ビルの7階と8階のあいだに、エレベーターのボタンを同時に押したときだけ止まる「7.5階」があります。原作漫画の『オールドボーイ』は、その隠された階に閉じ込められた男の復讐劇です。
原作漫画と韓国映画、米映画では、監禁の理由がそれぞれ違います。米映画は結末も、原作と韓国版のどちらとも別物です。
記事のポイント
- 原作漫画の五島は、7.5階に10年間監禁される
- 原作の監禁の理由は、少年時代の音楽の授業の出来事
- 韓国映画のミドは、オ・デスの実の娘
- 米映画は、原作とも韓国版とも違う結末
オールドボーイのネタバレ|原作漫画の監禁の理由と結末
原作漫画『ルーズ戦記 オールド・ボーイ』は、7.5階に10年間監禁された男が、自分を監禁した相手と理由を探る物語です。監禁の理由は、映画とはまったく違います。

オールドボーイの基本情報(原作漫画と映画)
『オールドボーイ』は日本の漫画が原作です。2003年に韓国で、2013年にアメリカで映画になりました。
原作『ルーズ戦記 オールドボーイ』
原作は、双葉社の漫画アクションで1996年に連載が始まった漫画です。単行本は1997年から1998年にかけて出た全8巻です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 題名 | ルーズ戦記 オールド・ボーイ |
| 原作 | 土屋ガロン(狩撫麻礼) |
| 作画 | 嶺岸信明 |
| 出版社 | 双葉社(漫画アクションで連載) |
| 連載開始 | 1996年 |
| 単行本 | 全8巻(1997〜1998年) |
| 受賞 | 2007年 ウィル・アイズナー賞の国際部門で最高作品賞 |
原作漫画を読むなら、最終話まで収めた8巻はこちらです。
狩撫麻礼は、結末を決めずに物語を紡いだらどうなるかという実験として、この連載を始めました。狩撫麻礼は2018年に亡くなっています。
韓国映画(2003年)と米映画(2013年)
韓国映画はパク・チャヌク監督の作品で、2004年の第57回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞しました。米映画は、スパイク・リー監督によるハリウッドでのリメイクです。
| 項目 | 韓国映画 | 米映画 |
|---|---|---|
| 監督 | パク・チャヌク | スパイク・リー |
| 主人公 | オ・デス(チェ・ミンシク) | ジョー・デュセット(ジョシュ・ブローリン) |
| ヒロイン | ミド(カン・ヘジョン) | マリー・セバスチャン(エリザベス・オルセン) |
| 謎の男 | イ・ウジン(ユ・ジテ) | エイドリアン(シャルト・コプリー) |
| 監禁の年数 | 15年 | 20年 |
| 日本公開 | 2004年11月6日 | 2014年6月28日 |
パク・チャヌク監督が原作に興味を持ったのは、ポン・ジュノ監督に薦められたのがきっかけです。
原作漫画のあらすじ|7.5階に監禁された五島
五島は、ビルの7階と8階のあいだにある「7.5階」の部屋に、10年間監禁されます。外に出た五島は、自分を閉じ込めた相手と、その理由を探り始めます。
1巻の第1話は「7.5階の男」という題です。中華料理店の店長が、新入りのバイトに例のビルへの出前の手順を教える場面から始まります。
地下駐車場の社長専用エレベーターで、7階と8階のボタンを同時に押す。止まった先の配管だらけの廊下には、見張りの男が座っています。
その奥にあるのは、テレビと粗末なベッドだけの部屋です。男はそこに閉じ込められ、食事は扉の小窓から差し入れられます。
窓の無い部屋で、男はテレビのニュースを見ながら腕立て伏せをし、食事をとって日々を過ごしています。
監禁を解かれた五島は、エリという女性と出会い、恋人になります。
原作漫画で五島が監禁された理由
ここから先は、原作漫画で五島が監禁された理由に触れます。
五島を監禁したのは、少年時代の同級生・柿沼です。理由は、音楽の授業で柿沼が歌った歌を聴いて、五島が泣いたことでした。
同じクラスの陰気な少年だった柿沼の歌に、涙したのは五島だけでした。柿沼は自分の孤独を見抜かれたと感じ、それが許せなかったのです。
この理由は、狩撫麻礼自身の記憶から生まれました。狩撫麻礼は小学生のころ、音楽の授業で課題の歌を見事に歌い上げた同級生の歌を聴いて、泣いたことがあります。
「もしその子が自分に復讐してきたら」という発想が、物語の後半の展開になりました。韓国映画では、この監禁の理由が別のものに書き換えられています。
後半では、五島と恋人のエリが後催眠をかけられていたことも明かされます。二人の出会いさえ、柿沼が計算し尽くしたものでした。
後催眠の展開には、担当編集者も作画の嶺岸信明も驚きました。
8巻の第70話は「後催眠」という題です。五島は奇術ショーをする女性に花束を贈って近づき、女性は「7.5階に関係したことね!?」と口にします。
女性は、後催眠術を破格の報酬で頼んできた男を思い出します。依頼は「まず7.5階に自由に出入りできるようなセッティングを…」というものでした。
原作漫画の結末
ここから先は、原作漫画の結末に触れます。
原作の終盤は、五島と柿沼の直接対決になります。
8巻には「リミット」「セブンdays」「火曜日まで」と、期限を思わせる題の話があります。物語は、柿沼との直接対決の末に決着します。
最終話の題は「花の街」です。
オールドボーイのネタバレ解説と映画版の結末
ここから先は、韓国映画と米映画の真相と結末に触れます。
韓国映画では、オ・デスが愛したミドが実の娘だったと明かされます。米映画も娘をめぐる真相は同じですが、ジョーが自ら監禁部屋へ戻るという別の結末です。

韓国映画のネタバレ|15年の監禁と真相
平凡な会社員オ・デスは、ある日突然拉致され、ベッドとテレビしかない部屋に15年間監禁されます。解放後に現れた謎の男ウジンは、命を懸けて監禁の理由を5日間で解き明かせと迫ります。
監禁中、オ・デスは部屋のテレビで、妻が殺されて自分が犯人にされたことを知ります。解放後は、若い女性ミドの協力を得て犯人捜しに乗り出します。
ここまでの前半は、原作の流れをほぼそのまま映画にしたものです。
ウジンがオ・デスを監禁した理由
ウジンがオ・デスを監禁したのは、高校時代の出来事への復讐でした。オ・デスは、ウジンと実の姉イ・スアが愛し合う姿を目撃し、それを友人に話してしまいます。
噂は学校に広まり、スアは自ら命を絶ちました。姉を深く愛していたウジンは、オ・デスへの復讐を誓います。
パク・チャヌク監督は当初、原作どおりに脚本を書きました。しかし、2時間の映画では観客を納得させられないと考えます。
そこで「それなら恨まれてもしょうがないよね」と思える、映画オリジナルの理由に書き換えました。
ミドの正体
ミドの正体は、オ・デスの実の娘です。ウジンはアルバムを見せて、その事実をオ・デスに突きつけます。
オ・デスとミドは、互いが父と娘だと知らないまま愛し合っていました。これこそが、ウジンの用意した復讐の核心です。
オ・デスは、ミドに真実を知らせないでほしいとウジンに懇願し、自ら舌を切ります。
ラストシーン
復讐を果たしたウジンは、自ら命を絶ちます。オ・デスは催眠術師に、記憶を消してほしいと頼みます。
雪の中でミドと再会したオ・デスは、「愛してる」と抱きしめられ、笑みを浮かべます。
その笑みが、記憶を消せたオ・デスのものなのかどうか。答えは、観る人の受け取り方に委ねられています。
米映画(スパイク・リー版)の結末
米映画のジョーは、真相を知ったあと、自ら元の監禁部屋へ戻る道を選びます。原作とも韓国版とも異なる結末です。

ジョーは酒に酔った夜に拉致され、テレビだけが置かれた部屋に20年間閉じ込められます。解放されたときには、妻殺しの汚名を着せられていました。
黒幕のエイドリアンがジョーを恨んだのは、高校時代の出来事です。ジョーがエイドリアンの妹と父親の関係を言いふらし、一家は破滅しました。
ジョーが心を寄せたマリーは、実の娘でした。真相を明かしたエイドリアンは自殺し、ジョーはマリーに別れを告げて監禁部屋へ戻ります。
韓国版の「姉と弟」は、米映画では「父と妹」に変わっています。1993年から2013年を背景に、「贖罪」をテーマに据えた新しい解釈の作品です。
原作漫画と映画の違い(表)
監禁の年数は、原作が10年、韓国映画が15年、米映画が20年です。監禁の理由と結末も、版ごとに違います。
| 項目 | 原作漫画 | 韓国映画 | 米映画 |
|---|---|---|---|
| 監禁の年数 | 10年 | 15年 | 20年 |
| 監禁した人物 | 柿沼(少年時代の同級生) | イ・ウジン(高校時代の同窓) | エイドリアン |
| 監禁の理由 | 音楽の授業で柿沼の歌を聴き、五島が泣いた | 姉との関係をオ・デスに目撃され、噂を広められた | 妹と父親の関係をジョーに言いふらされた |
| ヒロイン | エリ(後催眠で出会いを仕組まれた恋人) | ミド(実の娘) | マリー(実の娘) |
| 結末 | 柿沼との直接対決の末に決着 | ウジンは自殺し、オ・デスは催眠術師に記憶を消すよう頼む | エイドリアンは自殺し、ジョーは自ら監禁部屋へ戻る |
映画を観る方法
韓国映画は、2022年5月6日に4Kリマスター版が劇場公開されました。配給はKADOKAWAで、4K版はR18+に指定されています。
2004年の初公開時はR15+でしたが、4K版は映像が鮮明になったことからR18+になりました。18歳未満は観られない区分です。
米映画は2014年6月28日に日本で公開されました。配給はブロードメディア・スタジオで、区分はR15+です。
韓国映画(2003年)は、U-NEXTで見放題で配信されています(2026年11月時点)。
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オールドボーイのネタバレに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 原作漫画と映画で結末は違いますか?
A. 違います。原作は、柿沼との直接対決の末に決着します。韓国映画はウジンが自殺し、オ・デスが催眠術師に記憶を消すよう頼む結末です。米映画では、ジョーが自ら監禁部屋へ戻ります。
Q2. 原作漫画にも映画のような姉弟の関係は出てきますか?
A. 原作の監禁の理由は、少年時代の音楽の授業で、柿沼の歌を聴いた五島が泣いたことです。姉弟の関係は、パク・チャヌク監督が書き換えた映画オリジナルの理由です。
Q3. 主人公はなぜ監禁されたのですか?
A. 版ごとに理由が違います。
- 原作漫画:音楽の授業で柿沼の歌を聴き、五島が泣いたから
- 韓国映画:ウジンと姉の関係をオ・デスが目撃し、噂を広めたから
- 米映画:エイドリアンの妹と父親の関係を、ジョーが言いふらしたから
Q4. ミドの正体は何ですか?
A. 韓国映画のミドは、オ・デスの実の娘です。原作のエリは、後催眠によって五島との出会いを仕組まれた恋人として描かれます。
Q5. 米映画(ハリウッド版)の結末はどうなりますか?
A. ジョーが愛したマリーは実の娘で、真相を明かしたエイドリアンは自殺します。ジョーはマリーに別れを告げ、自ら元の監禁部屋へ戻ります。
オールドボーイのネタバレのまとめ
『オールドボーイ』は、版ごとに監禁の理由と結末が違う復讐劇です。
- 原作漫画の五島は、ビルの7.5階に10年間監禁される
- 原作で五島を監禁したのは、少年時代の同級生・柿沼
- 原作の理由は、音楽の授業で柿沼の歌を聴き、五島が泣いたこと
- 原作の物語は、柿沼との直接対決の末に決着する
- 韓国映画の理由は、ウジンと姉の関係をオ・デスが目撃し、噂を広めたこと
- 韓国映画のミドはオ・デスの実の娘で、ウジンは最後に自殺する
- 米映画のジョーは、真相を知ったあと自ら監禁部屋へ戻る

