2025年夏、ついに公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』。この記事では、鬼滅の刃 無限城 第一章のレビューとして、作品の魅力を徹底解剖します。
本作は、社会現象となった『無限列車編』に続く物語であり、無限城編は全部で3部作で構成される壮大なプロジェクトの幕開けとなります。ここでは、第一章 猗窩座再来の原作あらすじを踏まえつつ、実際に映画を見終わった感想を交えながら、しのぶVS童磨の壮絶な戦いや、善逸VS獪岳の因縁の対決、そして炭治郎&冨岡VS猗窩座の激闘について詳しく解説。
多くの観客が涙した猗窩座(狛治)の過去や、原作ファンならずとも唸るアニメオリジナルの補足シーンにも深く迫ります。また、巷で話題の制作費の噂や、無限列車編との比較による売上予測、そしてufotableが誇る圧巻の映像クオリティに関する評価や口コミも網羅しました。さらに、物語の今後に期待が高まる第ニ章や第三章の原作内容にも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
記事のポイント
- 『無限城編 第一章』のあらすじと見どころ
- 主要キャラクターの戦闘シーンと結末
- 世間の評価や興行収入に関する分析
- 原作漫画との違いや続編の内容
ジャンプできる目次📖
鬼滅の刃 無限城 第一章 レビュー:物語の核心
- 前提知識:無限城編は全部で3部作
- 第一章 猗窩座再来の原作あらすじ
- 因縁の対決、しのぶVS童磨の結末
- 兄弟子の裏切り、善逸VS獪岳の死闘
- 共闘が熱い炭治郎&冨岡VS猗窩座
- 涙なしでは見られない猗窩座(狛治)の過去
前提知識:無限城編は全部で3部作
はじめに、本作の位置づけについて解説します。『鬼滅の刃 無限城編』は、単発の映画ではなく、壮大な劇場版三部作として制作されることが発表されています。これは、前作『無限列車編』が興行収入400億円を超える歴史的な大ヒットを記録した成功体験が大きく影響していると考えられます。
製作委員会は、テレビシリーズを遥かに凌ぐ収益と社会的インパクトを生み出す「映画イベント」という形式を、物語の最終章に適用する戦略的決断を下しました。物語を三つに分割することで、複数年にわたってファンの熱狂を持続させ、収益の最大化を図る狙いがあります。言ってしまえば、アニメ作品そのものが高価格帯の一次的なプロダクトとして成立する時代の象徴とも言えるでしょう。
第一章 猗窩座再来の原作あらすじ
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『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、原作コミックスの第16巻から第18巻にかけての内容を映像化しています。具体的には、第141話から始まり、猗窩座との決着がつく第157話あたりまでが描かれました。
本作の物語は、主に以下の3つの壮絶な戦いを中心に構成されています。
- 胡蝶しのぶ VS 上弦の弐・童磨
- 我妻善逸 VS 新・上弦の陸・獪岳
- 竈門炭治郎&冨岡義勇 VS 上弦の参・猗窩座
これら3つの死闘が並行して描かれ、鬼殺隊の柱や主要キャラクターたちが、鬼舞辻無惨の拠点である無限城内部で上弦の鬼たちと死力を尽くして戦う様子が、圧巻のクオリティで展開されます。特に、155分という長尺を活かした濃密なストーリーテリングは、本作の大きな特徴と言えるでしょう。
因縁の対決、しのぶVS童磨の結末
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本作の口火を切る戦いの一つが、蟲柱・胡蝶しのぶと上弦の弐・童磨の因縁の対決です。この戦いの核心は、姉・胡蝶カナエの仇である童磨に対する、しのぶの燃えるような憎しみにあります。
声優陣の演技は、このシークエンスを語る上で欠かせません。しのぶ役の早見沙織さんは、普段の穏やかな物腰から一転し、魂を削るかのような怒りの絶叫を披露し、多くの観客の心を打ちました。一方、童磨役の宮野真守さんは、軽薄で感情の欠落した鬼の異常性を見事に表現。「他のどの鬼よりも恐ろしい」と感じさせるほどの怪演は、まさに圧巻の一言です。
ufotableによる映像表現も素晴らしく、蟲の呼吸のエフェクトには蜂や蜻蛉といった具体的な虫のイメージが追加され、より華麗で殺傷力の高いビジュアルへと進化していました。そして、物語の結末。しのぶが童磨に吸収されるシーンは、アニメーションならではの生々しさで描かれ、劇場全体に衝撃が走りました。彼女の死は決して無駄ではなく、後に続くカナヲと伊之助の戦いへの重要な布石となるのです。
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兄弟子の裏切り、善逸VS獪岳の死闘
我妻善逸と、彼の兄弟子でありながら鬼となった新・上弦の陸・獪岳との対決は、善逸というキャラクターの集大成と言える戦いです。これまでの彼は、臆病で意識を失って初めて真価を発揮する剣士でした。しかし、ここでは自らの意志で、師を裏切った兄弟子に怒りと悲しみを胸に対峙します。
この戦いのクライマックスは、間違いなく善逸が独自に編み出した雷の呼吸・漆ノ型「火雷神(ほのいかづちのかみ)」が炸裂する瞬間です。圧巻のアニメーション、轟く音響、そして心を揺さぶる劇伴音楽が一体となり、多くのレビューで「鳥肌が立った」「最高の瞬間だった」と絶賛されました。
原作では比較的短い戦いでしたが、映画ではアニメオリジナルの描写が追加され、物語に厚みを持たせています。特に、師匠が善逸と獪岳に同じ柄の羽織を贈る回想シーンは、二人の関係性の悲劇をより際立たせていました。そして、戦いの後、三途の川で師匠に「お前は儂の誇りじゃ」と認められるシーンは、多くの観客の涙を誘う感動的な場面として描かれています。
共闘が熱い炭治郎&冨岡VS猗窩座
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本作で最も長く、中心的な戦いとなるのが、竈門炭治郎と水柱・冨岡義勇による、上弦の参・猗窩座との再戦です。『無限列車編』で煉獄杏寿郎を死に至らしめた因縁の相手に対し、二人がどう立ち向かうのかが最大の注目ポイントでした。
この戦いは、炭治郎と義勇の成長を鮮明に描き出します。義勇は頬に痣を発現させ、その水の呼吸の剣技は、これまでにない美しさと力強さで表現されました。一方、炭治郎は父から教わった「透き通る世界」を会得。相手の動きを先読みするこの能力は、アニメオリジナルの演出によって視覚的に分かりやすく説明され、彼の成長を実感させます。
ufotableによる戦闘アニメーションは、本作で一つの頂点に達したと言っても過言ではありません。縦横無尽に回転するダイナミックなカメラワーク、シームレスなCG、そして芸術的な技のエフェクトは「アクションアニメの新たな到達点」と絶賛されています。炭治郎が義勇に背中を預けられるまでに成長したことを示す二人の共闘は、胸が熱くなる展開です。
涙なしでは見られない猗窩座(狛治)の過去
猗窩座との戦いの決着後、本作の感情的な核となるのが、彼の人間時代「狛治(はくじ)」の悲劇的な過去を描く長い回想シーンです。このパートは、多くの観客が「号泣した」「涙が止まらなかった」と感想を寄せるほど、心を揺さぶる内容となっています。
病気の父、師範である慶蔵、そして許嫁の恋雪。愛する人々を守れなかった無力感が、彼の強さへの異常な執着に繋がっていたことが明かされます。何より悲劇的なのは、彼のささやかな幸福が、鬼ではなく、同じ人間の手によって無残にも破壊されたという事実です。この背景を知ることで、『無限列車編』での憎むべき敵であった猗窩座が、一人の悲しく、同情すべき人物として再定義されます。
この回想シーンは、『鬼滅の刃』の根幹をなすテーマ、すなわち「鬼もまた元は人間であり、その邪悪さは深い苦しみから生まれる」という思想を完璧に体現しています。自ら死を選び、死後の世界で恋雪に「おかえりなさい、あなた」と迎えられる最期は、悲劇の中にも救いのある、力強いカタルシスを観客にもたらしました。
鬼滅の刃 無限城 第一章 レビュー:多角的な分析
- 気になる評価や口コミを徹底調査
- ufotableの圧倒的な映像クオリティ
- 原作ファンも喜ぶアニメの補足シーン
- 売上予測は?無限列車編との比較
- 総括:鬼滅の刃 無限城 第一章 レビュー
気になる評価や口コミを徹底調査
『無限城編 第一章』は、公開直後からSNSやレビューサイトで非常に多くの感想が寄せられ、まさに賛否両論を巻き起こしています。ここでは、主な評価や口コミを、賞賛の声と批判的な意見に分けて見ていきましょう。
賞賛の声:圧倒的な映像体験と感動の物語
まず、大多数の観客が絶賛しているのは、やはりその圧倒的な視聴覚体験です。ufotableの作る映像と、梶浦由記・椎名豪による音楽の融合は、IMAXなどの高品質な環境で観ることでその真価を発揮します。
このように、映像美、音楽、声優の演技、そしてキャラクターの深い掘り下げが、多くの観客の心を掴んでいることが分かります。
批判的な意見:長尺と構成への指摘
一方で、手放しでの絶賛ばかりではありません。特に、155分という上映時間と、その構成に対してはいくつかの批判的な意見が見られます。
最も多く見られた批判は、戦闘の勢いを中断させる回想シーンの長さと頻度に関するものです。これは、週刊連載の漫画では機能する手法ですが、一本の映画として観た場合に物語の流れを阻害していると感じる観客が一定数いたことを示しています。一本の映画というよりは、「テレビシリーズの数話を繋ぎ合わせたようだ」という意見も見られました。
ufotableの圧倒的な映像クオリティ
本作の評価を語る上で、アニメーション制作会社ufotableによる映像技術の革新性は絶対に外せません。多くの観客にとって、この「神作画」とも称される映像クオリティが、劇場に足を運ぶ最大の動機となっています。
特に圧巻なのは、鬼・鳴女の能力によって絶えず構造が組み変わる「無限城」のビジュアルです。M.C.エッシャーのだまし絵を彷彿とさせる、幾何学的で歪んだ空間が、息をのむようなスケールとディテールで具現化されていました。不気味な照明と無限に広がる圧迫感を伴う背景美術は、ハリウッド映画レベルと評されています。
また、戦闘シーンにおけるダイナミックなカメラワーク(撮影技術)も大きな特徴です。キャラクターの周囲を旋回し、空間を縦横無尽に駆け巡る視点移動は、実写では不可能な圧倒的な没入感を生み出しています。しかし、前述の通り、この革新的なカメラワークは、一部の観客に「3D酔い」や乗り物酔いに似た感覚を引き起こすという副作用も生じさせてしまいました。これは、映像体験の強度が高すぎるが故の、トレードオフと言えるかもしれません。
原作ファンも喜ぶアニメの補足シーン
本作は原作の忠実な再現に留まらず、物語をより豊かにするためのアニメオリジナル、通称「アニオリ」のシーンが戦略的に追加されています。これが、すでに結末を知っている原作ファンでさえも劇場に足を運ぶ大きな価値となっています。
特に印象的だったのが、冨岡義勇の同期である村田さんの活躍です。彼は負傷した善逸を守るため、格上の鬼を相手に水の呼吸を使い、必死に時間を稼ぎました。原作では描ききれなかった「他の隊士たちは何をしていたのか?」というファンの疑問に答える、素晴らしい補足シーンです。
売上予測は?無限列車編との比較
商業的な側面から見ても、『無限城編 第一章』は驚異的な成功を収めました。公開初日から驚異的なスタートダッシュを切り、前作『無限列車編』が保持していた「公開初日」「単日」「週末オープニング」の3つの主要な興行記録をすべて更新したのです。
以下の表は、両作品のオープニング興行成績を比較したものです。
指標 | 『無限列車編』(2020年) | 『無限城編 第一章』(2025年) |
公開3日間興行収入 | 46.2億円 | 55.2億円 |
公開3日間観客動員数 | 342万人 | 384万人 |
公開4日間興行収入 | N/A(祝日なし) | 73.1億円 |
ただ、最終的に『無限列車編』の国内累計興収404.3億円を超えることができるかについては、専門家の間でも慎重な見方が存在します。要因としては、以下のようなものが挙げられます。
特に、物語が完結していない点が、ライト層の動員にどう影響するかが今後の大きな焦点となりそうです。
総括:鬼滅の刃 無限城 第一章 レビュー
記事のまとめ
- 無限城編は劇場版三部作として制作
- 第一章は原作コミックスの16巻から18巻までを映像化
- 主な戦いは「しのぶvs童磨」「善逸vs獪岳」「炭治郎・義勇vs猗窩座」
- しのぶ役の早見沙織と童磨役の宮野真守の演技が絶賛
- 善逸のオリジナル技「火雷神」の演出は最大の見せ場の一つ
- 炭治郎は「透き通る世界」を、義勇は「痣」を発現させ成長
- 猗窩座の人間時代「狛治」の悲劇的な過去に多くの観客が涙
- ufotableによる映像クオリティは「神作画」と高く評価
- ダイナミックなカメラワークは「3D酔い」を引き起こす可能性も
- 村田さんの活躍などファンが喜ぶアニオリシーンが追加
- オープニング興行収入は無限列車編の記録を更新
- 最終興収が400億円を超えるかは専門家の間でも意見が分かれる
- 上映時間の長さや構成には一部批判的な意見もある
- ファン向けの要素が強く、観る人によって評価が分かれる作品
- 原作を深く知ることで映画をより一層楽しめる