湊かなえさんの『落日』は、15年前の一家殺害事件を映画監督と脚本家が追う長編ミステリーです。事件の夜、妹の立石沙良を刺したのは兄の立石力輝斗でした。
沙良は嘘で周りの人を壊してきた人物で、真尋の姉・千穂の死にも沙良の嘘が関わっていました。香が幼いころベランダで指先を触れ合わせた相手も、沙良ではなく力輝斗です。
記事のポイント
- 事件の夜に沙良を刺したのは兄の力輝斗
- ベランダの「あの子」は沙良ではなく力輝斗
- 千穂の事故には沙良の嘘の連絡が関わっていた
- ドラマ版はWOWOWの連続ドラマW・全4話
落日(湊かなえ)のネタバレとあらすじ
物語は、映画監督・長谷部香の幼いころのベランダの記憶と、15年前に笹塚町で起きた一家殺害事件をめぐって進みます。

落日はどんな小説?
『落日』は湊かなえさんの書き下ろしの長編ミステリーで、2019年9月に角川春樹事務所から刊行されました。タイトルの似た漫画『落日のパトス』とは別の作品です。
作品の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作者 | 湊かなえ |
| ジャンル | 書き下ろしの長編ミステリー |
| 単行本 | 角川春樹事務所/2019年9月/384ページ |
| 文庫 | ハルキ文庫/2022年8月9日/432ページ |
| 文学賞 | 直木賞の候補作 |
| 映像化 | WOWOW「連続ドラマW」(2023年・全4話) |
| 脚本家の名前 | 甲斐真尋(文庫の紹介では甲斐千尋) |
『落日』は、湊かなえさんにとって4度目の直木賞候補作でした。タイトルには「日が沈むからこそ、また日は昇る。今日が終わることで明日も来る。」という思いを込めたと語っています。
同じ作者の作品では、湊かなえ『未来』のネタバレと結末の解釈もまとめています。
原作の小説は、ハルキ文庫で読めます。
2023年のドラマ化
『落日』は2023年に、WOWOWの「連続ドラマW」で全4話のドラマになりました。初回の放送は2023年9月10日です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 枠 | WOWOW 連続ドラマW |
| 話数 | 全4話(各話48〜54分) |
| 初回放送 | 2023年9月10日 |
| 監督 | 内田英治 |
| 脚本 | 篠﨑絵里子 |
| 音楽 | 小林洋平 |
| 主演 | 北川景子(長谷部香) |
| 受賞 | 2024年日本民間放送連盟賞 テレビドラマ番組 優秀 |
北川景子さんの主演で、真尋を演じた吉岡里帆さんとはこのドラマが初共演でした。
主な登場人物
物語の中心にいるのは、映画監督の長谷部香と脚本家の甲斐真尋、そして事件の当事者である立石家の兄妹です。
| 人物 | ドラマのキャスト | 立場 |
|---|---|---|
| 長谷部香 | 北川景子 | 新進気鋭の映画監督。笹塚町の事件を映画にしようとする |
| 甲斐真尋 | 吉岡里帆 | 新人脚本家。笹塚町は生まれ故郷 |
| 立石力輝斗 | 竹内涼真 | 事件のとき引きこもりだった兄。判決は確定している |
| 立石沙良 | 久保史緒里(乃木坂46) | 力輝斗の妹。事件の被害者で、当時は高校生 |
| 甲斐千穂 | 駒井蓮 | 真尋の姉 |
| 大畠凜子 | 黒木瞳 | 真尋の師である大物脚本家 |
あらすじ|映画監督の香と脚本家の真尋
新進気鋭の映画監督・長谷部香は、新人脚本家の甲斐真尋に映画の脚本を相談します。元になるのは、15年前の一家殺害事件です。
ベランダの記憶
小説の書き出しは「思い出すのは、あの子の白い手。」です。語られるのは、香が幼いころに住んでいたアパートのベランダの記憶でした。
幼稚園に入った年から、香には夕飯のあとに「勉強の時間」がありました。母に「出ていって」と言われると、夜のベランダに出されます。初めて閉め出されたのは、雪の日でした。
隣との境の仕切り板の下には、すき間があります。そこから、自分と同じくらいの大きさの白い手が覗いていました。爪は汚れていて、中途半端に伸びています。
二人は指先をトントントンと三回叩き合います。香が人差し指でコンクリートに「かおり」と名前を書くと、相手は星の絵を返しました。ニコニコマークも描き合います。
母に「もう、入りなさい」と呼ばれて、その夜は終わります。ほかの場所であの子に会えていたら、わざと間違えることはしなかった——香はそう振り返っています。
15年前の一家殺害事件
事件は15年前、笹塚町で起きた「笹塚町一家殺害事件」です。引きこもりだった兄の立石力輝斗が、高校生の妹・沙良を自宅で刺しました。そのあと家に火をつけ、両親も亡くなっています。
笹塚町は、真尋の生まれ故郷でもあります。判決も確定しているこの事件を、香はなぜ撮りたいのか。真尋は事件とどう向き合うのか。二人は事件を調べるうちに、隠されていた真実にたどり着きます。
落日の結末ネタバレ|事件の真相
ここから先は、『落日』の結末と事件の真相に触れます。
15年前の事件の夜、妹の沙良を刺したのは兄の力輝斗でした。
ベランダの「あの子」は力輝斗だった
事件の夜に沙良を刺した力輝斗こそ、香が幼いころ仕切り板越しに指先を触れ合わせた「あの子」でした。沙良は嘘で周りの人を壊してきた人物で、真尋の姉・千穂の死にも沙良の嘘が関わっています。
香は、仕切り板の向こうにいた子を沙良だと思っていました。書き出しの「あの子の白い手」は、力輝斗の手だったことになります。
ドラマでは第2話で、あの子は沙良ではなく力輝斗だったのでは、という疑いが浮かびます。
沙良という人物と千穂の事故
事件の被害者だった沙良には、虚言癖がありました。嘘を重ねて、周りの人が大切にしているものを壊してきた人物です。
真尋の姉・千穂は、力輝斗と心を通わせていました。ドラマの第4話では、二人が恋人同士だったことが明らかになります。
その千穂は、事故で亡くなっています。真尋と香がたどり着いたのは、沙良が千穂を呼び出した嘘の連絡が、事故のきっかけになったという答えでした。
事件の夜に起きたこと
事件の夜、力輝斗は沙良の挑発を受けて、沙良を刺しました。
湊かなえさんは、事実と真実を分けて考えたと語っています。真実とは「そういう行為に至るまでの心の動きも含めたもの」だといいます。
ドラマ版のキャストと配信
ドラマ版は、北川景子さんが長谷部香を、吉岡里帆さんが甲斐真尋を演じました。全4話はWOWOWオンデマンドで見られます。
| 役名 | キャスト |
|---|---|
| 長谷部香 | 北川景子 |
| 甲斐真尋 | 吉岡里帆 |
| 立石力輝斗 | 竹内涼真 |
| 立石沙良 | 久保史緒里(乃木坂46) |
| 大畠凜子 | 黒木瞳 |
| 甲斐千穂 | 駒井蓮 |
| 神池正隆 | 高橋光臣 |
| 橘イツカ | 田中萌 |
| 佐々木信吾 | 浜田学 |
| 甲斐良平 | 宮川一朗太 |
| 長谷部真理 | 真飛聖 |
| 山上道也 | 小林隆 |
沙良役の久保史緒里さん(乃木坂46)は、このドラマがWOWOWドラマ初登場でした。
落日に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 落日の犯人は誰ですか?
A. 15年前の事件の夜に妹の沙良を刺したのは、兄の立石力輝斗です。沙良の挑発を受けてのことでした。
Q2. ベランダで香と指を触れ合わせた子は誰ですか?
A. 沙良ではなく力輝斗です。香は仕切り板の向こうの子を沙良だと思っていましたが、実際は兄の力輝斗でした。
Q3. ドラマ版は何話ですか?
A. 全4話です。WOWOWの連続ドラマWで、2023年9月10日から放送されました。各話は48〜54分です。
Q4. ドラマ版はどこで見られますか?
A. WOWOWオンデマンドで全4話を見られます。
まとめ|落日(湊かなえ)のネタバレ
『落日』で、事件の夜に沙良を刺したのは兄の力輝斗です。
- 香がベランダで指先を触れ合わせた「あの子」は、沙良ではなく力輝斗
- 沙良は虚言癖があり、周りの人の大切なものを壊してきた
- 千穂と力輝斗は心を通わせていた(ドラマでは恋人同士)
- 千穂の事故は、沙良が千穂を呼び出した嘘の連絡がきっかけ(真尋と香がたどり着いた答え)
- ドラマはWOWOWの連続ドラマW・全4話(2023年)
小説が原作のミステリーでは、容疑者Xの献身のネタバレと結末も記事にしています。

