石化病メドゥーサの治療法を未来に託し、選ばれた160人がコールドスリープにつきます。岩原裕二の漫画『いばらの王』は、目覚めたら城がいばらに覆われていた、という場面から動き出す物語です。
2010年には劇場アニメにもなりました。漫画と映画では設定も主人公の描き方も違います。
記事のポイント
- 劇場アニメのカスミは、亡くなった本物のカスミの代わりにシズクの力で生まれた存在
- 劇場アニメのラストでマルコは息を引き取る
- 原作漫画は全6巻で完結し、劇場アニメはカスミを主人公に据えて物語を組み直した
- 原作1巻の終盤では、マルコ・オーエンの素性に疑いがかかる
いばらの王のネタバレ|映画の結末と原作1巻のあらすじ
ここから先は、劇場アニメの結末とカスミの正体に触れます。
劇場アニメのカスミは、亡くなった本物のカスミの代わりに、シズクの力で生み出された存在でした。最後はマルコが息を引き取ります。

作品の基本情報|原作は全6巻・映画は2010年公開
『いばらの王』は、岩原裕二が月刊コミックビームで連載した漫画です。単行本は全6巻で、2010年5月1日に劇場アニメが公開されました。
原作漫画のデータ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作者 | 岩原裕二 |
| 連載誌 | 月刊コミックビーム |
| 連載期間 | 2002年10月号〜2005年10月号 |
| 単行本 | 全6巻(エンターブレイン) |
単行本は全6巻
1巻は2003年4月25日、最終6巻は2005年10月24日に発売されました。
| 巻 | 発売日 |
|---|---|
| 1巻 | 2003年4月25日 |
| 2巻 | 2003年9月25日 |
| 3巻 | 2004年2月25日 |
| 4巻 | 2004年9月25日 |
| 5巻 | 2005年5月30日 |
| 6巻 | 2005年10月24日 |
劇場アニメのデータ
劇場アニメ『いばらの王 -King of Thorn-』は、サンライズが制作したアニメ映画です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開日 | 2010年5月1日 |
| 上映時間 | 109分 |
| 監督 | 片山一良 |
| 脚本 | 山口宏、片山一良 |
| アニメーション制作 | サンライズ |
| 配給 | 角川映画 |
| 主題歌 | MISIA「EDGE OF THIS WORLD」 |
劇場アニメの声の出演
主人公カスミの声は花澤香菜です。
- カスミ:花澤香菜
- マルコ:森川智之
- シズク:仙台エリ
- キャサリン:大原さやか
- ティム:矢島晶子
- ロン:乃村健次
- ピーター:三木眞一郎
- ペッチノ:廣田行生
- ヴェガ:磯部勉
映画の結末|カスミの正体とマルコの最期
劇場アニメの結末で明かされるのは、主人公カスミ自身の正体です。城からの脱出劇は、やがてメドゥーサの秘密へつながっていきます。
目覚めたのは眠ってから48時間後
劇場アニメのカスミは、イバラと怪物が支配する施設で目を覚まします。ところが実際には、眠りについてから48時間ほどしかたっていませんでした。
惨劇から生き残った7人は、施設からの脱出を目指します。
メドゥーサは人の進化をうながす存在
やがて一行の前に、メドゥーサの正体を語る人物が現れます。
作中で明かされるのは、メドゥーサが単なる病気ではなく、人の進化をうながす存在だということです。メドゥーサに適応した人は、思い描いたものを形にできます。
カスミの正体はシズクが生んだもう一人のカスミ
本物のカスミは、亡くなっていました。双子のシズクはそのショックで力を暴走させ、もう一人のカスミを生み出します。
カプセルで目覚めた主人公のカスミこそ、そうして生まれた存在です。作中では、こうして形になった存在をオルタナティブと呼びます。
劇場アニメでは、シズクが双子の姉、カスミが妹です。
城を覆ういばらは巨大な怪物に
城を覆ういばらも、シズクの力によるものでした。終盤、そのいばらは巨大な怪物の姿に変わります。
マルコの最期
マルコは、最後に息を引き取ります。
原作漫画1巻のあらすじ|160人の眠りと目覚め
原作漫画の1巻では、カスミがコールドスリープで眠り、いばらに覆われた城で目覚めます。終盤では、マルコ・オーエンの素性に疑いがかかります。
石化病メドゥーサとコールドスリープ
原作のメドゥーサは、感染して6週間で発作を起こし、6時間で細胞が石化して死に至る病気です。治療法はまだありません。
その治療法を未来に託す場所が、13世紀の城砦を改築したコールドスリープカプセルセンターです。眠りにつけるのは、選ばれた160人だけでした。
双子のシズクに送り出されたカスミ
カスミとシズクは双子です。けれど当選したのはカスミだけで、カスミはシズクに説得されて1人で城へ来ました。
シズクの「……生きて」「私の分まで……」という言葉のあと、カスミはカプセルの中で目を覚まします。
目覚めた城はいばらと怪物だらけ
目を覚ますと、カプセルの並ぶ広間は太いいばらに覆われていました。そこへ竜のような怪物の群れが現れ、目覚めたばかりの人たちを襲います。
集まった生き残りは7〜8人ほど。電話はつながらず、何が起きたのかを説明できる人もいません。
長い年月を思わせる台詞と「行きます!」
どれだけ眠っていたのかも分かりません。長髪の男は「16年や20年でこうなるとは思えねえ」と言い、助けは来ないと見て先へ進もうとします。
迷っていたカスミも、シズクがどうなったのかを知りたいと決め、「行きます!」と声を上げます。
崩れた塔と恐竜のような怪物
一行は扉を開けて外へ出ます。塔の天井は崩れ落ち、あたりはまるでジャングルです。そこへ恐竜のような怪物が現れます。
マルコ・オーエンの素性に疑い
1巻の終盤では、長髪の男マルコ・オーエンに疑いの目が向けられます。上院議員は、マルコがCIAの秘密口座を不正操作して捕まっていたはずだと責め立てます。
議員によれば、マルコならセンターのコンピューターを操作して、160人に選ばれることもできたはずです。カルテを改ざんして、メドゥーサの患者になりきることさえできた、と言うのです。
さらにマルコのブレスレットのフィルムには、病気の進行を示す斑点がありません。メドゥーサではなかったのかと疑われ、暴力をふるわれるマルコを、カスミがかばいます。
部屋に広がるいばらと塀の上の少女
マルコは、ここにはほかにも入口があると見抜き、壁を破って外へ出ようとします。そのとき建物の外の塀の上に、フードをかぶった少女が現れて「夜が来るよ」と告げました。
床を割って突き出したいばらが、部屋に広がり始めます。いばらに捕まった女性を助けようとして、カスミは「どうして いつもいつも こんなに無力なの?」と自分を責めます。
やがていばらの動きは止まり、塀の上の少女は「つまんないの」と口にします。
劇場アニメの登場人物|カスミ・シズク・マルコ
劇場アニメの中心にいるのは、双子のカスミとシズクです。城から脱出する一行には、マルコや少年ティムもいます。
カスミ・イシキ
15歳の内向的な高校生です。メドゥーサで両親を亡くし、双子の姉シズクと寄り添って暮らしていました。
コールドスリープには自分だけが当選し、姉を差し置いて生き残ることに引け目を感じています。
シズク・イシキ
カスミと同じ15歳で、外交的でテキパキした性格です。右足に大きな傷跡があり、カスミを心配して施設まで付き添ってきました。
子どものころの事故でカスミをかばい、シズクは足に消えない傷を負いました。
マルコ・オーエン
全身にタトゥーを入れた24歳の男で、刑務所から護送されてきました。妹のローラを失って以来、メドゥーサを利用しようとする人間たちを憎んでいます。
ティムとキャサリン
ティムはドイツの8歳の小学生で、ゲーム機を片時も手放しません。なぜか城の中の怪物の性質を知りつくしています。
キャサリンは30歳の看護士で、幼いティムを可愛がります。
いばらの王のネタバレ考察と原作漫画・映画の違い
原作漫画と劇場アニメは、同じ設定から始まる別々の作品です。劇場アニメは、カスミを主人公に据えて物語を組み直しています。

原作と映画の違い|病気の設定と目覚めまでの時間
漫画と映画では、メドゥーサの進み方や、目覚めたときの時間の描き方が違います。主人公の位置づけも、映画でははっきり変えられています。
設定の違いの早見表
| 項目 | 原作漫画(1巻) | 劇場アニメ |
|---|---|---|
| メドゥーサ | 感染して6週間で発作、6時間で石化 | 潜伏期間30〜60日、発病から12時間で石化 |
| センター | 13世紀の城砦を改築 | スコットランドの古城に造られた |
| 選ばれた人数 | 160人 | 160人 |
| 目覚めるまで | 長い年月が過ぎたと考える台詞がある | 眠ってから48時間ほど |
| マルコ | CIAの秘密口座を不正操作して捕まっていたと議員に責められる | 刑務所から護送されてきた24歳の男 |
劇場アニメはカスミを主人公に据えた
劇場アニメは、カスミをはっきり主人公と定めて、そこを軸に物語を組み直しました。ハードな要素とソフトな要素が混ざった原作から、よりハードでリアルな方向へ寄せています。
物語づくりでは、作り手が原作者の岩原裕二と密にやり取りを重ねました。
目覚めまでの時間は映画では48時間
劇場アニメでは、目覚めたのは眠りについてから48時間ほど後でした。
漫画の1巻では、人物たちが「いったいどのくらいの年月眠り続けていたのか…」と戸惑います。「16年や20年でこうなるとは思えねえ」と、長い年月を思わせる台詞も出てきます。
原作漫画は全6巻で完結|評価と受賞
原作漫画は2005年まで連載され、全6巻で完結しています。漫画も劇場アニメも、海外で評価を受けました。
連載は2005年に終わり全6巻に
連載は2002年10月号から2005年10月まで続きました。最終6巻は2005年10月24日に発売されています。
原作の結末が描かれる最終6巻はこちらです。
原作はアメリカ図書館協会の推薦作
原作漫画は、2008年のアメリカ図書館協会推薦グラフィックノベルに選ばれました。
劇場アニメは映画祭で銅賞
劇場アニメは、モントリオール・ファンタジア映画祭2010の観客アニメ部門で銅賞を受けました。
原作の試し読みと劇場アニメの公式サイト
原作漫画の1巻は、出版社の商品ページから試し読みができます。劇場アニメには公式サイトがあります。
原作1巻はKADOKAWAで試し読み
KADOKAWAの『いばらの王 1』の商品ページに、試し読みのボタンがあります。
劇場アニメの公式サイト
劇場アニメの公式の窓口は、次の2つです。
いばらの王に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 『いばらの王』の漫画は完結していますか?
A. 完結しています。月刊コミックビームで2005年まで連載され、単行本は全6巻です。
Q2. 劇場アニメ『いばらの王』の結末はどうなりますか?
A. 主人公のカスミは、亡くなった本物のカスミの代わりに、シズクの力で生み出された存在でした。最後はマルコが息を引き取ります。
Q3. カスミとシズクはどちらが姉ですか?
A. 劇場アニメでは、シズクが姉、カスミが妹です。
Q4. 原作漫画と劇場アニメは同じ話ですか?
A. 同じ話ではありません。劇場アニメはカスミを主人公と定めて物語を組み直しました。メドゥーサの設定も漫画と違います。漫画1巻には長い年月が過ぎたと思わせる台詞が出ますが、劇場アニメで目覚めたのは48時間ほど後です。
Q5. 劇場アニメの声優と主題歌を教えてください
A. カスミが花澤香菜、マルコが森川智之、シズクが仙台エリです。主題歌はMISIAの「EDGE OF THIS WORLD」です。
まとめ:いばらの王のネタバレと映画の結末
『いばらの王』は、石化病から逃れるために眠りについた人たちが、いばらに覆われた城で目覚める物語です。
- 劇場アニメのカスミは、亡くなった本物のカスミの代わりにシズクが生んだ存在
- 劇場アニメでは、目覚めたのは眠ってから48時間ほど後
- 劇場アニメのラストでマルコは息を引き取る
- 原作漫画は全6巻で完結し、劇場アニメはカスミを主人公に据えて物語を組み直した
- 原作1巻の終盤では、マルコ・オーエンに素性の疑いがかかる

