廃墟で肝試しをしてから、奇妙なことが続いている。加門七海の『祝山』は、そんな知らせが物語のきっかけになるホラー小説です。
怪異の正体は、最後まで明かされません。原作は、矢口が姿を消す場面で山の話が終わります。2026年6月に公開された映画では、そのあとに若尾からの電話と鹿角の笑みが続きます。
記事のポイント
- 祝山の昔の名は「位牌山」で、肝試しの誰かが山の木を持ち帰っていた
- 原作は、帰り道で矢口だけが電車に乗らず行方不明になる
- 映画は、若尾からの電話が途中で切れ、鹿角がわずかに笑って終わる
- 怪異の正体は、原作でも映画でも説明されない
祝山のネタバレ|原作小説のあらすじと結末
ここから先は、原作小説と映画の結末に触れます。
原作の祝山は、昔「位牌山」と呼ばれた山です。肝試しの誰かが持ち帰っていた山の木を、山へ返しに行きます。その帰り道、矢口だけが電車に乗らずに行方不明になります。

原作小説『祝山』は加門七海のホラー
『祝山』は、加門七海が2007年9月に光文社文庫から出したホラー小説です。
作品の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 題名 | 祝山(いわいやま) |
| 作者 | 加門七海 |
| 出版社 | 光文社(光文社文庫) |
| 刊行 | 2007年9月 |
| ページ数 | 248ページ |
| 電子書籍 | 2010年1月に配信開始 |
原作はホラー作家の「私」の一人称
原作は、ホラー作家の「私」が一人称で語る小説です。書き出しは「日本では、怪談の季節は夏と決まっている。」の一文です。
怪談の季節をめぐる前置きのあと、章「一」は友人との電話の場面から始まります。相手は大学時代からの友人の芳村里美で、持ち込みからイラストレーターになった女性です。
「私」はこのとき、夏に間に合わせる書き下ろしホラーを書いています。題材は「胆試し」です。主役に感情移入ができず、序盤から四苦八苦しています。
原作の小説は光文社文庫で読めます。
原作のあらすじ|旧友のメールと肝試しのメンバー
ホラー作家の主人公のもとに、旧友からメールが届きます。ある廃墟で肝試しをしてから、奇妙なことが続いているという内容です。
ネタが拾えればと軽い気持ちで、主人公は肝試しのメンバーに会います。それが、主人公自身も巻き込まれる恐ろしい日々の始まりでした。
やがてメンバーの一人は突然の死を迎えます。ほかの者も、狂気へと駆り立てられていきます。
原作の結末|矢口だけが電車に乗らず姿を消す
原作は、山から帰る途中で矢口だけが電車に乗らず、行方不明になる場面で山の話が終わります。
祝山の昔の名は「位牌山」
祝山の昔の名は「位牌山(いはいやま)」です。山のものは、木一本も草一つも持ち出してはいけません。
持ち帰った山の木を返しに行く
肝試しをした誰かが、山の木を持ち帰っていました。それが祟りの原因だと突き止められ、木を山へ返しに行きます。
帰り道で矢口だけが行方不明になる
山から帰る途中、肝試しのメンバーの一人である矢口だけが電車に乗りません。矢口は、そのまま行方不明になります。
怪異の正体は最後まで明かされない
メンバーに起きた怪異の正体は、最後まではっきりとは明かされません。
祝山のネタバレ考察と映画のラスト・配信
2026年6月12日公開の映画『祝山』は、矢口が消息不明になったあと、若尾からの電話と鹿角の笑みで終わります。怪異の正体も笑みの理由も、映画では説明されません。

映画『祝山』のあらすじとキャスト
映画は、橋本愛がホラー作家・鹿角南を演じるホラーです。
映画の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開 | 2026年6月12日 |
| 原作 | 加門七海『祝山』(光文社文庫) |
| 監督・脚本・編集 | 武田真悟 |
| 主題歌 | 船ヶ山哲「Misery」 |
| 上映時間 | 97分 |
| 配給 | S・D・P |
映画『祝山』公式サイトには、予告編とキャスト・スタッフの情報が載っています。
中学時代の同級生から届いた手紙
スランプのホラー小説家・鹿角南のもとに、中学時代の同級生・矢口朝子から手紙が届きます。心霊スポットと噂の廃墟へ肝試しに行ってから、説明のつかない異変が続いているという告白でした。
ネタを拾えればと考えた鹿角は、矢口と再会します。当時行動を共にしていた仲間とも顔を合わせました。
その出会いを境に、鹿角の周りにも得体の知れない影が忍び寄ります。真相を探るため、鹿角は山岳ライターの吉村司に協力を頼みます。
調べるうちに浮かび上がるのは、山『祝山』に潜む禁忌です。鹿角は、矢口たちとともに祟りの根源へ向かうと決めます。
映画では、鹿角と矢口の中学時代のいじめをめぐる過去も描かれます。
主なキャスト
主なキャストは、次の6人です。
- 鹿角南:橋本愛
- 矢口朝子:石川恋
- 若尾木綿子:久保田紗友
- 小野寺淳:草川拓弥
- 田崎正人:松浦祐也
- 吉村司:利重剛
映画の結末|若尾の電話が切れ、鹿角がわずかに笑う
映画のラストは、若尾からの電話が途中で切れ、鹿角がわずかに笑う場面です。
映画でも明かされる位牌山
祝山の昔の名が「位牌山」だったことは、映画でも明かされます。持ち帰った木を山へ返しに行くところも、原作と同じです。
終盤には、鹿角と矢口が位牌を口にする場面もあります。
山岳ライター吉村の最期
鹿角が協力を頼んだ山岳ライターの吉村は、自ら命を絶ちます。
矢口は「忘れ物を取りに戻る」と電車を降りる
矢口は鹿角と電車に乗ったあと、「忘れ物を取りに戻る」と言って降ります。そのまま、矢口は消息不明になります。
ラストは若尾からの電話と鹿角の笑み
日常に戻った鹿角のもとへ、若尾から助けを求める電話がかかってきます。電話は途中で切れ、鹿角はわずかに笑みを浮かべます。
原作と映画の結末の違い
原作は、矢口が姿を消す場面で山の話が終わります。映画は、その失踪のあとに若尾からの電話と鹿角の笑みが続きます。
| 項目 | 原作小説 | 映画 |
|---|---|---|
| 届く知らせ | 旧友からのメール | 中学時代の同級生・矢口からの手紙 |
| 山の昔の名 | 位牌山 | 位牌山 |
| 持ち帰った木 | 山へ返しに行く | 山へ返しに行く |
| 矢口の行方 | 帰り道で電車に乗らず、行方不明になる | 「忘れ物を取りに戻る」と電車を降り、消息不明になる |
| ラスト | 矢口が姿を消す場面で山の話が終わる | 若尾からの電話が途中で切れ、鹿角がわずかに笑う |
| 怪異の正体 | 最後まで明かされない | 最後まで説明されない |
祝山の考察|怪異の正体と最後の笑み
怪異の正体も、鹿角が最後に笑った理由も、作中ではっきりとは語られません。
祝山の正体は昔の名の「位牌山」
祝山の正体として明かされるのは、昔の名が「位牌山」だったことです。原作でも映画でも、ここは共通しています。
ただ、メンバーに起きた怪異そのものの正体は、どちらでも説明されません。映画には、霊や怪物の姿も出てきません。
鹿角が最後に笑った理由
若尾からの電話が切れたあと、鹿角がなぜ笑ったのかは作中で説明されません。受け止め方は、観た人に委ねられています。
監督の武田真悟は、描きたいホラーの本質を「幽霊や怪物ではなく、“分からないこと”そのもの」だと述べています。
祝山は実話?原作者が語る体験と怖さ
『祝山』は、著者の実体験を下敷きにしたホラー小説です。加門七海は、本作には実際に起こったことが色濃く反映されていると語っています。
実際に起こったことが色濃く反映された作品
加門七海の作品には、小説・エッセイを問わず、自身の心霊体験がちりばめられています。そのなかでも「本作は特に実際に起こったことが色濃く反映されています」とのことです。
加門七海にとって、人生の中でも格別に怖かったエピソードを用いた作品です。
映画を観た原作者「ここまで怖くしなくても」
映画化にあたり、加門七海は「原作よりも面白く、怖くしてください」と頼みました。
完成した映画を観て最初に思ったのは、「ここまで怖くしなくてもいいのではないか」ということでした。2026年5月18日の完成披露舞台挨拶でも、「あんなに怖い作品になるとは思わなかった」と話しています。
映画『祝山』の配信
映画『祝山』は、2026年9月1日にデジタル配信が始まりました。配信が始まったサービスは、次の3つです。
- Amazonプライムビデオ
- U-NEXT
- Hulu
祝山に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 『祝山』の原作小説はどんな結末ですか?
A. 持ち帰った木を山へ返しに行った帰り道、矢口だけが電車に乗らず、行方不明になります。原作は、矢口が姿を消す場面で山の話が終わります。
Q2. 映画『祝山』のラストで鹿角が笑った理由は?
A. 作中では説明されません。若尾から助けを求める電話がかかり、途中で切れたあと、鹿角はわずかに笑みを浮かべます。理由の受け止め方は、観た人に委ねられています。
Q3. 祝山の正体は何ですか?
A. 祝山の昔の名は「位牌山(いはいやま)」で、原作でも映画でも明かされます。ただし、怪異そのものの正体は最後まで説明されません。
Q4. 『祝山』は実話ですか?
A. 著者の実体験を下敷きにした小説です。加門七海は「本作は特に実際に起こったことが色濃く反映されています」と述べています。
Q5. 映画『祝山』は配信で観られますか?
A. 2026年9月1日に、Amazonプライムビデオ・U-NEXT・Huluでデジタル配信が始まりました。
まとめ:祝山のネタバレと原作・映画の結末
『祝山』は、廃墟での肝試しをきっかけに怪異が続き、正体が明かされないまま終わるホラーです。
- 祝山の昔の名は「位牌山」で、山のものは持ち出してはいけない
- 肝試しの誰かが山の木を持ち帰っていて、それを山へ返しに行く
- 原作は、帰り道で矢口だけが電車に乗らず、行方不明になる
- 映画は、矢口が「忘れ物を取りに戻る」と降りて消息不明になり、若尾からの電話が切れたあと鹿角がわずかに笑う
- 怪異の正体も笑みの理由も、作中で説明されない
- 原作は著者の実体験を下敷きにした小説で、映画は2026年6月12日に公開された

