『薬屋のひとりごと』の原作小説は完結していません。書店に並んでいるいちばん新しい巻は、2025年5月30日に発売された第16巻です(2026年10月時点)。
1年以上次の巻が出ていないので、完結したと受け取られやすい作品です。しかも漫画は2種類あり、巻数を調べると16巻・17巻・22巻とバラバラの数字が出てきます。
この記事では、次の3点を確かめます。
- 原作小説がいまどういう状態にあるのか
- 何巻まで刊行されているのか
- 17巻の発売日は決まっているのか
漫画2作品とアニメの進み方の違いもあわせて扱います。
記事のポイント
- 原作小説は2026年10月時点で連載中=完結していない
- 刊行済みは第16巻まで(2025年5月30日発売・ヒーロー文庫)
- 17巻の発売日は出版社から公式発表されていない
- 小説・漫画2種・アニメで進んでいる位置がまったく違う
媒体ごとの刊行状況は次の表のとおりです。
| 媒体 | 出版社・レーベル | 著者・作画 | 既刊 | 直近巻の発売日 |
|---|---|---|---|---|
| 小説(原作) | イマジカインフォス(発売:主婦の友社)/ヒーロー文庫 | 日向夏(著)・しのとうこ(イラスト) | 16巻 | 2025年5月30日 |
| 漫画・ビッグガンガン版 | スクウェア・エニックス/月刊ビッグガンガン | ねこクラゲ(作画)・七緒一綺(構成) | 17巻 | 2026年7月24日 |
| 漫画・サンデーGX版 | 小学館/月刊サンデーGX | 倉田三ノ路(作画) | 22巻 | 2026年6月18日 |
| 外伝「小蘭回想録」 | スクウェア・エニックス | ― | 1巻 | ― |
同じ数字でも指しているものが違う。ここが『薬屋のひとりごと』という作品の、いちばんややこしいところです。
薬屋のひとりごとの小説は完結してる?刊行状況と最新刊
原作小説は完結していません。2026年10月時点でも連載が続いています。この章では、その根拠と刊行済みの巻数、17巻をめぐる状況、「完結した」という誤解が生まれやすい理由を扱います。

原作小説は完結していない
『薬屋のひとりごと』の原作小説は、まだ完結していません。刊行済みの最新巻・第16巻の紹介ページには、「完結」「最終巻」「完結記念」といった表記が一切ありません。
シリーズが終わる巻には、たいてい出版社がその旨を打ち出します。それが無いので、続きがある前提で刊行が続いていると考えるのが自然です。
コミカライズの進み具合からも裏が取れます。原作本体がどれだけ先を走っているかは、後の「誤解されやすい理由」で扱います。
最新刊は16巻
刊行済みで最も新しいのは、第16巻(2025年5月30日発売)です。発行はイマジカインフォス、発売は主婦の友社で、レーベルはヒーロー文庫です。
価格は836円(税込)、ページ数は328頁です。書誌情報は主婦の友社の公式書籍ページで確認できます。
この16巻には、同じ日に発売された特装版もありました。アニメ第1期のシナリオ集が付いた限定版で、価格は4,840円。アニメから作品に入った方が原作をそろえ始めるタイミングと重なった巻でもあります。
ヒーロー文庫版の1巻が出たのは2014年8月29日です。それ以前の2012年に、レイブックス版という旧版が1巻だけ刊行されていました。
ヒーロー文庫版は、その内容に加筆修正を加えた新しい版です。「1巻の発売日」の年号が食い違って見えるのはこのためです。
17巻の発売日は公式に発表されていない
第17巻の発売日は、出版社から正式に告知されていません(2026年10月時点)。ヒーロー文庫のシリーズページに載っている本編も16巻までです。
ネット上には「17巻は◯月ごろ発売予定」と書いた新刊通知サイトや予約案内サイトがいくつかあります。多くは過去の刊行ペースから割り出した予測値で、出版社が発表した日付ではありません。
予約を入れるなら、予測サイトの日付は鵜呑みにしないほうが安全です。
公式の続報は、まずヒーロー文庫の『薬屋のひとりごと』特設サイトと、原作公式アカウントの@kusuriya_oaに出ます。
「完結」と誤解されやすい理由
「完結した」という話が出回る理由は、3つ重なっています。
1つめは、媒体の混同です。この作品には漫画版が2種類あり、アニメもあります。アニメの1期・2期が終わったという話題と、原作小説の完結が混ざってしまうケースは珍しくありません。
2つめは、ファンの完結予想の一人歩きです。考察系のブログや掲示板では「18巻から20巻あたりで終わるのでは」という見立てがよく出てきます。
物語の展開から逆算した推測としては筋が通っていますが、出版社の発表ではなく、読者側の予想です。数字が具体的なぶん、事実として受け取られやすくなります。
3つめが、いちばん誤解をほどく材料です。対象は2026年7月24日発売のビッグガンガン版コミックス第17巻です。スクウェア・エニックス公式の商品ページは、この巻を「原作小説第4巻のクライマックスを収録」と書いています。
漫画17冊分をかけて、原作小説はまだ4巻分しか消化していません。原作本体は16巻まで進んでいるので、物語の先端は漫画のはるか先です。
「小説家になろう」のWeb版はいまどうなっている?
『薬屋のひとりごと』は、もともと小説投稿サイト「小説家になろう」で公開されていた作品です。作品ページはいまも削除されずに残っていて、読むこと自体はできます。
更新は事実上止まっているとみられます。ページ上部には最新エピソードの掲載日として2026年5月1日が表示されています。
ただ、各話の更新日はほとんどが2011年から2015年ごろの「(改)」で、既存原稿の推敲にあたる日付です。新しい話が追加された形跡とは考えにくいものでした。
ページ内の作者コメントには「ヒーロー文庫さんで現在十五巻まで出ております」という記述が残っています。書籍はすでに16巻まで出ているので、この説明文は少なくとも1巻分古いままです。
これは外から観察した推測で、断定はしません。確かなのは、物語の続きを追うなら書籍版(ヒーロー文庫)を読むしかないということです。Web版と書籍16巻までとでは、進んでいる距離があまりに違います。
Web版と書籍版は、同じ物語でも中身が同一ではありません。作者は書籍化にあたって、なろう版から加筆修正を行い、結末の方向性も変えたという趣旨の説明をしていたと伝えられています。
小説はどんな物語?猫猫が後宮の謎を解く筋書き
まだ読んだことがない方が、自分に合うかどうかを判断できる程度に作品の輪郭を書きます。
舞台は架空の中華風の大国。主人公は猫猫(マオマオ)という花街育ちの薬師の少女です。薬と毒への興味が人並み外れて強く、自分の腕に試し塗りをするような変わり者です。
その猫猫が、さらわれるような形で後宮に売られ、下女として働き始めるところから物語が動き出します。
後宮は華やかな場所であると同時に、権力と嫉妬が渦を巻く場所です。そこで起きる不可解な出来事に、猫猫は薬師の知識で説明をつけていきます。
この「毒と薬の知識で謎を解く」骨格が、作品を後宮もののミステリーとして成立させています。
彼女の才能に目をつけるのが、美しい宦官の壬氏(ジンシ)。猫猫は壬氏の侍女に引き立てられ、宮廷で起きる事件に関わっていきます。
猫猫の実父の羅漢(ラカン)、養父の羅門(ロオメン)など、彼女の出自に関わる人物も物語を進める鍵です。
1冊のなかで小さな謎がいくつも立ち上がり、解いていくうちに大きな流れが浮かび上がります。どの巻から読んでも一定の満足が得られる構造が、16巻まで続いてきた強さです。
薬屋のひとりごとの小説と漫画・アニメの進み方の違い
後半では、媒体ごとの位置関係を扱います。
- 漫画が2種類ある事情と、それぞれの巻数・収録範囲
- アニメがどこまで描いたのか
- 累計発行部数から見える作品の広がり
- 小説を電子書籍で読むときの選び方

漫画版は2種類ある|作画も収録範囲も別物
『薬屋のひとりごと』のコミカライズは、2つの出版社から、別々の作画担当で、同時に刊行されています。片方が終わってもう片方が始まったのではなく、どちらも現在進行形で続いている別作品です。
ビッグガンガン版(作画・ねこクラゲ)
スクウェア・エニックスの月刊ビッグガンガンで連載されているのが、原作と同じ『薬屋のひとりごと』のタイトルの系統です。
- 作画:ねこクラゲさん
- 構成:七緒一綺さん
- キャラクター原案:しのとうこさん(原作イラスト)
コミックスの最新刊は第17巻(2026年7月24日発売)で、価格は770円(税込)、判型はB6です。この巻には原作小説第4巻のクライマックスが収録され、楼蘭(ロウラン)が登場します。
17冊かけて原作4巻分という進行は、それだけ丁寧に描き込まれている証です。
サンデーGX版(作画・倉田三ノ路)
もうひとつが、小学館の月刊サンデーGXで連載されている系統です。正式タイトルには『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』と副題が付きます。作画は倉田三ノ路さん、キャラクター原案は同じくしのとうこさんです。
コミックスは第22巻(2026年6月18日発売)まで刊行されています。価格770円(税込)、B6判で180頁。書誌は小学館の公式ページで確認できます。
巻数はこちらが多いものの、1巻あたりの収録エピソードや構成の方針が違います。巻数の多さが、そのまま物語の進度を表すわけではありません。
ビッグガンガン系からは、外伝『薬屋のひとりごと外伝 小蘭回想録』も1巻刊行されています。本編とは別枠なので、巻数を数えるときに混ぜないようにします。
小説から入るか、漫画から入るか
どちらから読むかの判断材料は、物語の先端を知りたいかどうかです。
先を知りたいなら小説一択です。原作は16巻まで進み、漫画はまだ原作4巻前後の内容を描いている段階で、この差は簡単には縮まりません。
後宮の絢爛な描写や猫猫の表情の豊かさを味わうなら、漫画から入るのも十分ありです。作画が違えば受ける印象も変わるので、2種類を読み比べる楽しみ方もあります。
アニメや漫画で世界観に馴染んでから小説に移ると、中華風の固有名詞や人物関係がすんなり頭に入ります。順番に正解はありませんが、迷ったらこの流れが読みやすいはずです。
アニメは原作小説のどこまで描いた?
まずは第3期と劇場版の制作決定を告げた2周年記念のPVです。
アニメが原作小説の何巻までを描いたのかは、公式の明言が確認できませんでした。制作側が「第◯期は原作◯巻まで」と公表するケースは少なく、この作品もそのひとつです。
ファンサイトや考察系の記事では「1期と2期でおおむね原作2巻分に相当する」という見立てが紹介されています。視聴者が内容を突き合わせて導いた推測で、公式発表ではないので、当サイトでは事実として書きません。
放送の実績は次のとおりです。第1期は2023年10月から2024年3月にかけて日本テレビ系列ほかで全24話が放送されました。第2期は2025年1月から7月にかけて放送されました。
第3期の放送開始と劇場版・実写ドラマ化
第3期は2026年10月2日に放送が始まりました。日本テレビ系「フラアニ」枠での、分割2クールです。第3期が原作のどこから描くのかは、第3期のどこまでを扱った記事にまとめています。
劇場版『劇場版 薬屋のひとりごと 亡妃の秘宝』の公開も決定しています。この劇場版は既刊のエピソードの再構成ではなく、原作者・日向夏さんによる完全新作のオリジナルストーリーです。
原作を読み尽くした方でも、結末を知らないまま観られます。詳細はアニメ公式サイトのニュースにあります。
2026年9月には、芦田愛菜さん主演の実写ドラマ化も発表されました。Amazon MGMスタジオと東宝の共同製作で、Prime Videoで世界独占配信されます(シネマトゥデイの記事)。
アニメーション制作はTOHO animation STUDIOとOLM、監督は長沼範裕さんです。放送日時やキャストの続報はアニメ公式アカウント(@kusuriya_PR)から発信されています。
累計発行部数から見る作品の広がり
『薬屋のひとりごと』は、シリーズ累計5,700万部を突破しています(2026年8月発表)。4,500万部到達時(2025年11月26日)の発表元はイマジカインフォスで、公式のプレスリリースで確認できます。
数え方には注意が要ります。この5,700万部は、原作小説とコミックス2作品を合算した数字で、小説だけの部数ではありません。小説単独の内訳は公開されていないので、「小説が5,700万部売れている」とは言えません。
また、5,700万部の発表からは、国内の部数に世界16言語の海外翻訳版の部数が加わりました。それまでの発表は国内の部数なので、下の表の最後の伸びには、数える範囲が広がった分も含まれます。
伸び方を並べると、この作品がどれだけ急に広がったかがよくわかります。
| 時点 | シリーズ累計 | できごと |
|---|---|---|
| 2023年9月末 | 2,400万部 | アニメ第1期の放送前 |
| 第1期終了時 | 3,300万部超 | 2クール放送を経て大幅に増加 |
| 2025年2月 | 4,000万部 | 第2期の放送期間中 |
| 2025年11月26日 | 4,500万部 | 発表時点の到達数 |
| 2026年8月 | 5,700万部 | 最新の発表(小説と漫画2作品に海外16言語の翻訳版を合算) |
アニメ第1期の前後だけで900万部近く積み上がった計算です。映像化が原作の読者を連れてくる、典型的な動き方でした。第3期の放送と劇場版が続くので、この数字はまだ動きます。
小説を電子書籍で読むなら
16巻分をこれから追いかけると、置き場所の問題が出てきます。文庫とはいえ16冊は棚をそれなりに占領し、続刊も増えていきます。電子書籍も選択肢に入ります。
原作小説(ヒーロー文庫版)はコミックシーモアでも配信され、刊行済みの16巻まで揃っています。会員登録をしなくても試し読みができます。
まずは1巻の冒頭を開いて、猫猫の毒に対する異様な情熱の描かれ方を確かめてみてください。文体が肌に合うかどうかは、数ページで大体わかります。
電子で試し読みして続きが気になった方のために、紙の最新刊も置いておきます。小説版はイラストが多く、手元に並べたくなる装丁です。
薬屋のひとりごと 16(ヒーロー文庫)
2025年5月30日に出た原作小説の第16巻です。疱瘡の流行が題材で、猫猫が感染拡大の謎に迫る巻。17巻の発売日はまだ公式に発表されていないので、いまの「続き」はここまでになります。
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薬屋のひとりごとの小説に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 薬屋のひとりごとの小説は完結していますか?
A. 完結していません。2026年10月時点で連載が続いています。
刊行済みの最新巻・第16巻の紹介ページに「完結」「最終巻」といった表記はありません。コミカライズもまだ原作小説4巻分を描いている段階です。ファンの間には18巻から20巻あたりで完結するという予想もありますが、出版社の発表ではありません。
Q2. 小説は何巻まで出ていますか?
A. ヒーロー文庫版で第16巻まで刊行されています。発売日は2025年5月30日で、価格は836円(税込)、328頁です。漫画版の巻数(ビッグガンガン版17巻・サンデーGX版22巻)とは別です。
Q3. 次の17巻はいつ発売されますか?
A. 出版社からの正式な発売日の発表はありません(2026年10月時点)。新刊通知サイトの日付は過去の刊行ペースから割り出した予測です。続報はヒーロー文庫の特設サイトと原作公式アカウントから出ます。
Q4. 小説家になろう版(Web版)は今も読めますか?
A. ページは現存していて読めます。ただ、各話の更新日は旧稿の推敲時期のものが並び、実質的な更新は長く止まっているとみられます。作者コメントも書籍15巻時点の記述のままでした。
物語の続きを追うなら、書籍版(ヒーロー文庫)を読む必要があります。
Q5. アニメは原作小説のどこまで進んでいますか?
A. 公式の明言は確認できていません。相当する巻数を推測する考察サイトもありますが、制作側の発表ではないので、当サイトでは事実として扱っていません。
確定しているのは放送実績です。第1期は2023年10月から2024年3月に全24話を放送しました。第2期は2025年1月から7月に放送され、第3期は2026年10月2日に始まりました。
薬屋のひとりごとの小説まとめ
アニメ第1期・第2期が原作小説のどこまでを描き、第3期が何巻から始まると見られているか。これは薬屋のひとりごとのアニメはどこまでかを整理した記事にまとめています。
要点は次のとおりです。
『薬屋のひとりごと』の原作小説は、2026年10月時点で完結していません。刊行済みは第16巻まで(2025年5月30日発売・ヒーロー文庫)で、第17巻の発売日の正式発表はまだありません。ネット上の予測日付は公式情報ではありません。
媒体ごとの巻数は、小説16巻、ビッグガンガン版(作画・ねこクラゲ)17巻、サンデーGX版(作画・倉田三ノ路)22巻です。数字は近くても到達点は別で、物語の先端を走っているのは小説です。コミカライズは原作4巻前後を描いている段階です。
アニメが原作の何巻までを描いたかの公式説明はありません。第3期は2026年10月2日に放送が始まり、劇場版『亡妃の秘宝』の公開も決まっています。
シリーズ累計5,700万部(2026年8月発表)と、作品はまだ伸びている途中です。小説と漫画2作品に、海外16言語の翻訳版を合算した数字です。
