兄の無罪を信じて九州から上京した柳田桐子は、高名な弁護士・大塚欽三に調査を頼みますが、すげなく断られます。兄は汚名を着たまま獄死し、桐子の大塚への復讐が始まります。
最後に大塚は桐子の訴えに反論できず、弁護士としての信用と地位を失います。原作では、真犯人が明かされないまま物語が終わります。
記事のポイント
- 弁護を断られた桐子の兄は獄死し、大塚への復讐が始まる
- 桐子は、大塚の愛人・径子の無実を証言できるのに拒む
- 大塚は桐子の訴えに反論できず、信用と地位を失う
- 原作では真犯人が明かされず、逮捕もされないまま終わる
霧の旗のネタバレ|桐子が大塚に仕掛けた復讐
ここから先は、『霧の旗』の結末と真犯人に触れます。
桐子は、大塚の愛人・径子の無実を証言できるのに拒みます。さらに大塚を自室に呼び、翌日、検事宛ての手紙で大塚を訴えます。

霧の旗はどんな小説か|松本清張の復讐劇
『霧の旗』は、松本清張の小説です。1961年に中央公論社から刊行され、新潮文庫と角川文庫にも入っています。
作品の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作者 | 松本清張 |
| 刊行 | 1961年(中央公論社) |
| 新潮文庫 | 新潮文庫版は1972年2月発売。電子書籍は2012年8月に配信開始 |
| 角川文庫 | 1994年12月発売 |
法と裁判制度とは何かを問い、その限界を鋭く突いた作品です。
冒頭は上京した桐子が弁護士を訪ねる場面
物語は、柳田桐子が朝十時に神田の旅館を出るところから始まります。桐子は二十歳で、会社のタイピストです。
北九州のK市を発ち、二十時間も汽車に揺られて、前の晩おそく東京駅に着いたばかりでした。
目当ては、刑事事件で一流と聞いた弁護士・大塚欽三です。会えば事件を引き受けてくれるものと、桐子は思い込んでいました。
通る人に道を訊き、六人目の学生に教わって、ようやく丸の内の大塚欽三法律事務所の看板を見つけます。
原作の小説は新潮文庫で読めます。
兄の弁護を断られ、桐子の復讐が始まる
桐子の兄は殺人の疑いで捕まり、死刑の判決を受けていました。兄の無罪を信じる桐子は大塚に調査を頼みますが、すげなく断られます。
桐子は高額な弁護料を払えず、兄は汚名を着たまま獄死します。ここから、桐子の大塚弁護士への執拗な復讐が始まります。
径子の事件で桐子は証言を拒む
大塚の愛人・河野径子に、殺人の疑いがかかります。径子の無実を証言できる立場にいたのが、桐子でした。
大塚の愛人・径子に殺人の疑いがかかる
ある男が殺された事件の現場で、径子と桐子は顔を合わせます。
桐子は現場に落ちていたライターを隠し、径子の手袋を残していきます。やがて径子に、殺人の疑いがかかります。
ライターを持つ桐子は径子に会っていないと言い張る
証拠のライターを持ち、現場で径子に会ってもいる桐子。それでも桐子は、径子には会っていないと言い張ります。
大塚は桐子に、径子の無実を証言してほしいと頼み込みます。けれども、桐子は証言を拒み続けます。
霧の旗の結末|大塚は信用と地位を失う
結末で桐子は大塚を自室に呼び、翌日、検事宛ての手紙で大塚を訴えます。大塚は反論できず、弁護士としての信用と地位を失います。
大塚を自室に呼び、翌日に検事へ訴える
桐子は大塚を自室に呼び、関係を持ちます。
翌日、桐子は検事宛てに手紙を送ります。大塚に偽証を強要され、関係を強いられたという訴えです。
反論できない大塚は信用を失う
大塚は、手紙の内容に反論できません。高名な弁護士だった大塚は、こうして弁護士としての信用と地位を失います。
霧の旗の真犯人は誰か|原作では明かされない
原作では、真犯人は最後まで明かされず、逮捕もされません。
手がかりは犯人が左利きという点
兄が罪を着せられた事件と、径子が疑われた事件。2つの事件の犯人は同じ人物らしく、手がかりは犯人が左利きという点です。
真相が語られないまま物語は終わる
原作には、真犯人が捕まる場面も、真相が語られる場面もありません。兄の事件も径子の事件も、真犯人が分からないまま幕を閉じます。
霧の旗のネタバレ考察と映画・ドラマの違い
『霧の旗』は1965年と1977年に映画になり、テレビドラマとしても何度も映像化されています。版によって、桐子の家族や舞台の設定が変わります。

桐子の復讐が理不尽に見える理由
桐子の復讐が理不尽に見えるのは、矛先が兄の事件の真犯人ではなく、弁護を断った大塚に向くからです。
しかも復讐の途中で、無実の径子が殺人の疑いをかけられます。その無実を証言できる桐子は、証言を拒みます。
松本清張の作品なら、一年半待てのネタバレと結末もどうぞ。
霧の旗の歴代キャスト|映画とドラマ
桐子役は、映画では倍賞千恵子と山口百恵、ドラマでは星野真里や堀北真希が演じています。
| 作品 | 主な出演(役) |
|---|---|
| 映画(1965年・松竹) | 倍賞千恵子(桐子)・滝沢修(大塚欽三)ほか。監督は山田洋次 |
| 映画(1977年・東宝) | 山口百恵(桐子)・三浦友和(阿部啓一)・三國連太郎(大塚)・関口宏(柳田正夫)ほか。監督は西河克己 |
| ドラマ(古谷一行版) | 星野真里(桐子)・古谷一行(大塚)・多岐川裕美(径子)・池内万作(兄の柳田)ほか |
| ドラマ(2010年・日本テレビ) | 市川海老蔵・相武紗季・戸田菜穂・東貴博ほか |
| ドラマ(2014年・テレビ朝日系) | 堀北真希(桐子)・椎名桔平(大塚)・木村佳乃・高橋克実・橋爪功ほか |
歴代の桐子役の女優
桐子を演じた女優は、次のとおりです。
- 倍賞千恵子(1965年の映画)
- 山口百恵(1977年の映画)
- 星野真里(古谷一行が大塚を演じたドラマ)
- 堀北真希(2014年のドラマ)
このほか、大竹しのぶもヒロインを演じています。
BS11で放送された古谷一行と星野真里の版
2026年11月6日、BS11の松本清張シリーズで『霧の旗』が放送されました。出演は古谷一行、星野真里、風間トオルらです。
このドラマでは、兄の柳田の地元が青森になっています。大塚は1年前、桐子からの弁護の依頼を断っていました。
生誕100年記念の2010年版
2010年3月に日本テレビで放送されたドラマは、松本清張の生誕100年を記念したスペシャルドラマです。市川海老蔵、相武紗季らが出演しました。
原作と映画・ドラマのラストの違い
大塚が敗れる大筋は、1965年の映画も原作と同じです。2014年のドラマは、汚名を着て死ぬのが兄ではなく弟という設定に変わっています。
1965年の映画も大塚の完敗で終わる
山田洋次監督、橋本忍脚色の1965年版でも、桐子は担当検事に訴え出ます。大塚から偽証を迫られたという訴えです。
こうして大塚は完敗します。
1977年の映画は阿部啓一の求婚が描かれる
西河克己監督の1977年版は、山口百恵と三浦友和のコンビで撮られたラブサスペンスです。
三浦友和が演じる「週刊社会」の編集記者・阿部啓一は、桐子に結婚まで申し込みます。それでも桐子は、復讐へと立ち上がります。
2014年のドラマは兄ではなく弟の設定
2014年12月7日にテレビ朝日系で放送されたドラマでは、堀北真希が桐子を、椎名桔平が大塚を演じました。
桐子は、知的障害のある弟の正夫と暮らしています。原作で汚名を着たまま死ぬ兄は、このドラマでは弟に置き換わっています。
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霧の旗に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 『霧の旗』の結末はどうなりますか?
A. 桐子は大塚を自室に呼び、翌日、検事宛ての手紙で大塚を訴えます。偽証を強要され、関係を強いられたという訴えです。大塚は反論できず、弁護士としての信用と地位を失います。
Q2. 『霧の旗』の真犯人は誰ですか?
A. 原作では最後まで明かされず、逮捕もされません。手がかりとして示されるのは、犯人が左利きという点です。
Q3. 原作と映画・ドラマでラストは違いますか?
A. 1965年の映画も、大塚が完敗する点は原作と同じです。2014年のドラマは、汚名を着て死ぬのが兄ではなく弟という設定です。
Q4. 歴代の桐子役の女優は誰ですか?
A. 映画では1965年に倍賞千恵子、1977年に山口百恵が演じました。ドラマでは星野真里や、2014年の堀北真希らが演じています。
Q5. BS11で放送された『霧の旗』の出演者は?
A. 古谷一行、星野真里、風間トオルらです。2026年11月6日に、BS11の松本清張シリーズで放送されました。
まとめ:霧の旗のネタバレと結末
『霧の旗』は、兄の弁護を断られた柳田桐子が、弁護士・大塚欽三に復讐する物語です。
- 兄は汚名を着たまま獄死し、桐子の復讐が始まる
- 桐子は、大塚の愛人・径子の無実を証言できるのに拒む
- 桐子は大塚を自室に呼び、翌日、検事宛ての手紙で訴える
- 大塚は反論できず、弁護士としての信用と地位を失う
- 原作では真犯人が明かされず、逮捕もされない
- 2014年のドラマは、兄ではなく弟という設定

