頸を斬られてもなお崩れず、それでも立とうとしていた鬼。猗窩座の最後を読み返すたび、私はあの数ページで胸がいっぱいになります。
上弦の参として鬼殺隊を苦しめ続けた鬼は、無限城で何巻何話に決着を迎え、なぜ最後に自ら崩れる道を選んだのか。猗窩座の敗北は「頸を斬られた瞬間」ではありませんでした。
記事のポイント
- 猗窩座の最後が何巻で描かれ誰に追い詰められたのかがわかる
- 自害を選んだ理由と最後の笑顔・涙の意味がつかめる
- 人間時代の狛治と恋雪の過去から泣ける理由が見えてくる
- 劇場版 無限城編でどこまで描かれ、続きがどうなっているかが把握できる
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 何巻 | 単行本18巻(無限城での決着まで収録) |
| 何話 | 17巻146話〜18巻157話「舞い戻る魂」で決着 |
| 倒した相手 | 竈門炭治郎・冨岡義勇に追い詰められ、最終的には自壊(自害) |
| 最期 | 人間時代の記憶と恋雪への想いを取り戻し、笑顔で塵になって消滅 |
| 声優 | 石田彰 |
| 映像化 | 劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来(2025年7月18日公開)で決着まで描かれた |
猗窩座の最後を徹底解説!何巻何話で誰に倒されたのか
猗窩座の最後は18巻で描かれ、炭治郎と冨岡義勇に追い詰められた末に、自ら再生をやめて崩れました。

猗窩座の最後は18巻|死亡の経緯
ここから先は猗窩座の最期に触れる重大なネタバレを含みます。まだ本編を読んでおらず結末を知りたくない方は、この先を飛ばして読み進めてくださいね。
猗窩座の最後が描かれるのは、原作単行本の18巻です。無限城での戦いは17巻146話あたりから始まり、18巻157話「舞い戻る魂」で決着します。
決着の18巻は、紙の単行本でも読めます。
舞台は鬼舞辻無惨の居城・無限城です。竈門炭治郎と水柱・冨岡義勇の二人が、上弦の参である猗窩座と交戦します。
当初は猗窩座の圧倒的な武術と再生力に防戦一方だった二人。しかし戦いの最中に炭治郎が「透き通る世界」と呼ばれる境地に到達し、猗窩座の頸を斬るところまで追い詰めます。ここまでは、いわば「鬼殺隊が勝った」と言える段階です。
ところが猗窩座の最期は、そこからもう一段だけ先に進みます。
無限城の戦いは猗窩座にとって「二度目の対決」
忘れてはいけないのが、炭治郎にとって猗窩座との戦いはこれが初めてではないという点です。最初にぶつかったのは無限列車での戦いです。この第1ラウンドは、原作でいうと8巻63話から67話あたりに描かれます。
炎柱・煉獄杏寿郎が命を落としたあの戦いですね。炭治郎は猗窩座に一矢報いることすらできず、遠ざかる背中に向かって叫ぶことしかできませんでした。
だからこそ無限城での再戦は、単なる「上弦の参の討伐」ではありません。劇場版のタイトルが『猗窩座再来』なのも、この因縁の再戦を指しているからでしょう。
煉獄を奪われた側の少年が、同じ鬼と向き合い直す物語。そう捉えると、18巻の決着がいっそう重く感じられます。
誰に倒された?炭治郎と義勇
直接刃を交えたのは竈門炭治郎と冨岡義勇の二人です。炭治郎が「透き通る世界」に至って頸を斬り、義勇もその攻防に深く関わっています。
討伐者としては、炭治郎(冨岡義勇も参戦)という形で扱われるのが一般的です。
ただ、鬼である猗窩座は頸を斬られても炭のように崩れず、再生を繰り返そうとします。つまり頸を落とされただけでは死ななかったのです。どう決着したのかは、次の見出しの自壊の描写まで見る必要があります。
誰かに討ち取られたというより、二人に追い詰められた末に猗窩座自身が幕を引いた、という受け止めがしっくりくる最期です。
ちなみに猗窩座が過去に討ち取った柱は、無限列車編の炎柱・煉獄杏寿郎です。避けて通れない因縁ですが、無限城での最後とは別の戦いの出来事です。
自害を選んだ理由
猗窩座が自害を選んだのは、失っていた人間時代の記憶を取り戻したからです。頸を斬られてもなお再生しようとしていた最中に、その記憶が一気に蘇っていきます。
父を亡くした少年時代、武術の道場で過ごした日々、そして想い人だった恋雪の面影。これが猗窩座の最後で、いちばん胸に刺さる転機です。
記憶を取り戻した猗窩座は、本当に殺したかったのは大切な人を守れなかった弱い自分自身だったと悟ります。そして再生をやめ、自らの頸を砕いて崩れていく道を選びます。
誰かに討たれたのではなく、自分の意思で戦いを終わらせた。これが「自害」と表現される理由です。
本当の敗北は、無惨の支配を自ら振りほどいた瞬間
猗窩座の敗北は、頸を斬られた瞬間には成立していないと私は思います。鬼は、鬼舞辻無惨から血を分け与えられて生まれる存在です。
十二鬼月ほどの上位の鬼は、より濃い血を受け取っているとされ、無惨の支配から基本的に逃れられません。作中で無惨の支配が及ばない鬼が「特殊な例」として扱われることからも、その縛りの強さがうかがえます。
その支配下にあった猗窩座が最後に取り戻したのは、強さでも鬼としての誇りでもありません。狛治という一人の人間の記憶と、恋雪への想いでした。
無惨から与えられた命の設計図を、自分の意思で拒んだ。再生を止めるという行為は、鬼としての生存本能を裏切ることでもあります。
猗窩座の負けは、鬼殺隊の刃が届いた瞬間ではなく、無惨の鬼であることをやめると決めた瞬間に完成した。私はそう読んでいます。倒された鬼ではなく、鬼をやめた男の物語だから、この最期は救いの話に見えてくるのだと思います。
最後の笑顔と涙の意味
自壊を選んだ猗窩座は、精神世界のような場面で、かつての想い人・恋雪と再会します。恋雪は責めるでも咎めるでもなく、狛治(猗窩座の人間時代の名)を優しく迎え入れます。
この再会の場面で猗窩座が見せる笑顔と涙が、彼の最後を象徴する名シーンです。
あの表情には、長い間自分を苦しめてきた喪失と後悔から、ようやく解き放たれた安堵が滲んでいるように思います。数えきれない命を奪ってきた鬼が、最後の一瞬だけ人間・狛治に戻り、もう頑張らなくていいと恋雪に受け止めてもらえた。
敵役でありながら、その最期に涙してしまう読者が後を絶たないのは、この笑顔と涙の説得力ゆえだと思います。そして猗窩座は塵となって消えていきます。
もうひとつ触れておきたいのが、この場面が「勝った側の喜び」としてはほとんど描かれないことです。頸を斬った炭治郎の側にも、達成感のような明るさはありません。
倒すべき鬼を倒したはずなのに、どこにも祝福がない決着。この読後感の重さが、猗窩座の最後を特別なものにしています。
猗窩座の最後のセリフを考察
最期に恋雪は、もう十分だから、これ以上戦わなくていいと語りかけるようなニュアンスの言葉をかけます。強さを追い求めることでしか自分を保てなかった猗窩座にとって、その一言は呪いを解く鍵だったのだと思います。
強くなることに囚われ続けた鬼が、最後にもう戦わなくていいと赦される。この対比が、最後のセリフ回りの核心だと私は考えています。
おもしろいのは、その言葉が誰かを打ち負かすための言葉ではないところ。戦いの決着をつけたのは刃ですが、猗窩座の心の決着をつけたのは赦しの言葉でした。武で勝てなかった相手に、言葉が届いてしまう。敵役の最期としては、かなり珍しい閉じ方です。
正確な言い回しは、原作単行本18巻で確かめられます。読む人の心の状態によって刺さる言葉が変わる、そんな余白のあるシーンです。
アニメ・劇場版で見られる範囲
猗窩座の最後は、映像でも決着まで描かれています。劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来は、2025年7月18日に公開されました。炭治郎・義勇と猗窩座の戦いから、その最期までが描かれています。
猗窩座を演じるのは石田彰さんです。鬼としての凄みと人間・狛治の切なさが同居する二面性が、石田さんの声でより立体的になっていました。
劇場版の内容やビジュアル面の見どころは、劇場版 無限城編 第一章「猗窩座再来」のレビュー記事で詳しく扱っています。
テレビアニメの竈門炭治郎 立志編から柱稽古編までは各種配信サービスで視聴でき、無限城に至るまでの流れを追えます。
第一章を見返す方法
第一章のBlu-ray&DVDは2026年7月29日に発売されました(劇場版「鬼滅の刃」無限城編 公式サイト)。
手元で何度も見返すなら、通常版のBlu-rayがあります。
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炭治郎・義勇との決着から、恋雪と再会する最期の場面までを見返せます。
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動画配信サービスでは、2026年10月時点で第一章の見放題配信を確認できていません。テレビアニメのシリーズは配信で追えますが、劇場版の配信は時期によって変わります。
第一章の続きはどこから描かれる?
第一章が猗窩座の決着(18巻157話)まで進んだので、続く第二章はその先から始まる計算になります。
原作は全23巻・205話で完結済みです。無限城で残っている戦いもその結末も、単行本ですべて確かめられます。映画を待たずに先へ進みたいなら、18巻の続きから読むのが早道です。
ただし、第二章・第三章の公開日やタイトルは2026年10月時点で公式から発表されていません。「公開日決定」といった情報を見かけても、公式サイトや公式アカウントに記載のないものは噂です。
続報は公式サイトや公式X(@kimetsu_off)で発表されます。
猗窩座の最後が泣ける理由|狛治と恋雪の過去
猗窩座の最後が泣けるのは、人間時代の狛治が恋雪を守れなかった過去を背負っているからです。

人間時代|狛治の壮絶な過去
猗窩座の人間時代の名は狛治といいます。原作の回想で描かれるのは、病を抱えた父を養うために罪を重ねてしまう少年の姿でした。
父のために手を汚し続けた末に捕まり、そんな息子の姿に心を痛めた父を失ってしまう。自分のせいで父を追い詰めてしまったという後悔が、狛治の心に消えない傷を残しました。
父を失い、自暴自棄になった狛治は荒れた日々を送ります。その彼を救ったのが、次の見出しで触れる恋雪との出会いでした。
もともとは家族思いの、まっすぐな心を持った少年だった。この事実を知っているかどうかで、猗窩座という鬼の見え方は大きく変わってきます。
そしてこの「守れなかった」という感覚こそが、後の猗窩座を突き動かす原動力になります。強くなりたいという願いは、はじめから誰かを傷つけるためのものではなかった。その願いがねじれてしまった先に鬼としての猗窩座がいる、という構造なんですね。
恋雪との出会いと悲劇
荒れていた狛治に手を差し伸べたのが、武術道場の師範・慶蔵でした。慶蔵は病を抱える娘のためにも、と狛治を弟子に迎え入れます。その娘こそが恋雪です。
狛治は道場で武術に打ち込み、やがて恋雪と心を通わせ、二人は将来を誓い合う仲になります。ようやく手にした穏やかで温かい日々は、狛治にとって人生でいちばん幸せな時間だったはずです。
しかし、その幸せは残酷な形で断ち切られます。狛治の腕を妬んだ隣の道場の者が道場の井戸に毒を入れ、慶蔵と恋雪を毒殺してしまうのです。
大切な人を再び、しかも理不尽に奪われた狛治は激昂し、加害者側に自らの手で報復します。この惨劇をきっかけに、狛治は鬼舞辻無惨によって鬼へと変えられ、猗窩座となっていきます。
無惨の最期や鬼の始まりは、鬼舞辻無惨の最後と結末を解説した記事で詳しく扱っています。
見落とせないのは、鬼になった猗窩座がこの過去を「覚えていない」点です。無惨の血によって鬼になった彼は、恋雪も師範も父のことも忘れたまま、ただ強さだけを追い続けます。
失った記憶の分だけ、空いた穴を強さで埋めようとしていた。無限城で記憶が戻る場面がこれほど効くのは、この長い空白があったからです。
女を攻撃しない理由
鬼となった猗窩座には、戦いの中で貫き続けた一つの信条がありました。それが「女を攻撃しない」というものです。強さを求め続けた猗窩座が、なぜか女性には手を出そうとしない。その理由は恋雪の存在にあったと考えられています。
記憶を失ってもなお、恋雪を守れなかった悔恨が猗窩座の奥底に信条として刻まれていた。そう読むと、あの頑ななまでのこだわりが切なく響いてきます。
本人も理由を思い出せないまま貫いていた信条の根っこに、失った恋雪への想いがあった。これも、猗窩座の最後が泣ける理由に直結する伏線です。
記憶は消えても、想いだけは残っていた。無惨に与えられた鬼の体の中で、狛治だった部分がわずかに生き延びていた証が、この信条なのだと私は思います。最期に恋雪と再会できたのは、偶然の救済ではなく、ずっと消さずにいたものへの答えに見えます。
上弦の参としての強さ
上弦の参としての猗窩座の戦闘力は、鬼の中でも屈指です。武器に頼らず肉体一つで柱と渡り合う体術の使い手で、相手の闘気を読み取って攻撃を先読みする戦い方を得意とします。
このスタイルは、人間時代に武術道場で磨いた技の延長線上にあります。無限城で炭治郎が「透き通る世界」に到達してようやく渡り合えたことからも、その実力がうかがえます。
無限列車編で炎柱・煉獄杏寿郎を追い詰めたのもこの実力ゆえです。強さへの純粋な渇望は、猗窩座というキャラクターの一本芯の通った個性になっています。
その強さの化身のような鬼が、最後に「強くなること」そのものを手放して自壊を選ぶ。この落差が、より一層胸に迫るのだと思います。
十二鬼月の中での猗窩座の立ち位置
猗窩座が属していた十二鬼月は、無惨が直属の配下として選んだ精鋭の鬼の集まりです。上弦六体・下弦六体の計十二体で構成され、序列を示す数字が目に刻まれています。
上弦は両目に、下弦は片目にというのが見分け方。上弦の壱が黒死牟、弐が童磨、参が猗窩座という並びで、猗窩座は上から三番目でした。
上弦の鬼は柱三人分以上の強さとされ、鬼殺隊の最強クラスの剣士でも苦戦する相手です。十二鬼月には「入れ替わりの血戦」という制度もあり、下位の鬼が上位に挑んで勝てば序列が入れ替わりました。
上弦の顔ぶれが長く変わらなかったことからも、その壁の高さが伝わってきます。柱の実力差は、鬼滅の刃 柱の強さを比較した考察記事で掘り下げています。
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猗窩座の最後に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 猗窩座の最後は原作の何巻に描かれていますか?
A. 決着が描かれるのは単行本18巻です。無限城での戦い全体は、17巻146話あたりから18巻157話「舞い戻る魂」までです。巻でいうと「17巻後半から18巻」になります。
Q2. 猗窩座は結局、誰に倒されたのですか?
A. 直接戦ったのは竈門炭治郎と冨岡義勇で、討伐した隊士としては炭治郎(義勇も参戦)という形で扱われます。ただし猗窩座は頸を斬られても再生しようとし、最終的には自ら再生をやめて崩れました。
Q3. 猗窩座の最後は映画でも見られますか?
A. はい。劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来(2025年7月18日公開)で決着まで描かれました。Blu-ray&DVDは2026年7月29日に発売されました。
Q4. 猗窩座の声優は誰ですか?
A. 石田彰さんです。鬼としての冷たさと、人間時代の狛治の切なさが同じ声で表現されるので、記憶が戻る場面の落差がとても効いてきます。
Q5. 猗窩座の最後の続き(無限城編の第二章)はいつ公開されますか?
A. 2026年10月時点で、第二章・第三章の公開日やタイトルは公式から発表されていません。続きの内容そのものは、原作(全23巻・205話で完結)で先に読めます。
猗窩座の最後まとめ
猗窩座の最後のほかにも、鬼滅の刃には柱や上弦の鬼の生死・結末を解説した記事が揃っています。鬼滅の刃 考察まとめで全記事を一覧にしているので、あわせてどうぞ。
倒すべき鬼でありながら、その最期に涙してしまう——猗窩座はそんな稀有な敵役だと思います。強さに囚われ続けた鬼が、最後にもう戦わなくていいのだと赦されて人間・狛治に戻る。
頸を斬られた時点ではまだ終わっていなくて、無惨の鬼であることを自分でやめた瞬間にようやく決着がつく。その順番を意識して読み返すと、無限城の決着がまるで違う色合いに見えてきます。


