2026年10月22日、『あしたのジョー』の作画を手がけたちばてつやさんが87歳で亡くなりました。
あしたのジョーの最後で、ジョーは世界王者ホセ・メンドーサに判定で敗れ、コーナーの椅子で真っ白に燃え尽きます。生きているのか死んだのかは描かれず、読者に委ねられたままです。
記事のポイント
- 最後の相手は世界チャンピオンのホセ・メンドーサ
- 15ラウンドを戦い抜き、判定で敗れる
- ジョーの生死は描かれず、作者も断言していない
- 結末は講談社コミックスの最終20巻に収録
あしたのジョーの最後はどうなった?最終回のネタバレ
ここから先は、あしたのジョーの最終回と結末のネタバレを含みます。
ジョーは日本武道館で世界王者ホセ・メンドーサに挑み、15ラウンドの末に判定で敗れました。試合を終えたジョーは血のついたグローブを葉子へ渡し、コーナーの椅子で真っ白に燃え尽きます。

最後の相手ホセ・メンドーサ
ジョーが最後に戦った相手は、世界チャンピオンとして君臨する巨人、ホセ・メンドーサです。ジョーはこの一戦に執念を燃やしていました。
東洋王者から世界の王座へ
丹下段平に拾われてボクシングを始めたジョーは、強敵をつぎつぎと倒し、東洋バンタム級チャンピオンにまでのし上がります。残るは世界の王座だけでした。
ホセ戦の直前には、荒れ狂う野獣・ハリマオとの死闘で野生を取り戻しています。
パンチドランカーの体で日本武道館へ
世紀の一戦の舞台は日本武道館です。ところがこのとき、ジョーの体は数々の激戦でパンチドランカー症状にむしばまれていました。
葉子の制止を振り切ってリングへ
ジョーの異変を知った白木葉子は、試合を中止させようと必死に勧告します。試合を前に、ジョーを引き留めて「好きなのよ」と告白もしました。
それでもジョーの心は変わりません。控室で葉子に告げたのは、次の言葉でした。
「リングには世界一の男 ホセ・メンドーサが おれを待っているんだ」「だから…… いかなくっちゃ」
ジョーは自分でドアを開け、控室を出ていきます。
葉子はひとり控室に残り、床に座り込みます。会場の様子は次のとおりです。
- 日の丸の旗と楽隊
- 「世界タイトル…」の横断幕
- 満員の観客
ジョーは「丹下 矢吹」の法被をまとった一行とリングへ向かいました。
15ラウンドの判定負け
ホセ・メンドーサとの試合は15ラウンドに及ぶ激戦の末、判定までもつれました。結果はジョーの判定負けです。
ジョーはパンチドランカーの症状を抱えたまま、最後まで世界王者に挑み続けました。世界の王座には届かないまま、物語は幕を閉じます。
真っ白な灰のラストと葉子に渡したグローブ
死闘を終えたジョーは、血のついたグローブを葉子へ渡します。そしてコーナーの椅子に腰かけ、真っ白に燃え尽きた姿で物語は終わります。
燃えたよ真っ白に燃え尽きたの台詞
15ラウンドの激戦を終えたジョーは、こうつぶやきます。
「燃えたよ‥‥真っ白に‥‥燃え尽きた‥‥真っ白な灰に‥‥‥‥」
この「真っ白な灰」は、物語の途中でジョーが紀子とのデートで語った言葉とつながっています。ジョーはそのとき「そして、あとにはまっ白な灰だけがのこる……。燃えかすなんかのこりやしない……。」と話していました。
コーナーの椅子で微笑むジョー
最後の絵のジョーは、コーナーの椅子に座ったまま、少し下を向いて満足そうに微笑んでいます。その生死は、半世紀以上たった今も語り継がれています。
血のついたグローブを葉子へ
判定までもつれた死闘を終えると、ジョーは血のついたグローブを葉子へ渡します。試合前に必死で止めようとした相手です。
この場面には「お世話になった丹下段平に渡すべきだった」という意見もあり、賛否を呼びました。
ジョーは最後に死んだのか?ちばてつやさんの言葉
ジョーが死んだのかどうかは、作中では明かされていません。ちばてつやさんも、生きているとも死んだとも言い切っていません。
生死までは考えずに描いたラスト
ちばてつやさんは、ラストのジョーについて次のように語っています。
「命のエネルギーをすべて、最後の一滴まで出し切って、ただ抜け殻が座っている。何にも残っていない、真っ白い灰になったジョーというイメージ。描いた時は生死のことまで考えていませんでした」
見るときの自分の状態によって、受け止め方が変わるとも話しています。
「私自身も、疲れて参っている時に見ると、ああ死んじゃったのかなと思う。だけど、ちょっと元気な時に見ると、いやジョーは微笑んでいるし、生きているのかな、という気がしてくるんですよ」
大人と子どもで見え方が変わるように
最後の絵は、読む人によって見え方が変わるように描かれています。ちばてつやさんは、こう振り返っています。
「少し下を向いて満足そうに微笑んでいるジョーを見て、大人はジョーが燃え尽きて死んでしまったんだと理解し、子供たちは、ジョーはただ目をつむって休んでいるだけで、明日にはまたサンドバッグを叩いて世界タイトルを目指すんだろうな、と考えられるように描いたんです。」
燃え尽きると真っ白な灰になる
ちばてつやさんは、ファンから生死を尋ねられたときのことをこう語っています。
「連載が終わった後、ファンの方がお花を持って訪ねてきたことがあります。『ジョーは死んだんですか?』と。私は『真っ黒な炭が燃えると真っ赤になって、燃え尽きると、真っ白な灰になるでしょ』と答えました。」
ちばさんは「力を出し切ったというさわやかさ、すがすがしさを自分で感じていてね。その姿を描いたんです。」とも話しています。
「描き終わった後はもう作品は読者のものなんです。名シーンは読者が選んでくれるものだと思うし」という言葉もあります。
連載末期に届いた助命嘆願
連載の末期には、色濃い死の気配を感じ取った読者から「ジョーが死ぬなんてガマンできない」「ジョーを殺すな!」と助命嘆願の声が殺到しました。
法医学者は生きていると見立てた
法医学者の上野正彦さんは、ラストの絵のジョーを「少なくともこの時点では生きている。すぐに死ぬことはありません。ヘトヘトに疲れているだけで、自分ひとりでリングを降りていくと思いますよ。」と見立てています。
これは絵を見た専門家の見方で、ちばてつやさんの描いた意図とは別のものです。
梶原一騎の当初の結末とラストが変わった経緯
あのラストシーンは、梶原一騎さんの原作のままではありません。ちばてつやさんが梶原さんに電話をかけ、ラストを変えたものです。
ちばさんの記憶にある当初の原作
ちばてつやさんが覚えている原作の結末は、次のような場面でした。
- 試合のあと、うなだれたジョーに段平が「お前は試合には負けたが、ケンカには勝ったんだ」と言って慰める
- 場面が変わって白木邸。ジョーが家のベランダに座り、ぼんやりと日向ぼっこをしている
ただし、梶原さんから受け取った原作の場面は、ちばさん自身も正確には覚えていません。ちばさんは「このラストも、素晴らしいと思ったけど」「でも、やっぱりちょっと違う気がしてね」と語っています。
原作者・梶原一騎さんが書き残した言葉
原作者の梶原一騎さんは、自伝『劇画一代』でこの作品の結末を「リングに死すの結末となり」と記しています。続けて、次のようにも書きました。
「復活させろとの手紙や電話に悩まされている昨今、この場を借りてお断りしておく。ジョーは燃え尽きたのデス、真っ白に……。」
当初の原作がどんな結末だったのか、細かいところは今もはっきりしていません。
ラストを変えた電話と理由
ちばてつやさんは、梶原さんとの電話のやりとりをこう振り返っています。
「ラストを変えさせてください、と梶原さんに電話したら、『いままで好き放題変えてきたクセに、今更なんだ。任せる!』ってガチャっと切られちゃいました」
変えた理由として、ちばさんは力石の葬儀に来たファンや、カーロス・リベラたちのことを挙げています。
「いいラストだと思ったのですが、力石の葬式に来てくれたファンの人たちや、その後に登場したカーロス・リベラとかのキャラクターのことを考えた時に、どうしてもちょっと違うなと」
新しいラストのきっかけは、紀子とのデートの台詞です。
ちばさんは「『あしたのジョーの核がここにある』と編集者さんに言われてね。そこを読み返した時にラストシーンがふっと浮かんだんです。あれだけ苦しんだラストシーンはありませんでした」と語っています。
梶原一騎さんの長男・高森城さんは「ちば先生と梶原が組んで、奇跡的な化学反応を起こしてきた。連載中、お互いが戦っていた中で、あの最後まで一緒に作り上げたと言えるのではないでしょうか。」と話しています。
連載の終了は1973年・全20巻で完結
あしたのジョーは、週刊少年マガジン1973年5月13日号(21号)で連載を終えました。単行本は講談社コミックス全20巻で完結しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作者 | 原作 高森朝雄(梶原一騎)・作画 ちばてつや |
| 掲載誌 | 週刊少年マガジン(講談社) |
| 連載開始 | 1968年1月1日号(1967年12月15日発売) |
| 連載終了 | 1973年5月13日号(21号) |
| 単行本 | 講談社コミックス全20巻(最終20巻は1973年6月15日発売) |
原作の高森朝雄は、梶原一騎のもう一つのペンネームです。
描き終えたあとのことを、ちばてつやさんは「描き終えた後は私もジョーのように燃え尽きたような感じで、公園でボーッとしたこともあったんですけど」と語っています。
同じ週刊少年マガジンのスポーツ漫画では、あひるの空の完結と休載の現状をまとめた記事もあります。
あしたのジョーの最後と力石の死・アニメ・読み方
ここから先は、力石徹の死とアニメ版の最終回のネタバレを含みます。
あしたのジョーの最後につながる大きな出来事が、力石徹の死です。アニメでは『あしたのジョー2』の最終回、第47話「青春はいま…燃えつきた」がホセ戦を描いています。

力石徹の死と葬儀
ジョーの宿命のライバル・力石徹は、ジョーとの試合でKO勝ちを収めた直後に倒れ込み、絶命します。舞台は後楽園ホールのリングでした。
壮絶な減量の末の死
少年院で出会った力石を、ちばてつやさんは大男として描きました。そのため、ジョーと同じバンタム級で戦うための壮絶な減量のエピソードが加えられています。
テレビアニメの制作側からは「なんとか力石を残してほしい」との要望もありました。それでも梶原一騎さんもちばてつやさんも折れず、力石の死は描かれました。
寺山修司の呼びかけで開かれた葬儀
力石の死は大きな反響を呼び、1970年3月には実際に葬儀が開かれました。呼びかけたのは、熱烈なファンだった劇作家の寺山修司さんです。
会場は講談社の講堂で、約1万通の弔電が届きました。梶原一騎さんとちばてつやさんも、力石の遺影の前で静かに手を合わせています。
あしたのジョー2の最終回
『あしたのジョー2』は全47話のテレビアニメです。最終回の第47話「青春はいま…燃えつきた」で、ホセ・メンドーサ戦が描かれます。放送は1980年10月13日から1981年8月31日まで、日本テレビでした。
ホセ戦は第45話から第47話
ホセ・メンドーサとの試合は、最後の3話で描かれます。
- 第45話「ホセ対ジョー…闘いのゴングが鳴った」
- 第46話「凄絶…果てしなき死闘」:パンチドランカーのため、ジョーが右目の視力を失いかけているとわかる
- 第47話「青春はいま…燃えつきた」:ジョーはホセと同じようにディフェンスをし、コークスクリューまで繰り出し始める。倒されても這い上がってくるジョーに、ホセは未知の恐怖を抱く
『あしたのジョー2』の始まりとスタッフ
物語は、力石徹を死なせてしまったショックで、ジョーが戦意を失い自暴自棄な生活を送っているところから始まります。
- 監督:出崎統
- アニメーション制作:東京ムービー
- 監修:梶原一騎、ちばてつや
- ホセ・メンドーサの声:宮村義人
『あしたのジョー2』の第1話は、TMSアニメ公式チャンネルの動画で見られます(2026年10月時点)。
1作目のテレビアニメは全79話
1作目のテレビアニメ『あしたのジョー』は全79話で、放送は1970年4月1日から1971年9月29日までフジテレビ系でした。出崎統さんがチーフ・ディレクターを務めました。
- 矢吹丈:あおい輝彦
- 丹下段平:藤岡重慶
- 力石徹:仲村秀生
劇場版と実写映画
あしたのジョーは劇場版アニメもつくられ、実写化は1970年と2011年の2度行われています。
劇場版アニメ
- 『劇場版 あしたのジョー』:1980年3月8日公開。監督は福田陽一郎、チーフ・ディレクターは出崎統
- 『あしたのジョー2 劇場版』:1981年7月4日公開。監督は出崎統
実写化は1970年と2011年
実写化は、1970年が石橋正次さんの主演、2011年が山下智久さんの主演です。
2011年の『あしたのジョー』は2月11日公開、131分の作品で、配給は東宝です。
- 監督:曽利文彦
- 矢吹丈:山下智久
- 力石徹:伊勢谷友介
- 白木葉子:香里奈
- 丹下段平:香川照之
講談社コミックス全20巻と文庫版全12巻
原作をラストまで読むなら、講談社コミックス全20巻か、講談社漫画文庫全12巻です。ホセ・メンドーサ戦と結末は、講談社コミックスの最終20巻に収められています。
講談社コミックス全20巻
1巻は1970年3月7日、最終20巻は1973年6月15日に発売されました。電子版もあり、最終20巻は講談社の作品ページから試し読みできます(2026年10月時点)。
ホセ・メンドーサ戦と真っ白な灰のラストは、最終20巻に収められています。
あしたのジョー(20)(週刊少年マガジンコミックス)
ホセ・メンドーサとの世界タイトルマッチと、真っ白な灰のラストを収めた最終20巻(Kindle版)です。
Amazonの参考価格 ¥594(2026/10/27時点)
講談社漫画文庫全12巻
文庫版は全12巻で、最終12巻<完>は2000年11月1日に発売されました。
まとめ読みできるほかの版
- 講談社プラチナコミックス「最後の闘い、世界タイトルマッチ!編」:2007年2月14日発売・356ページ
- KCデラックス 976ページ版:2008年5月16日発売。週刊少年マガジンの創刊50周年を記念して再編成した1冊(全話の収録ではない)
ほかの名作のあらすじは、名作漫画のあらすじをまとめた記事で紹介しています。
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『あひるの空』は完結していません。週刊少年マガジンの2026年10月21日発売の47号も、作者体調不良のため休載です。 最後に載ったのは、2019年5月15日の第616話(414話)「FIN⑳」です。 ...
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あしたのジョーの最後に関するよくある質問(FAQ)
Q1. あしたのジョーの最終回でジョーは死んだのですか?
A. 作中では明かされていません。ちばてつやさんは「描いた時は生死のことまで考えていませんでした」と語り、力を出し切って燃え尽きた姿を描いたとしています。
Q2. ジョーのその後や後日談は描かれていますか?
A. 原作は、コーナーの椅子で燃え尽きたジョーの姿で終わり、その先は描かれていません。原作者の梶原一騎さんは自伝で「ジョーは燃え尽きたのデス、真っ白に……。」と書いています。
Q3. あしたのジョーの最終回は何巻に入っていますか?
A. 講談社コミックスの最終20巻です(1973年6月15日発売)。文庫版は全12巻です。
Q4. あしたのジョーのアニメは全何話ですか?
A. 1作目の『あしたのジョー』は全79話、『あしたのジョー2』は全47話です。ホセ・メンドーサ戦は『あしたのジョー2』の最終回、第47話「青春はいま…燃えつきた」で描かれます。
Q5. あしたのジョーの原作はどこで読めますか?
A. 講談社コミックス全20巻と講談社漫画文庫全12巻があり、講談社コミックスは電子版も出ています。最終20巻は講談社の作品ページから試し読みできます(2026年10月時点)。
まとめ|あしたのジョーの最後
あしたのジョーの最後は、世界王者ホセ・メンドーサとの15ラウンドを戦い抜いたジョーが、真っ白に燃え尽きる場面です。
- 舞台は日本武道館。ジョーはパンチドランカー症状を抱えたまま挑む
- 試合は判定にもつれ、ジョーの判定負け
- 試合後、ジョーは血のついたグローブを葉子へ渡す
- 「燃えたよ‥‥真っ白に‥‥燃え尽きた‥‥真っ白な灰に‥‥‥‥」の台詞
- 生死は描かれず、ちばてつやさんは「生死のことまで考えていませんでした」と語る
- ラストは梶原一騎さんの原作から、ちばてつやさんが変えたもの
- 連載は1973年5月13日号で終了し、講談社コミックス全20巻で完結

