「君の膵臓を食べたい」。図書室の書庫で、クラスメイトの山内桜良は「僕」にそう告げます。
住野よるさんのデビュー作『君の膵臓をたべたい』は、余命わずかな桜良と「僕」の物語です。始まりは、病院で拾った一冊の日記「共病文庫」でした。2017年に実写映画、2018年に劇場アニメにもなりました。
記事のポイント
- タイトルの言葉は、桜良の遺書と「僕」の最後のメールの両方に出てくる
- 「僕」の名前は、桜良の死後の終盤で初めて明かされる
- 原作の「僕」は約1年後、恭子と一緒に桜良の墓参りに行く
- 実写映画は原作に無い12年後を足し、遺書を恭子の結婚式で渡す
君の膵臓をたべたいのネタバレ|桜良の最期と『僕』の名前
『君の膵臓をたべたい』は、膵臓の病気を隠して生きる山内桜良と、その秘密を知った「僕」の物語です。結末では桜良の最期が描かれ、それまで伏せられていた「僕」の名前が明かされます。

基本情報
『君の膵臓をたべたい』は、住野よるさんのデビュー作で、双葉社から刊行された小説です。2016年本屋大賞で2位に入りました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 住野よる(デビュー作) |
| 出版社 | 双葉社 |
| 単行本 | 2015年6月 |
| 文庫 | 双葉文庫/2017年4月27日発売 |
| イラスト | loundraw |
| 漫画版 | 桐原いづみ/月刊アクション2016年10月号から連載・上下巻 |
| 実写映画 | 2017年7月28日公開/監督・月川翔 |
| 劇場アニメ | 2018年9月1日公開/監督・牛嶋新一郎 |
累計発行部数は、2020年8月までに300万部を超えました。文庫の情報は双葉社の作品ページにまとまっています。
文庫版は双葉文庫から出ています。
主な登場人物
物語の中心は、語り手の「僕」と、膵臓の病気を抱える山内桜良の2人です。桜良の親友の恭子と、「僕」に話しかけてくるクラスメイトが脇を固めます。
「僕」
他人と深く関わることを、なるべく避けて生きている高校生です。読書が好きで、図書委員をしています。
病院で拾った「共病文庫」で、桜良の秘密を知ってしまいます。桜良からは【秘密を知ってるクラスメイト】くんと呼ばれ、名前は物語の終盤まで出てきません。
山内桜良
「僕」のクラスメイトです。膵臓の病気で余命いくばくもありませんが、そのことを家族以外には知らせていません。
明るく、好奇心の強い性格です。病気のことは「共病文庫」と題した日記帳にひそかに綴っていました。
恭子
桜良の幼なじみで親友です。いつも桜良を保護者のように見守り、彼女を傷つけそうな相手は近づけません。気の強い性格です。
ガム君
「僕」と桜良が知り合ってから、「僕」に話しかけるようになったクラスメイトです。会話をすると、なぜかガムをくれようとします。
あらすじ
物語は、山内桜良の葬儀の日から始まります。
葬儀は、生前の桜良には似つかわしくない曇天の日に行われました。「僕」は前の晩の通夜にも行かず、ずっと家にいました。
高校生の「僕」は、ある日、病院で一冊の文庫本を拾います。タイトルは「共病文庫」。桜良がひそかに綴っていた日記帳で、膵臓の病気により余命がもういくばくもないと書かれていました。
図書委員の仕事で書庫の本を確かめていた「僕」に、桜良は「君の膵臓を食べたい」と言い出します。
昔の人は体の悪いところがあると、他の動物の同じ部分を食べたそうです。そうすれば病気が治ると信じられていた、というテレビで見た話からでした。
秘密を知った「僕」は、桜良と一緒に過ごすようになります。
結末のネタバレ
ここから先は、桜良の最期と物語の結末に触れます。
桜良は膵臓の病気で亡くなるのではなく、退院したその日に通り魔に刺されて亡くなります。そのあと「僕」は共病文庫を受け取り、桜良の遺書を読むことになります。
桜良の最期
桜良の命を終わらせたのは、病気ではありませんでした。入院を終えて退院した日に、桜良は通り魔に刺されて亡くなります。
共病文庫と遺書
桜良の死後、「僕」は桜良の母から共病文庫を受け取ります。日記の中には、桜良の遺書が書かれていました。
病気の秘密を知るきっかけになった一冊が、最後には桜良の言葉を「僕」に届けるものになります。
「僕」の名前が明かされる意味
「僕」の名前は志賀春樹です。この名前が初めて明かされるのは、桜良の死後、物語の終盤に入ってからです。
それまでの「僕」は、桜良から【秘密を知ってるクラスメイト】くんのように呼ばれてきました。
1年後の恭子と墓参り
原作の「僕」は、高校生のうちに桜良の遺書を読みます。そして約1年後、恭子と友達になり、2人で桜良の墓参りに行きます。
実写映画は、この恭子との結末を大きく変えています。
タイトルの意味
タイトルの言葉は、物語の最後に2人の言葉として出てきます。桜良は共病文庫の遺書にこの言葉を書き、「僕」も桜良への最後のメールで同じ言葉を送っていました。
最初にこの言葉が出てくるのは、書庫の場面です。悪いところと同じ部分を食べると病気が治る、という昔の言い伝えを踏まえた、桜良の言葉でした。
君の膵臓をたべたいのネタバレ考察と映画・アニメとの違い
実写映画(2017)は原作に無い12年後の場面を足し、遺書の渡し方を変えています。劇場アニメ(2018)は、高校時代の「僕」と桜良の物語として描かれました。

実写映画(2017)
実写映画は、原作には無い登場人物たちの12年後を付け足しています。遺書を読む時期と、それが恭子に届く形が原作と違います。
2017年7月28日に公開され、監督は月川翔さんです。興行収入は35.2億円で、2017年の邦画実写で2位でした。主な配役は次のとおりです。
- 山内桜良:浜辺美波
- 「僕」(高校時代):北村匠海
- 「僕」(12年後):小栗旬
- 恭子(12年後):北川景子
12年後の「僕」は、高校の国語教師として母校に赴任しています。そして桜良が遺した手紙(遺書)を、恭子の結婚式へ届けます。
原作との違いは次のとおりです。
| 項目 | 原作 | 実写映画 |
|---|---|---|
| 遺書を読む時期 | 高校生のうち | 12年後 |
| 恭子との結末 | 約1年後に友達になり、一緒に墓参り | 恭子の結婚式で遺書を渡す |
| 12年後の場面 | 無い | 教師になった「僕」が登場 |
原作者の住野よるさんは、映像化を原作とは別物と捉え、「原作を元にした、あったかもしれない話」という感覚だと考えています。本人の言葉は住野よるさんのnoteで読めます。
劇場アニメ(2018)
劇場アニメは2018年9月1日に公開されました。実写映画の翌年に、同じ小説をアニメ映画にした作品です。
- 監督・脚本:牛嶋新一郎
- アニメーション制作:スタジオヴォルン
- 配給:アニプレックス
- 「僕」の声:高杉真宙
- 山内桜良の声:Lynn
物語は、高校時代の「僕」と桜良を中心に描かれます。劇場の来場者特典には、原作小説の未来を描いた書き下ろしの小説『父と追憶の誰かに』が用意されました。
君の膵臓をたべたいに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 桜良の死因は何ですか?
A. 膵臓の病気ではなく、通り魔に刺されたことです。入院を終えて退院したその日に亡くなります。
Q2. 「僕」の名前は何ですか?
A. 志賀春樹です。桜良の死後、物語の終盤に入ってから初めて明かされます。
Q3. 桜良が亡くなったあと、「僕」はどうなりますか?
A. 桜良の母から共病文庫を受け取り、そこに書かれた遺書を読みます。原作では約1年後、恭子と友達になって一緒に墓参りに行きます。
Q4. 原作と実写映画の結末はどう違いますか?
A. 実写映画には、原作に無い12年後の場面があります。教師になった「僕」が桜良の遺書を、恭子の結婚式で渡します。原作の「僕」は高校生のうちに遺書を読みます。
Q5. 「君の膵臓をたべたい」というタイトルの意味は?
A. 最初は、悪いところと同じ部分を食べると病気が治るという言い伝えを踏まえた、桜良の言葉です。最後には、桜良の遺書と「僕」の最後のメールの両方に、この言葉が出てきます。
君の膵臓をたべたいのネタバレまとめ
『君の膵臓をたべたい』のネタバレの要点は次のとおりです。
- 「僕」は病院で桜良の日記「共病文庫」を拾い、膵臓の病気の秘密を知る
- 桜良は退院した日に通り魔に刺されて亡くなる
- 「僕」は桜良の母から共病文庫を受け取り、遺書を読む
- 「僕」の名前は志賀春樹で、桜良の死後の終盤に明かされる
- タイトルの言葉は、桜良の遺書と「僕」の最後のメールの両方に出てくる
- 原作の「僕」は約1年後、恭子と友達になって一緒に墓参りに行く
- 実写映画は12年後を足し、教師になった「僕」が遺書を恭子の結婚式で渡す

