アンデッドアンラックを読み進めると必ず突き当たるのがループという壮大な設定の壁ではないでしょうか。物語の根幹に関わるこのシステムは非常に複雑で、何回繰り返されているのかや記憶の引き継ぎ条件など、一度読んだだけでは理解しきれない部分も多いはずです。私自身も最初は頭が混乱して何度も読み返しました。そこで今回は、作中の情報を整理してループの仕組みや回数による違いについて分かりやすくまとめてみました。
記事のポイント
- ループが発生する条件とアークの仕組み
- 記憶保持とリメンバーの重要な役割
- ラグナロクによる世界の崩壊プロセス
- 100回目と101回目の決定的な違い
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アンデッドアンラックのループ設定とルール
まずは、この作品の世界観そのものである「ループ」の基本的なルールについて整理しておきましょう。ここをしっかり押さえておくと、キャラクターたちの行動原理や悲壮な決意がより深く理解できるかなと思います。単なるタイムリープものとは一線を画す、神々による残酷な「ゲーム」の構造が見えてきます。
ループ回数の制限とアーク発動条件
アンデッドアンラックの世界におけるループは、主人公の能力で時間が戻るような都合の良いものではなく、地球という惑星を使った神々の「ゲーム」のサイクルそのものを指します。このゲームをリセットし、次の周回へと進むために必要なのが、古代遺物(アーティファクト)である「アーク(聖櫃)」です。
アークの使用権限は「席次」で決まる
アークは誰でも使えるわけではありません。使用するためには厳しい条件が存在します。
つまり、ループ回数には明確な制限があるわけではありませんが、アークの燃料となるポイントが尽きれば、そこでゲームオーバーとなってしまうのです。このシステム自体が、否定者同士を競わせるために神が仕組んだ意地の悪いルールなんですよね。
記憶引き継ぎのルールとリメンバー

ループにおいて最も重要になるのが「記憶」の問題ですよね。基本的に、ループすると世界は物理的に破壊され、再創造されるため、全人類の記憶はリセットされます。
記憶を保持したまま次の世界へ行けるのは、アークに乗った搭乗者だけです。これまでのループでは、ジュイスがたった一人で記憶を背負い、何億年もの時を孤独に戦い続けてきました。他のメンバーは毎回記憶がなくなり、また一から関係性を築かなくてはならない……想像するだけで過酷すぎます。
古代遺物「リメンバー」という切り札
しかし、ここで重要になってくるのが古代遺物「リメンバー(記憶)」の存在です。
リメンバーには「忘却(リセット)」と「追憶(コンティニュー)」という二つの機能がありますが、1ループにつきどちらか1回しか使えないという厳しい制約があります。この使いどころが、第100回目と101回目の展開を分ける大きな要因となりました。
ラグナロクによる世界の崩壊プロセス
「ループ」というと時間が巻き戻るイメージがあるかもしれませんが、この作品の場合はもっと物理的で残酷です。ループの終わりは「ラグナロク(神の降臨)」によってもたらされます。
クエストの失敗ペナルティが100個溜まるか、一定期間が経過すると、創造主である神「サン(太陽)」が地球に降臨します。サンは地表のすべてを焼き尽くし、文明も生命も完全に消滅させます。
私たちが読んでいる物語の裏側には、これほど壮絶な破壊と再生の歴史があったんですね。単なるリセットボタンではなく、文字通り「世界の作り直し」が行われているわけです。
ポイントと席次が決めるループ権限
先ほど少し触れましたが、アークに乗る権利を得るための「席次」は、クエスト達成などで得られる「ポイント」によって決まります。
これは神々が否定者同士を競わせるために作ったシステムだと言われています。最も神を楽しませ、功績を上げた者が生き残る権利を得る。なんとも残酷な競争原理です。
ジュイスはずっと圧倒的なポイントを稼ぎ続け、第一席を死守してきました。それは権力のためではなく、次のループで再び神に挑むチャンスを得るためだったのです。彼女がポイントを独占していたのは、他の誰かにこの地獄のような「終わりのないマラソン」を背負わせたくないという優しさでもありました。
古代遺物アークの燃料と限界
物語の開始時点で、実はアークのエネルギーは枯渇寸前でした。ジュイスが積み上げてきたポイントも限界に達しており、第100回目のループから第101回目への転送が、事実上の「ラストチャンス」だったのです。
もし101回目のループで神を倒せなければ、もう次はありません。アークは動かず、人類は完全に滅亡することになります。
この「後がない」という緊張感が、物語後半の熱量をさらに高めていますよね。失敗が許されない状況だからこそ、101回目のループでの一挙手一投足に重みが増しています。
アンデッドアンラックのループ100回目と101回目の違い
さて、ここからが本題です。物語の前半である「第100回目のループ」と、風子が主人公となって進む「第101回目のループ(最終ループ)」では、展開がまるで違います。何が変わったのか、詳しく見ていきましょう。
100回目と101回目の決定的な違い
最大の違いは、組織(ユニオン)の運営方針とリーダーシップのあり方です。
- 第100回目(ジュイスの方針):少数の精鋭で秘密裏に行動。一般人を巻き込まないよう配慮し、世界の真実は伏せる。否定者たちの悲劇はやむなしとして、能力発現後に事後処理的に仲間にする。
- 第101回目(風子の方針):使える手は全て使う総力戦。否定能力が発現する前の「悲劇」そのものを回避し、心身ともに万全な状態で仲間に引き入れる。敵対していた勢力とも手を組む。
風子が目指す最強の組織ロードマップ
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第101回目のループは、いわゆる「強くてニューゲーム」状態です。風子は前回のループで得た知識(誰がいつどこで否定能力に目覚めるか、クエストの内容など)を全て持っています。
彼女はこの情報を武器に、緻密なロードマップを作成しました。
1800年代に降り立った風子は、現代までの長い時間をかけて仲間を集め、育成し、最強の軍団を作り上げる計画を実行します。時には、あえてクエストを失敗してペナルティを受け入れ、必要な人材が揃う時代まで一気に時間を進める「タイムスキップ」戦術を使うなど、大胆な策も見どころです。この戦略性の高さが、読んでいて本当に痛快なんですよね。
悲劇を回避した仲間の加入順序

ここがファンとして一番胸が熱くなるポイントかもしれません。前回のループでは悲しい最期を遂げたり、敵対していたキャラクターたちが、風子の介入によって救われていきます。
| キャラ | 100回目の運命 | 101回目の変化(救済) |
|---|---|---|
| ニコ | 妻を失い、科学に没頭して心を閉ざす | 妻イチコの死を科学と知識で回避し、愛妻家のまま参戦 |
| ジーナ | アンディに倒され死亡 | 16歳の姿のまま生存し、「不変」を使いこなす主力メンバーに |
| ボイド | アンディに倒され死亡 | 能力発現前に接触し、ボクサーとしての誇りを守ったままスカウト |
| シェン | メイを庇いキョンシー化して死亡 | 生身のまま生存し、ムイちゃんと共に最強タッグとして戦う |
| リップ | 恋人ライラの手術に失敗し闇落ち | ニコの協力を得て手術を成功させ、3人全員で仲間になる |
他にも、ビリーの裏切りを防いだり、ショーンのようなマイナーキャラを即戦力化したりと、まさに「読みたかったハッピールート」を次々と実現していってくれます。全員が笑顔で円卓を囲むシーンは、涙なしでは見られません。
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「あれ?そういえば今回のループ、アンディが出てこなくない?」と思った方もいるかもしれません。実はアンディは、この最終ループの大部分において、地球にはいません。
最強の敵「上位十理」を抑え込む門番
彼は今、太陽(サン)の表面にいます。
アンディは自身の「不死」の体を使って、最強の敵である「上位十理(マスタールールズ)」たちが地球へ攻め込んでくるのを、太陽の表面で物理的に抑え込んでいるんです。何億年、何十億年もの間、たった一人で灼熱の太陽の上で戦い続けている……。
アンデッドアンラックのループの結末
第101回目のループの最終目標は、神(サン)を殺し、理不尽なゲームを終わらせることです。風子が作り上げた「最強の組織」と、太陽から帰還するであろうアンディが合流した時、本当の最終決戦が始まることでしょう。
ループ設定は複雑ですが、こうして整理してみると、キャラクターたちの愛と執念の物語だということがよく分かります。絶望的な100回のループがあったからこそ、この101回目の希望が輝くんですよね。
まだ本編を読んでいない方、あるいは途中で止まってしまっている方は、ぜひこの壮大な「ループ」の結末をその目で確かめてみてください。個人的には、電子書籍でお得に読めるコミックシーモアがおすすめですよ。無料試し読みも充実しているので、まずは冒頭だけでもチェックしてみる価値ありです!





