ドラマ『はだかんぼうたち』は、2026年10月3日からテレビ朝日の「オシドラサタデー」枠で放送中です。主演は松田元太さん(Travis Japan)で、テレビ朝日のドラマでは初主演になります。
ただ、この作品でいちばん引っかかるのは主演俳優ではなく原作のほうかもしれません。原作は江國香織さんの長編小説で、刊行は2013年。直木賞作家の恋愛群像劇が、初めて映像化されました。
この記事では、原作小説の結末は書きません。当サイトは本編を実際に読んで確かめられた範囲を超えて結末を断定しない方針で、今回はそこに届いていないためです。
はだかんぼうたちのドラマ版キャストとスタッフ

物語の中心にいるのは、次の3人です。主人公の鯖崎涼と、彼が行き来することになる女性2人です。
| 俳優 | 役名 | 公式の役どころ |
|---|---|---|
| 松田元太 | 鯖崎涼(さばさき・りょう) | オーダーメイドの靴メーカーに勤める靴職人兼販売員。自分の工房を持つのが夢 |
| 加藤ローサ | 筒井桃(つつい・もも) | 鯖崎より年上の歯科医。鯖崎とは「恋人もどきの関係」 |
| 大沢あかね | 堀田響子(ほった・きょうこ) | 桃の親友で3児の母。鯖崎が興味を示す相手 |
三角関係と書くと単純に聞こえますが、桃と響子は親友どうしです。この一点で、話はかなり厄介になっています。
鯖崎涼(松田元太)|”クズ”と言われても気にしない靴職人
松田元太さんが演じる鯖崎涼は、オーダーメイドの靴メーカーに勤める靴職人兼販売員。将来は自分の工房を持つのが夢、という設定です。ここだけ切り取ると、まっとうな職人の話に見えますよね。
ところが役紹介はそのあとが強烈です。興味を持った女性には、恋人や配偶者がいるかどうかに関係なく接近すると書かれています。
周囲から「遊び人」「クズ」などと揶揄されても、本人はまったく気にしていないとまで明記されています。役紹介の段階でここまで書くのは珍しいです。
松田さん本人のコメントも、その線に沿ったものになっています。「人間味がありすぎるキャラクター」と表現したうえで、どうか嫌いにならないでくださいと付け加えているんですね。演じる側からして、視聴者に嫌われる前提で立っている役だということです。
筒井桃(加藤ローサ)と堀田響子(大沢あかね)|親友どうしのWヒロイン

加藤ローサさんが演じる筒井桃は歯科医。テレビ朝日の公式あらすじでは、鯖崎にとって10歳年上で、都合の良い「恋人もどきの関係」の相手と説明されています。
大沢あかねさんが演じる堀田響子は、その桃の親友で3児の母。つまり鯖崎は、付き合っている女性の親友に手を伸ばそうとしていることになります。公式は鯖崎が「欲望のままに2人の間を揺れ動く」と書いていて、遠回しな表現をまったくしていません。
2人のコメントに共通するのは、江國香織さんの名前への反応です。加藤さんは、10代のころに出演した映画『東京タワー』を引き合いに出しています。ようやく江國さんの世界観をかみしめられる年齢になったという趣旨です。
大沢さんも、江國作品に関われるとは思っていなかった、と驚きを示しています。
石羽拓(髙木雄也)ほか、後から発表されたキャスト
桃の婚約者・石羽拓(いしわ・ひらく)役は、髙木雄也さん(Hey! Say! JUMP)です。大手不動産会社に勤めるエリートで、桃が鯖崎と出会ったあとも一途に桃を思い続ける役どころです。
鯖崎と桃・響子を取り巻く人物として、次の6人も出演しています。
- 奈良橋匠(平子祐希):鯖崎が働くオーダーメイド靴工房のオーナー
- 水崎葉月(片岡凜):鯖崎と浅からぬ因縁を持つ女性
- 石羽みな子(白宮みずほ):石羽拓の妹
- 堀田隼人(淵上泰史):響子の夫
- 筒井陽(伊藤歩):桃の姉。鯖崎と同じシェアハウスで暮らすフリーライター
- 筒井由紀(萬田久子):桃と陽の母親
人物どうしの関係は、番組公式サイトの「相関図&キャスト」で図になっています。
スタッフ|脚本・監督と、インティマシーコーディネーター
公式サイトのスタッフページに載っている顔ぶれは次のとおりです。
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 原作 | 江國香織『はだかんぼうたち』(角川文庫) |
| 脚本 | 大北はるか |
| 監督 | 久万真路/長尾くみこ/若林将平 |
| 音楽 | 近谷直之 |
| プロデューサー | 残間理央(テレビ朝日)/島本講太(ストームレーベルズ)/岡美鶴(ソケット) |
| インティマシーコーディネーター | 西山ももこ |
| 制作 | 制作協力:ソケット/制作著作:テレビ朝日、ストームレーベルズ |
インティマシーコーディネーターが立っていることの意味
スタッフ表で目を引くのがインティマシーコーディネーターの記載です。性的な描写や身体的接触を伴うシーンで、俳優と制作側のあいだに立って合意形成と安全確保を担う職種ですね。
スタッフ表に明記されているので、そういう場面がある前提で作られていると読めます。タイトルが『はだかんぼうたち』で、キービジュアルは上半身裸の主人公です。察しはつきますが、体制として置かれている点は押さえておいていいと思います。
放送枠と配信|どこで見られる?
放送はテレビ朝日系24局の「オシドラサタデー」枠で、2026年10月3日から放送中です。
放送済みの第1話〜第3話は、次のような流れです。
- 第1話(2026年10月3日):靴職人の鯖崎は、交差点で見かけた桃に目を奪われる。同じ日、店には結婚式で履く靴を頼みに石羽拓が来る。鯖崎はまだ、桃が石羽の婚約者だと知らない
- 第2話(2026年10月10日):鯖崎はすれ違いざまにメモを渡し、桃をシェアハウスへ誘う。やがて、靴を頼んできた石羽が、交差点で桃の隣にいた男だと気づく
- 第3話(2026年10月17日):鯖崎と朝を迎えた桃は、「結婚」への違和感と向き合い始める。そんな中、鯖崎は突然、他人事のような冷たい態度を見せる
見逃したときの配信先
見逃し配信は、テレビ朝日公式サイトのバナーからTVerの本作専用のシリーズページに入れます。
TELASA(テラサ)では、第1話から最新話まで本編が配信されています(2026年10月時点)。
公式が出している映像
TELASAでは、撮影の裏側を収めた「スペシャルメイキング」第1弾が2026年10月10日から配信されています。
髙木雄也さん主演のスピンオフ『はだかんぼうたち Another Story』も、前編が2026年10月17日から配信中です。石羽の目線で、桃との出会いから婚約に至るまでを描くサイドストーリーで、後編の配信も決まっています。
放送前の時点で、テレ朝ドラマ公式チャンネルが出しているのは主演・松田元太さんのインタビュー動画です。
原作は江國香織の長編小説|どんな話でどこで読める?

原作は、江國香織さんが2013年に刊行した長編恋愛小説です。いまは角川文庫版(KADOKAWA)で読めます。
2013年に刊行された恋愛群像劇
単行本の刊行は2013年3月26日です(KADOKAWA・四六判・376ページ)。
テレビ朝日とKADOKAWAは、共通の文面でこの作品を説明しています。年齢も境遇も異なる男女の「孤独と愛」を赤裸々に描いた大人の群像劇です。
角川文庫版の内容紹介を読むと、登場人物の関係がもう少し具体的に見えてきます。
- 歯科医の桃が、入籍間近と思われていた恋人と別れ、年下の鯖崎と付き合い始める
- その鯖崎が、桃の親友である主婦・響子にも興味を示す
- 響子の側には、母親の急死と、それをきっかけにした夫との衝突がある
恋愛の話でありながら、家族と死の話でもある。文庫の紹介文にある「終わりも答えもない恋愛の真実」という一文が、この小説の立ち位置をよく表しているように思います。
角川文庫版で読める|ページ数と価格
いま手に入れやすいのは角川文庫版です。KADOKAWA公式の書誌情報は次のとおりでした。
| 版 | 刊行 | ページ数 | 定価 |
|---|---|---|---|
| 単行本 | 2013年3月26日 | 376ページ | 1,650円(税込) |
| 角川文庫 | 2016年1月23日 | 384ページ | 1,122円(税込) |
1冊で完結する長編なので、ドラマの最終回を待たずに最後まで読み切れます。全何巻あるのか、どこまで刊行されているのか、といった心配は要りません。
電子書籍版は確認できなかった
電子書籍版は確認できませんでした。KADOKAWAの商品ページは紙書籍のタブだけで、系列のBOOK☆WALKERで検索しても本作は出てきません。コミックシーモアにも配信はありませんでした。
つまりいまのところ紙で読む前提の作品ということになります。
ドラマと原作はどこが違う?
公表されている範囲でも、はっきり違うと言える点が1つあります。
原作は群像劇、ドラマは鯖崎が主人公
テレビ朝日とKADOKAWAの公式メディア「カドブン」は、同じ文面で説明しています。原作は「群像劇」、ドラマは「鯖崎涼を中心にした、危険な大人の三角関係」を描くという書き方です。
テレビ朝日公式サイトのインタビュー記事でも、鯖崎を主人公に据えて連続ドラマ化するという前提で質問が組まれていました。
群像劇というのは、複数の人物を等しい重みで描く形式のことです。ドラマはそれを1人を軸にした構成へ組み替えているので、原作を読んだ方は「誰の分量が削られたか」が気になりそうです。
逆に言えば、ドラマだけを見た人と原作を読んだ人では、この物語の主役が違って見える可能性があります。
桃と鯖崎の年齢差の書き方がずれている
角川文庫の内容紹介では、桃は35歳で鯖崎は「9歳下」と書かれています。いっぽうテレビ朝日の公式あらすじでは、桃は鯖崎の「10歳年上」と表現されています。
1歳ぶんずれているんですね。ドラマ化にあたって年齢設定を動かしたのか、単に表現を丸めただけなのかは公式が説明していないので分かりません。
江國香織はどんな作家?
原作者の江國香織さんは1964年、東京の生まれ。2004年に『号泣する準備はできていた』で直木賞を受賞した作家です。ほかに受けた主な賞は次のとおりです。
- 坪田譲治文学賞
- 紫式部文学賞
- 山本周五郎賞
- 島清恋愛文学賞
- 中央公論文芸賞
- 川端康成文学賞
- 谷崎潤一郎賞
その江國さん自身が、今回の映像化について意外でしたと述べているのが面白いところです。「比較的地味な小説だと思うので」という理由まで添えられています。そのうえで、鯖崎と桃と響子の「生身を見てみたい」という好奇心が湧いた、と続けているんですね。
さらに江國さんは、原作の核を自由で孤独な人たちと、不自由で幸福な人たちの対比だと表現しています。作者本人がここまで明快に読みどころを示すことは多くないので、ドラマを見るときの補助線として覚えておくと効きそうです。
ドラマを待たずに結末まで読みたい方のために、原作の角川文庫版を置いておきます。
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原作を先に読んでからドラマを見る派の方には、同じ秋クールの作品の記事もあわせてどうぞ。
- 妻を引退しますのドラマ版キャストと原作:webtoonが原作の不倫復讐ドラマ
- 私がひとりで生きてくなんてのドラマ版:漫画が原作の作品
原作の媒体が違うと、映像化で削られる部分の性質も変わってきます。見比べると分かって面白いですよ。
はだかんぼうたちに関するよくある質問(FAQ)
Q1. はだかんぼうたちの原作は漫画ですか?
A. 漫画ではありません。江國香織さんの長編小説で、2013年3月に単行本、2016年1月に角川文庫版が刊行されています。コミカライズ版は確認できませんでした。
Q2. ドラマ版のキャストは誰ですか?
A. 主演は松田元太さん(鯖崎涼役)です。筒井桃役は加藤ローサさん、石羽拓役は髙木雄也さん、堀田響子役は大沢あかねさんです。ほかに平子祐希さん、片岡凜さん、白宮みずほさん、淵上泰史さん、伊藤歩さん、萬田久子さんが出演しています。
Q3. どこで放送・配信されますか?
A. テレビ朝日系24局の「オシドラサタデー」枠で、2026年10月3日から放送されています。見逃し配信はTVer、本編の配信はTELASAで行われています(2026年10月時点)。
Q4. 原作は電子書籍で読めますか?
A. 確認できませんでした。KADOKAWA公式の商品ページは紙書籍のみで、BOOK☆WALKERやコミックシーモアにも配信が見当たりません。現状は紙の角川文庫版で読む形になります。
Q5. 原作とドラマでは何が違いますか?
A. 公式は原作を「群像劇」と呼び、ドラマは鯖崎涼を中心にした三角関係を描くと説明しています。複数人を等しく描く原作に対し、ドラマは1人を軸にした構成になります。
まとめ|はだかんぼうたちのキャストと原作
2026年秋にアニメ化・ドラマ化された作品の原作記事は2026年秋アニメ・ドラマ原作まとめで一覧にしています。
『はだかんぼうたち』について、公式で確認できることを整理しました。
- 主演は松田元太(鯖崎涼役)。テレビ朝日のドラマでは初主演で、Wヒロインは加藤ローサ(筒井桃役)と大沢あかね(堀田響子役)
- 桃の婚約者・石羽拓役は髙木雄也。ほかに平子祐希・片岡凜・白宮みずほ・淵上泰史・伊藤歩・萬田久子が出演
- 脚本は大北はるか、監督は久万真路・長尾くみこ・若林将平。インティマシーコーディネーターがスタッフ表に明記されている
- テレビ朝日系24局の「オシドラサタデー」枠で、2026年10月から放送中。見逃し配信はTVer、本編はTELASA(スピンオフ『Another Story』も配信)
- 原作は江國香織の長編小説。2013年刊行で、いまは角川文庫版(384ページ・1,122円)で読める。電子書籍版は確認できず
- 公式は原作=群像劇/ドラマ=鯖崎中心と説明している
- 原作の結末は、当サイトでは書いていない
原作者本人が「地味な小説」と言い、それでも登場人物の生身が見たいと言った作品です。1冊で完結する長編なので、ドラマと並行して読み進める手もありますよ。
