単行本21巻が世に出たのは2009年3月13日。『NANA―ナナ―』はそこから16年以上、続きが描かれないまま止まっています。それでも、ハチ(小松奈々)があのあとどうなったのか、タクミとの結婚生活は続いているのか、子供の父親は結局誰なのか——という疑問を抱えたままの読者は、今もとても多いはずです。実はハチのその後については、単行本21巻の内容に加えて、雑誌『Cookie』にだけ掲載された未収録話(81〜84話)や、本編の随所に差し込まれた未来シーンから、読み取れることがかなりあります。ただし、そこには「本編で確定していること」と「ファンの考察にすぎないこと」が入り混じっているのも事実。この記事では、その2つをきちんと切り分けながら、ハチの結婚・子供・ナナやノブとの関係がどこまで描かれたのかを一つずつ見ていきます。
記事のポイント
- ハチ(小松奈々)のその後と結婚生活が本編でどこまで描かれたか
- 子供(皐・チビ蓮)の父親をめぐるタクミ説とノブ説の中身
- 単行本21巻の続きにあたる未収録の81〜84話の内容
- ナナやノブとの関係の行方と、休載により未描写のまま残された部分
NANAのハチとは?その後と結婚を整理
まずは前半として、ハチというキャラクターの現在地を確認したうえで、タクミとの結婚生活、子供(皐・チビ蓮)をめぐる描写、そしてナナとの関係のその後を順に見ていきます。物語の核心に踏み込む内容が続くので、これから原作を読む予定の方は注意してくださいね。
この先はNANA本編終盤(21巻)および雑誌未収録話の展開に触れます。物語の核心となるネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

結論|ハチの現在地の早見表
最初に、答えを先出ししておきます。単行本21巻と雑誌未収録の81〜84話まで、つまり現時点で読める範囲の到達点で、ハチの状況はこうなっています。「確定」は本編・雑誌掲載分で描かれている事柄、「考察」は読者のあいだで語られている解釈で、原作では断定されていないものです。
| 項目 | 21巻+未収録話時点の状況 | 扱い |
|---|---|---|
| 名前 | 小松奈々。タクミとの結婚後は一ノ瀬奈々 | 確定 |
| 結婚 | タクミと入籍。結婚生活は継続中のまま物語が中断 | 確定 |
| 子供 | 未来シーンに皐(さつき)とチビ蓮の2人が登場 | 確定 |
| 子供の父親 | タクミ説が優勢だが、原作に確定描写はない | 解釈割れ |
| ナナとの関係 | 未来シーンでナナの失踪が示唆されるとする読み解きがある | 考察 |
| ノブとの関係 | 未来シーンに親密さを感じさせる描写があるとされる | 考察 |
| 物語の続き | 2009年から休載中。公式な続きは存在しない | 確定 |
こうして並べると、ハチの人生の大枠(結婚・出産)は描かれている一方で、その帰結にあたる部分はほとんど白紙のまま残されていることがわかります。ちなみに「ハチ」というあだ名は、ナナ(大崎ナナ)が奈々を初めて見たときに「妙になつっこくて従順なんだけどすっげぇ世話がかかる犬みたい」と発言したことがきっかけ。同じ「ナナ」だと紛らわしいこともあって、以後メンバーから「ハチ」「ハチ子」と呼ばれるようになりました。犬の「ハチ公」にかけた、少し意地悪で愛のあるネーミングです。
ハチとタクミの結婚生活
ハチとタクミの結婚は、幸せいっぱいのゴールインとは言いがたい経緯で成立しています。本編では、トラネスのレンとレイラの熱愛が週刊誌にスクープされ、それをもみ消す形でハチとタクミが入籍するという流れが描かれました。しかもハチ自身は、この結婚が事務所側の思惑を含んだ「もみ消し」だったことを知らされておらず、当初は素直に結婚を喜んでいたんです。この構図を知ってから読み返すと、なんとも切ない場面ですよね。
結婚後の生活も、順風満帆とは言えません。タクミは仕事の合間に気が向いたときだけハチのもとへ顔を出す、という関係が続きます。ハチのほうも、会えない期間に元恋人のノブへ気持ちが揺れ動くことがあったと描かれており、この夫婦がお互いだけを見つめ合っていたとは言いにくい状態でした。さらに読者考察としては、ハチは最初からタクミを好きだったわけではなく、失業やノブとの別れ、ブラストのメンバーとの疎遠感からくる寂しさを埋める相手として頼った、という解釈もあります。妊娠がわかったとき、経済面やタイミングの事情からタクミを選んだ、とする読み方ですね。ただし、これはあくまで考察サイトなどで語られている解釈で、原作の地の文で明言されたものではありません。
そして21巻で描かれるレンの死のあと、夫婦の空気はさらに変わっていきます。タクミが仕事とレイラとの関係を優先して家庭を顧みなくなり、友人の淳子から離婚を勧められるほど関係が悪化している、とする読み解きが考察サイトでは紹介されています。とはいえ、二人が実際に離婚するのかどうかは原作で一切描かれていません。「関係がこじれている描写・解釈がある」というところまでが、現時点で言える範囲です。
子供(皐・チビ蓮)と父親をめぐる描写
ハチの子供については、本編のおおよそ12巻前後から断片的に差し込まれる「未来シーン」に、幼い子供たちの姿が登場します。Wikipediaの登場人物解説では、皐(さつき)はタクミと奈々の娘で、名付け親は本城蓮(レン)、蓮(チビ蓮)はタクミと奈々の長男でギタリストと記載されています。つまり公的な人物紹介のうえでは、2人ともタクミとハチの子として扱われているわけです。
ところが、ここに面白いねじれがあります。同じWikipediaのチビ蓮の項目に、「父親の本城蓮に容姿が似ている」という記述が同時に存在するんです。タクミの子と書きながら、容姿は本城蓮似——この二重記載こそが、ファンのあいだで長年続く「子供の父親論争」を象徴しています。実際の論点を分けると、こうなります。
まずタクミ説。ハチ自身が「子供はたぶんタクミの子だと思った」と受け止める描写があるとされ、法律上の父親も入籍したタクミです。さらに、ノブは交際期間中に避妊をしており、ナナに問い詰められた際も避妊なしの関係を否定した、という点を根拠に挙げる考察があります。一方のノブ説は、故・本城蓮が生前「(チビ蓮は)ノブの子では」と直感的に口にしたとされる場面や、チビ蓮がギターを弾く姿がノブと重なること、未来シーンでノブが幼い蓮を気にかける様子が実の父親のような安堵の表情に見える、という読者解釈が根拠です。名前についても、皐は本来「女の子が生まれたらつけたい」とハチがレンに考えてもらった名前で、先に生まれたのが男の子(チビ蓮)だったため第二子の女の子に付けられた、とする考察があります。
なお、ハチ・タクミ・ノブ・ナナといった人物たちの関係の全体像は、NANAの登場人物と相関関係をまとめた記事で俯瞰できるようにしています。誰と誰がどうつながっているのか曖昧になってきた方は、あわせてどうぞ。
ハチとナナの関係のその後
NANAという作品の背骨は、なんといってもハチとナナ、二人の「ナナ」の関係です。では、その友情はどこへ向かったのでしょうか。読者のあいだで概ね一致している読み解きとしては、ハチがタクミとの家庭生活に入っていく過程で、二人は少しずつ疎遠になっていった、とされています。そして未来シーンでは、ナナの行方がわからなくなっている(失踪)ことが示唆され、ナオキがロンドンでナナを捜しているという描写がある、とする考察が複数のファンサイトで語られています。
ただ、ここは慎重に受け止めたいところです。ナナの失踪は原作で断片的にしか示唆されておらず、確定した出来事として断言できる状態ではありません。二人が和解するのか、再会できるのか——その答えは、休載によってまだ描かれていないんです。ちなみに雑誌未収録の81〜84話では、レンの死で言葉を失ったナナを、ハチが寮に移り住んでまで支える姿が描かれています。詳しくは後半で紹介しますが、少なくとも読める範囲の最後の時点で、ハチはナナのそばにいました。この事実だけでも、少し救われる気がしませんか。
ハチの物語はどこまで描かれた?
後半では、ハチの物語が「公式にどこまで描かれているのか」という到達点を確認します。単行本21巻の先にある雑誌未収録の81〜84話の中身、ノブとの関係の行方、そしてよくある質問への回答まで。読める範囲と読めない範囲の境界線を、ここではっきりさせておきましょう。

単行本21巻の到達点と未収録の81〜84話
NANAの単行本は、2009年3月13日発売の21巻が最終刊です。ただし、物語はそこで完全に止まったわけではありません。雑誌『Cookie』の2009年4月号から7月号にかけて、第81話〜84話が掲載されており、この4話分は現在も単行本に収録されていません。つまり「本当のラスト」を知るには、この未収録話の存在を押さえておく必要があるんです。各話の内容は次のとおりです。
| 話数 | 掲載号 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 第81話 | 2009年4月号 | 東京に戻ってきたみんなの様子が描かれる |
| 第82話 | 2009年5月号 | ハチがナナの住む寮に来て半月。ノブと、生まれてくる子供の名前を「さつき」にする相談をする |
| 第83話 | 2009年6月号 | ハチとノブが抱き合って泣く。言葉を失っていたナナが久しぶりに口を開く |
| 第84話 | 2009年7月号 | 寮のメンバーで鍋を囲む。ハチはレイラの見舞いに行くか迷う |
内容を補足すると、レンの死のショックでナナは言葉を発せなくなり、ハチはナナを支えるため、ナナが住む「四海の寮」にしばらく移り住みます。84話では、ハチが「タクミもレイラさんを好きに見える」と思いを巡らせる描写もあり、夫婦の危うさは最後の掲載分まで尾を引いていました。ここで一つ、時系列の注意点があります。この81〜84話は21巻の直後に続く「現在」のパートです。一方、皐やチビ蓮が幼い姿で登場する場面は、本編の途中に差し込まれてきた「未来シーン」のパート。両者は時系列上、別のレイヤーの話なので、「未収録話で子供の名前を相談しているのに、未来シーンではもう子供がいる」ことは矛盾ではありません。
そして2009年6月末、矢沢あいさんの体調不良(病気療養)により、NANAは無期限休載に入りました。2026年7月現在まで16年以上休載が続いており、連載再開の具体的な時期は集英社から発表されていません。つまり、21巻と未収録の81〜84話より後の「公式な続き」は、この世に存在しないということです。ハチとタクミの結婚の帰結も、子供たちの成長後の姿も、ナナとの再会も、すべて未描写のまま。なぜNANAが完結しないのか、休載の経緯や再開をめぐる状況を深く知りたい方は、NANAが完結しない理由を掘り下げた記事のほうで詳しくまとめています。
ここまで読んで原作を読み返したくなった方は、電子書籍ならコミックシーモアで全巻そろえられます。
ハチとノブの関係
ハチのその後を語るうえで避けて通れないのが、元恋人ノブとの関係です。未収録の83話では、ハチとノブが抱き合って泣く場面が描かれ、その直後、しばらく話せなかったナナが久しぶりに言葉を発して、ノブに「アンタはハチの幸せのために身を引いたんだよな?」という趣旨のセリフを投げかけます。ハチとノブのあいだに、結婚後もなお特別な感情が流れていることを感じさせる、印象的な場面です。
さらに未来シーンにも、二人の親密さをうかがわせる描写があります。12巻の花火大会の場面や、18巻の707号室の場面などで、ノブとハチが手を握り合ったり肩に寄り添ったりする姿が描かれており、これを「不倫的な関係」ではなく「お互いを思いやる深い関係」と読み解く考察が知られています。ただし、二人の交際が再開したという明言は原作のどこにもありません。親密さを感じさせる描写がある、という考察レベルの話であって、ハチとノブが結ばれる未来が確定しているわけではない点は、はっきりさせておきたいところです。
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NANAのハチに関するよくある質問(FAQ)
Q1. ハチの子供(皐・チビ蓮)の父親はタクミですか?
A. 作中の描写やハチ自身の受け止めからタクミである可能性が高いとされ、法律上の父親もタクミです。ただし原作に血縁を確定させる描写はなく、チビ蓮の容姿や仕草を根拠とするノブ説の考察も存在します。公式には未確定のままです。
Q2. ハチとタクミは離婚しましたか?
A. 離婚は描かれていません。レンの死後にタクミが仕事とレイラとの関係を優先し、友人から離婚を勧められるほど関係が悪化しているとする考察はありますが、結婚生活の帰結は休載により未描写のままです。
Q3. NANAは21巻の後どうなりますか?続きはありますか?
A. 単行本は21巻で止まっていますが、雑誌『Cookie』2009年4月号〜7月号に未収録の第81〜84話が掲載されています。それ以降は休載が続いており、公式な続きは存在しません。連載再開の時期も発表されていません。
Q4. ハチとナナ(大崎ナナ)のその後の関係はどうなりますか?
A. 未来シーンでナナの失踪が示唆され、ナオキがロンドンで捜しているとする考察がありますが、確定した描写ではありません。二人の友情の決着は原作内で描かれないまま休載に入っています。
Q5. NANAはコミックシーモアで読めますか?
A. 2026年7月時点では1巻から21巻まで配信されています。ただし配信状況は時期によって変わる可能性があるため、読む前に公式サイト内で作品名を検索して確認するのが確実です。
まとめ|NANAのハチのその後
ここまで、NANAのハチのその後について、確定している事実と考察を切り分けながら見てきました。最後に要点を振り返っておきます。
ハチ(小松奈々)は、レンとレイラのスクープをもみ消す形でタクミと入籍し、一ノ瀬奈々になりました。未来シーンには娘の皐と長男のチビ蓮が登場しますが、子供の父親はタクミ説が優勢なだけで、原作に確定描写はありません。ナナとの関係は失踪の示唆を含めて決着が描かれておらず、ノブとの親密な描写も考察の域にとどまります。そして単行本21巻の先には、雑誌未収録の81〜84話(2009年掲載)があるものの、それより後の公式な続きは休載により存在しない——これがハチの物語の現在地です。
本記事の内容は、単行本21巻・雑誌掲載分の描写と、出典を確認できた考察をもとにした一つの読み解きです。解釈の分かれる部分は今後の連載で覆る可能性もありますので、正確な情報は公式サイトをご確認ください。そのうえで、ハチの選択をどう受け止めるかは、ぜひご自身の目で原作を読み返して確かめてみてくださいね。