの世界を見る方法
読み切りの雰囲気は、アニメでも味わうことができます。ロマンスドーンは大きく2度アニメ化されていて、それぞれ原案となった版が異なります。
1つ目は、2008年の「ONE PIECE ロマンス ドーン ストーリー」です。これはSS版を原案としたオリジナル作品で、2008年9月21日から11月23日にかけて、全国11会場の「ジャンプスーパーアニメツアー08」で上映されました。上映時間は約33分で、その後2008年11月24日から2009年1月31日まで公式サイトで期間限定の無料配信も行われました。物語上は「スリラーバーク編からシャボンディ諸島編の間」のエピソードとして再構成されている点が特徴で、読み切り原作そのままのコマ割りではなく、アニメオリジナルの再構成である点は覚えておくとよいですね。
2つ目は、2019年10月20日に放送されたテレビアニメ第907話「20周年!特別編ロマンスドーン」です。こちらはWJ版の初アニメ化で、テレビアニメ第1回放送日である1999年10月20日からちょうど20年という節目に放送されました。麦わらの一味の声優陣が読み切りのキャラを演じており、BD・DVDは2020年1月24日に発売されています。まずは雰囲気を掴みたいという方は、公式が公開しているこの907話の予告映像をチェックしてみてください。
収録単行本を電子書籍でお得に読む方法
読み切りを原作でしっかり味わいたいなら、収録単行本を手に取るのが一番です。WJ版のロマンスドーンは『WANTED! 尾田栄一郎短編集』に収録されていて、電子書籍でも読むことができます。紙をかさばらせずに手元に置いておけるので、原点を繰り返し読み返したい方には電子版が便利かなと思います。
コミックシーモアで『WANTED! 尾田栄一郎短編集』を読む
なお、SS版が収録された『ONE PIECE RED GRAND CHARACTERS』については、電子書籍での取り扱い状況が版元や配信サービスによって変わる場合があります。最新の配信状況は、各書店ページで直接ご確認いただくのが確実です。
ファンの評価・受け止め
ロマンスドーンは、ファンの間では「ONE PIECEのプロトタイプ(原型)」として語られることが多い作品です。ゴムゴムの実、麦わら帽子と相棒の絆、悪い海賊を倒して仲間を増やしていく展開など、後の大長編の核になる要素がこの短い読み切りにすでに宿っている、という点が評価の中心になっています。
一方で、SS版とWJ版でヒロインも敵も相棒も違うため、どちらを「本当の原点」と捉えるかは受け止めが分かれるところです。シャンクスとの麦わら帽子エピソードが完成しているSS版を推す声もあれば、祖父からガープへの流れが見えるWJ版を面白がる声もあります。どちらが正解ということはなく、両方を読み比べてこそ見えてくる魅力がある、というのが個人的な感想です。ここでは特定の感想を断定的に紹介することは避け、こうした受け止め方があるという整理にとどめておきますね。
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ロマンスドーンのネタバレまとめ
ここまで、ロマンスドーンのネタバレを軸に、SS版とWJ版の違い、登場人物、結末、そして本編ONE PIECEとの関係を見てきました。同じタイトルでも2つの読み切りが存在し、ヒロインはシルクとアン、敵は三日月のギャリーと六角のシュピール、相棒はシャンクスと祖父というように、版ごとにしっかり別物として描き分けられているのが最大のポイントです。
そのうえで、ゴム人間の設定や麦わら帽子と相棒の絆といった原型が両版に共通して息づいていて、本編への確かな地続きを感じられます。ガープの原型となる祖父や、バラティエに現れるギャリーなど、原点を知っているとONE PIECE本編がもっと楽しくなるはずです。まずはWJ版が収録された『WANTED! 尾田栄一郎短編集』から、この原点に触れてみてください。
なお、掲載誌や単行本の情報、配信状況などは変更される場合があります。正確な情報は公式サイトや各書店ページをご確認いただき、最終的な判断はご自身の目でお確かめいただくことをおすすめします。