女子刑務所の中にある「あおぞら美容室」で、塀の外から来た客の髪を切るのは、服役中の葉留です。
原作は桜井美奈さんの小説『塀の中の美容室』です。2020年に小日向まるこさんが漫画にし、2025年にはWOWOWで奈緒さん主演のドラマになりました。周りの人たちの目から、葉留の心が少しずつ見えてくる物語です。
記事のポイント
- 舞台は、女子刑務所の中で一般客の髪を切る「あおぞら美容室」
- 章や話ごとに、美容室を訪れる客の目から葉留が描かれる
- 葉留がなぜ服役しているのかは、物語が進むにつれて見えてくる
- 志穂の仕事や物語の組み立ては、小説・漫画・ドラマで違う
塀の中の美容室のネタバレ|あおぞら美容室を訪れる女性たちと葉留
ここから先は、小説・漫画・ドラマの各章・各話の展開と、葉留の罪や結末に触れます。
『塀の中の美容室』は、章や話ごとに別の人物が美容室にかかわり、その目を通して葉留を描く物語です。

塀の中の美容室の基本情報
『塀の中の美容室』は、小説・漫画・ドラマの3つの形で発表されています。
| 項目 | 小説 | 漫画 | ドラマ |
|---|---|---|---|
| 作者・制作 | 桜井美奈 | 小日向まるこ(原作:桜井美奈) | 監督:松本佳奈/脚本:狗飼恭子 |
| 出版社・放送 | 双葉文庫 | 小学館 | WOWOW・連続ドラマW-30 |
| 発表 | 2018年 | 2020年8月28日発売・全1巻 | 2025年8月22日〜10月3日放送 |
| 特徴 | 連作短編集 | 第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 優秀賞(2021年3月) | 主演:奈緒 |
原作の小説は双葉文庫、漫画は小学館から全1巻で出ています。
主な登場人物
物語の中心は、受刑者で美容師の小松原葉留と、美容室を担当する刑務官の菅生です。そこへ芦原志穂をはじめ、塀の外から客が訪れます。
小松原葉留
女子刑務所の中のあおぞら美容室で、唯一の美容師として一般客の髪を切る受刑者です。服役中に美容師免許を取りました。
原作者の桜井美奈さんは、葉留を「大人しそうで、真面目そうな」主人公と表しています。家族には姉の奈津と母の亜希がいて、ドラマでは奈緒さんが演じました。
刑務官の菅生
菅生は、あおぞら美容室を担当する刑務官です。ドラマでは小林聡美さんが菅生冬子を演じ、葉留はその菅生に心の内を打ち明けていきます。
漫画にも、「刑務官・菅生」という題の第2話があります。
芦原志穂
志穂は、小説・漫画・ドラマのどれでも最初に登場する客です。仕事の設定は、媒体ごとに違います。
ほかの客たち
志穂のあとにも、塀の外から客が訪れます。
- 鈴木公子:ドラマでは近所に住む高齢の女性で、美容室の初めてのリピーター客になる。漫画にも第3話「鈴木公子」がある
- 一井彩:ドラマでは、手入れの行き届いたロングヘアをバッサリ短く切ってほしいと頼む
- 漫画の客:髪のパーツモデルをしていたという女性、ひとりで故郷に戻ってきた老人
あらすじ
『塀の中の美容室』は、女子刑務所の中で、塀の外の一般客を相手に営業する「あおぞら美容室」の物語です。
美容師は、重い罪で服役しながら美容師免許を取った葉留です。漫画の美容室は、天井から壁まで一面に青空が描かれています。
漫画の第1話は、志穂が刑務所の中の美容室で、受刑者に髪を切られる場面から始まります。週刊誌の仕事に追われる志穂は、恋人との約束を取材のために断ります。
ドラマの第1話では、新聞記者の志穂が素性を隠したまま、取材のために美容室を訪れます。小説の志穂は、激務が続く番組制作会社で働いています。
各章(各話)のネタバレ
小説は6章とエピローグ、漫画は4つの話と特別編、ドラマは全7話でできています。
小説の章の客たち
小説は、6章の連作短編にエピローグが付いた構成です。最初の章の主人公は、番組制作会社で働く芦原志穂です。
最後の6章は、葉留の姉・奈津の章です。
漫画版の各話
漫画は、人物の名前を題にした4つの話と、特別編のエピローグでできています。
- 第1話「芦原志穂」
- 第2話「刑務官・菅生」
- 第3話「鈴木公子」
- 最終話「小松原奈津」
- 特別編「エピローグ」
漫画の試し読みは、小学館の試し読みページで公開されています(2026年10月時点)。
ドラマ版の全7話
ドラマは、志穂・公子・彩といった客の話と、刑務所の中の人たちの話が重なりながら進みます。
| 話 | 主な出来事 |
|---|---|
| 第1話 | 新聞記者の志穂が素性を隠したまま、取材のために美容室を訪れる |
| 第2話 | 近所に住む公子が来店し、初めてのリピーター客になる。夜、葉留は姉・奈津との過去に想いを巡らせる |
| 第3話 | 美容技官の実沙が、退学になる生徒2人を戻してほしいと所長の保坂に直談判する。葉留は客の無理な注文に応えられず落ち込む |
| 第4話 | 彩がロングヘアをバッサリ切ってほしいと頼み、事情を知った葉留はある提案をする。津田翔太から面会希望の手紙が届く |
| 第5話 | 志穂が葉留の取材に訪れ、葉留は家族の迷惑になることは書かないでほしいと頼む。公子は引っ越しで通えなくなる。奈津の婚約者・翔太が面会に来る |
| 第6話 | 葉留は翔太と向き合う。新たな客として、事件以降初めて会う奈津が美容室にやって来る |
| 最終話 | 満期まで刑期を務めると言う葉留に、保坂があおぞら美容室の名前の由来と、そこに託した想いを伝える |
葉留の罪と結末
葉留の事情は、小説では最後の奈津の章で明らかになります。ドラマでは、第6話で事件以降初めて会う奈津が美容室を訪れます。
葉留はなぜ服役しているのか
原作小説の葉留は、殺人未遂の罪で服役しています。
ドラマの葉留は「ある事件」で服役し、漫画の葉留は「重い罪」を犯した受刑者として登場します。
ドラマの第6話で、葉留は自分の犯した罪は絶対に許されないし、許されてはいけないと菅生に打ち明けます。ドラマの奈津は、妹が罪を犯したことで加害者家族になっています。
原作者の桜井美奈さんも、葉留がなぜ刑務所にいるのか気になる人がいるだろうと話しています。
小説の結末
小説では、最後の奈津の章で、葉留が抱えてきた事情が明らかになります。物語はそのあと、エピローグへ続きます。
ドラマの結末
ドラマの最終話で、葉留は母の亜希に、仮釈放の身元引受人になってほしいと手紙を書きます。満期まで務めるとかたくなだった葉留の背中を押したのは、所長の保坂の言葉でした。
仮釈放の後、葉留は実家に戻ります。誰もいない実家の美容室の鏡の前に立ち、罪を忘れないようにと伸ばし続けた髪に、静かにはさみを入れます。
原作者の桜井美奈さんは、「内容は当然知っているのに、ドラマのラストは泣けました。」と話しています。
塀の中の美容室のネタバレ考察と小説・漫画・ドラマの違い
あおぞら美容室には、岐阜県の笠松刑務所の美容室というモデルがあります。小説・漫画・ドラマでは、志穂の仕事や物語の組み立てが違います。

モデルになった笠松刑務所の美容室
あおぞら美容室のモデルは、岐阜県の笠松刑務所にある「みどり美容院」です。
小説が生まれたきっかけは、担当編集者がドキュメンタリー番組で「刑務所の中に美容室がある」と知ったことでした。桜井美奈さんは取材のため、岐阜県笠松町の笠松刑務所を訪れています。
ドラマで葉留を演じた奈緒さんも、原作のモデルとなった笠松刑務所を訪れました。
小説・漫画・ドラマの違い
3つの媒体の大きな違いは、志穂の仕事と物語の組み立てです。
| 項目 | 小説 | 漫画 | ドラマ |
|---|---|---|---|
| 志穂の仕事 | 番組制作会社 | 週刊誌の記者 | 新聞記者 |
| 構成 | 6章とエピローグ | 4つの話と特別編 | 全7話 |
漫画は刑務官や家族の目からも葉留を描く
漫画では、志穂だけでなく、刑務官や葉留の家族の目からも葉留が描かれます。その中で、葉留の心が少しずつ明らかになっていきます。
ドラマは「塀の中」の場面を膨らませた
桜井美奈さんはドラマについて、小説の世界を崩さず、原作になかった「塀の中」の部分を膨らませていると語っています。
ドラマには、美容技官の実沙が退学になる生徒のために所長に直談判する第3話など、刑務所で働く人たちの話も描かれます。
WOWOWドラマ『塀の中の美容室』
WOWOWの連続ドラマW-30『塀の中の美容室』は、奈緒さん主演の全7話のドラマです。2025年8月22日から10月3日まで放送されました。
キャストと役柄
葉留を奈緒さん、姉の奈津を夏帆さん、刑務官の菅生を小林聡美さんが演じています。
| 役名 | 俳優 | 役柄 |
|---|---|---|
| 小松原葉留 | 奈緒 | あおぞら美容室の美容師。服役中に美容師免許を取った |
| 小松原奈津 | 夏帆 | 葉留の姉 |
| 加川実沙 | 成海璃子 | 刑務所の職業訓練美容科の美容技官 |
| 菅生冬子 | 小林聡美 | あおぞら美容室担当の刑務官 |
| 保坂一路 | 光石研 | 刑務所長 |
| 芦原志穂 | 祷キララ | 取材で美容室を訪れる新聞記者 |
| 一井彩 | 中島セナ | ヘアモデル |
| 鈴木公子 | 由紀さおり | 美容室の常連客 |
| 津田翔太 | 上川周作 | 奈津の婚約者 |
| 波沼弘樹 | 中島歩 | 葉留の元交際相手 |
| 小松原亜希 | 朝加真由美 | 葉留と奈津の母。小松原美容室を営む美容師 |
| 一井典子 | 西田尚美 | 彩の母 |
ほかに、次の人たちが出演しています。
- 長井短(佐藤望)
- 広岡由里子(二村)
- 伊勢志摩(曽根)
- 木梨憲武(久志)
スタッフ
- 監督:松本佳奈
- 脚本:狗飼恭子
- 音楽:林正樹
- 制作プロダクション:ジャンゴフィルム
- 制作協力:日活
塀の中の美容室に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 塀の中の美容室は実在しますか?
A. 物語のモデルは、岐阜県の笠松刑務所にある「みどり美容院」です。原作者の桜井美奈さんは、取材で笠松刑務所を訪れています。
Q2. 塀の中の美容室の原作は何ですか?
A. 桜井美奈さんの小説で、2018年に双葉文庫から出ました。漫画は小日向まるこさんの作画で、2020年8月28日に小学館から全1巻で発売されています。
Q3. ドラマは全何話ですか?
A. 全7話です。WOWOWの連続ドラマW-30として、2025年8月22日から10月3日まで放送されました。
Q4. 葉留はなんの罪で服役しているのですか?
A. 原作小説では、殺人未遂の罪です。ドラマの葉留は「ある事件」で服役し、漫画の葉留は「重い罪」を犯した受刑者として描かれます。
Q5. ドラマの最終回はどうなりますか?
A. 葉留は母に、仮釈放の身元引受人になってほしいと手紙を書きます。仮釈放の後、実家の美容室の鏡の前で、伸ばし続けた髪にはさみを入れます。
塀の中の美容室のネタバレまとめ
『塀の中の美容室』は、塀の外の客と塀の中の美容師が、髪を通して向き合う物語です。
- 舞台は、女子刑務所の中で一般客の髪を切る「あおぞら美容室」
- 美容師の葉留は、服役中に美容師免許を取った受刑者
- 志穂の仕事は、小説が番組制作会社、漫画が週刊誌の記者、ドラマが新聞記者
- 原作小説では、葉留の罪は殺人未遂
- 小説は最後の奈津の章で、葉留の事情が明らかになる
- ドラマの最終話で、葉留は仮釈放の後、実家の美容室で自分の髪を切る
- モデルは、岐阜県の笠松刑務所の美容室


